はじめに
約2年前からこちらの記事内で株主優待の動向について時折触れています。
2022年辺りにオリックスやJT、マルハニチロなど株主優待の廃止を発表する企業を取り上げました。
参考記事:オリックスにJT、マルハニチロも…株主優待の潮目、廃止増加の背景とは
要因は、株主優待による企業側の負担が大きく、海外投資家や機関投資家によるコーポレートガバナンス・コードが浸透する中で、株主還元の手段を配当金や自社株買いを重視する要求があったように感じます。
株主優待実施企業は過去最多か
東京証券取引所が、プライム市場とスタンダード市場の全上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を2023年3月に開始しました。また、暫定的に上場を認める「経過措置」を終わらせる改革が進められたことによって、株主優待を新設したり見直しをしたりする企業が増加しています。
当時も「株主優待は一方向に消滅するものとは思えない」とお伝えしてきました。先日そのことを裏付けるような結果を目にしました。
2024年9月末時点の優待実施企業は1489社でしたが、その後優待新設を公表した企業は36社にのぼり、合計で「1525社」(1月10日時点の速報ベース)となりました。2025年は2019年にマークした優待実施企業数の過去最多記録となる1521社を6年ぶりに塗り替えることになりそうです(大和インベスター・リレーションズ調べ)。
前述したように、3月期決算企業の場合、2025年3月末で経過措置が終了し、上場維持基準に適合していない場合、原則1年以内に改善しなかったときは監理銘柄(確認中)、整理銘柄を経て上場廃止となります。今後も株主優待などで株価の上昇を狙う企業もあるでしょう。そこで今回は2024年12月以降に株主優待を新設した銘柄をいくつか紹介したいと思います。