はじめに

新NISAではオルカン(オールカントリー) に投資している方も多いと思います。そこでよくいただくご質問が「オルカン1本に絞るべきか、それとも定額でいくつかの投資信託に分散するべきか」というものです。そこで、1本に絞ったほうがいい方と分散したほうがいい方の特徴について解説していきます。


「絞る」メリット

まずNISAで保持する投資信託を絞ることのメリットについて説明します。

  1. 管理が簡単になる
    投資信託を少数に絞ることで、ポートフォリオの管理が簡単になります。少ない数の投資信託に集中することで、それぞれのパフォーマンスを詳細に追跡しやすくなり、必要なときにリバランスを行いやすくなります。特に初心者の場合、複数の投資信託を管理するのは手間がかかるため、最初はシンプルなポートフォリオから始めるのが良いかもしれません。

  2. 投資効果の最大化
    投資信託を絞ることで、選んだ投資信託のパフォーマンスが良ければ、その利益を最大化できます。特に、成長性が高い投資信託に集中投資することで、投資額に対して高いリターンを得られる可能性があります。

  3. コストの抑制
    少数の投資信託に絞ることで、信託報酬などのコストを抑えることができる、またコストを把握しやすくなります。投資信託は通常、保有期間中に信託報酬がかかるため、保有すればするほどコストがかさんでいきます。信託報酬が低く、運用効率の高い投資信託に絞ることで、コストを抑えつつリターンを狙うことができます。

「分散」のメリット

次に、NISAで複数の投資信託に分散投資することのメリットについて説明します。

  1. リスクの分散
    投資の基本はリスク分散です。複数の投資信託に分散投資することで、特定の投資信託が値下がりした場合でも、他の投資信託がその損失を補う可能性があります。異なる地域や業種に投資することで、リスクを分散し、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。ただ、オールカントリーなど、最初から分散されている投資信託もありますので、似たような傾向の商品を複数保有していてもあまり分散の意味はなく、むしろコストがかかってしまうので注意です。

  2. 異なる投資戦略へのアクセス
    分散投資をすることで、異なる投資戦略にアクセスできるようになります。例えば、成長株に投資する投資信託と、債券や高配当株に投資する投資信託、金などのコモディティに投資する投資信託を組み合わせることで、さまざまな市場環境に対応できるポートフォリオを構築することができます。これにより、市場全体が不安定な時期でも、一定のリターンを狙うことが可能です。

  3. 新興市場やテーマ型投資信託の組み入れ
    複数の投資信託を持つことで、新興市場や特定のテーマに焦点を当てた投資信託もポートフォリオに組み込むことができます。例えば、環境技術やAIなどの成長分野に投資する投資信託と、安定した大型株に投資する投資信託を組み合わせることで、将来的な成長を期待しつつ、リスクを分散することができます。

  4. 機会損失の回避
    市場は常に変動しています。一つの投資信託に集中しすぎると、他の有望な投資機会を逃してしまう可能性があります。複数の投資信託に分散することで、異なる市場のチャンスを捉え、機会損失を最小限に抑えることができます。

ここからは、より具体的にオルカン1本と、オルカンにほかの投資信託を加える場合を見ていきます。

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