はじめに

8月5日の日経平均はブラックマンデー超えの急落となり、今週は株式市場の歴史に残る1週間となりました。歴代1位の下げ幅で、週明けからジェットコースターのような相場が続いています。

今回は日経平均暴落の要因と、歴史的な暴落の中で、私たちは投資家としてどのような行動を取ったら良いのかについて考察させていただきます。


日経平均下落の4つの要因

直近の日経平均下落の要因は以下の4つの要因が考えられます。

(1)円高の進行
(2)需給的に売り込まれている
(3)利上げ
(4)アメリカの景気減速(リセッション)への懸念

(1)円高の進行(162円台から141円台の円高に)
日銀による為替介入をきっかけに、日米金利差(特に日本の利上げ前倒しや植田総裁の発言)、円キャリートレードの急速な巻き戻しで円高方向に急速に動いたことが株価下落につながった一因です。ドル円と日経平均のチャートを重ねると7月11日の夜に為替介入にトレンドが変わったことがわかります。

(2)需給的に売り込まれている
そもそも日経平均は3万8000円台から4万2000円台へ急騰していたこと、個人の信用取引が溜まったことで急落の際、狼狽売り、強制ロスカットもあり、投機筋による売り注文も一気に増えて、売りが売りを呼ぶ展開となったと考えられます。

(3)利上げ
日銀金融政策決定会合で日銀は31日に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定。国債買入額は現在の月6兆円から26年1〜3月までに月3兆円程度へ減額したことに加え、植田総裁の記者会見ではさらなる利上げを否定しませんでした。追加利上げにしろ発言にしろ、タカ派的な姿勢を示したと言えます。
利上げを次回9月の日銀金融政策決定会合から前倒したのは自民党の総裁選と時期をずらす為という可能性も。

(4)アメリカの景気減速(リセッション)への懸念
FOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備理事会)は政策金利を8会合連続で5.25〜5.5%に据え置きました。パウエルFRB議長の発言では、早ければ次回の9月会合で利下げを行う可能性あると言明、雇用への懸念も発言もしています。

そんななか7月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想17.5万人に対して結果は11.4万人増(前回20.6万人増)、失業率が予想4.1%に対して結果は4.3%(前回4.1%)となっており、直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント上回ると景気後退が始まった可能性が高いという「サーム・ルール」でリセッション判定値に到達しました。

リセッション懸念の高まりからソフトランニングできないのではないかという警戒感があり、雇用統計の悪化で今回のFOMCで利下げすべきだったという意見も出ています。

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