はじめに
具体的な事例と注意点
60歳で早期退職したAさんの事例を見てみましょう。Aさんは現在、失業給付の基本手当を受け取っていて、3か月後に給付が終わります。企業年金の年額72万円以外の収入がない状態です。
一方、Aさんの妻は10月からパート先が社会保険の適用拡大の対象となり、厚生年金と健康保険に加入することになりました。この状況を活用することで、Aさんの健康保険料負担を大幅に減らせる可能性があります。
具体的には、妻のパートの年収が144万円以上であれば、Aさんは妻の健康保険の扶養に入ることができます。例えば、妻の年収が144万円の場合、妻が負担する健康保険料は8,221円(東京都・令和6年3月分〜)となり、これにはAさんの分も含まれます。現在Aさんが納めている月7万円と比べると、大幅な費用削減になります。
この戦略であれば、世帯全体の保険料負担を大きく減らせる可能性が高いです。妻が厚生年金に加入することで、国民健康保険に比べて保険料が低くなる場合が多く、さらに夫が扶養に入ることで追加の保険料負担がなくなります。
最後にお伝えしておきたいのは、この方法は年金を受け取り始める65歳までの一時的な対策です。ただし、年金を後ろにずらして受け取る、あるいは、妻がパートを辞めたときは子供の扶養に入るなどの方法も検討できます。
それ以外にも、再就職の可能性や将来の収入の変化なども考えに入れて、定期的に状況を見直すことが大切です。退職後の健康保険の選び方は、家族全体の状況を踏まえて慎重に検討し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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