「オジサン向けスイーツ飲料」を発売するポッカの思惑
構想から8年で新製法を実用化
サッポロホールディングス傘下のポッカサッポロフード&ビバレッジが、一風変わった商品を来週から販売します。特許出願中の新製法で作った、新感覚のスイーツドリンクです。商品としての最大の特長は本格的な味わいなのですが、それ以上に特徴的なのはメインターゲットを30~50代の男性に置いている点。なぜ「おじさん向けのスイーツ飲料」を開発したのか。その理由を探ってみます。
店舗3割刷新、「ヴィーナスフォート」大変貌の舞台裏
なぜ今リニューアルしたのか
東京・お台場を代表する商業施設の1つ、「ヴィーナスフォート」が3月17日、大規模改装を終え、リニューアルオープンしました。店舗数は約60店と、全体の約3割が新しくなり、面積としては約4割という大々的なリニューアルです。主なターゲットとしたのは、都市に住むファミリー客だといいます。ヴィーナスフォートの何がどう変わったのか。そして、なぜ今のタイミングで大規模リニューアルを実施したのか。その舞台裏を調べてみました。
「レバレッジ10倍ありき」ではない? FX検討会の行方
第2回会合で何が話し合われたか
「外為市場のような24時間、無数の主体が取引している巨大で奥行きの深い市場で、仮に1つ、あるいは複数の店頭FX業者が破綻した時に、金融システム全体に影響を及ぼす事態はなかなか想像しづらい。どんなリスクが懸念されるのか、今そのために何が不足しているのかというのを出発点に、他の金融商品とバランスを取る形での議論をお願いしたい」3月12日に金融庁で開かれた「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者会議」の第2回会合。その序盤で、セントラル短資FXの松田邦夫社長は立て板に水で意見を表明しました。検討会の議論に先行する形で「レバレッジ上限を現在の25倍から10倍へと引き下げる」という報道が出ている、FX(外国為替証拠金取引)の規制強化に関する動き。第2回会合では、どのような議論が展開されたのでしょうか。
あまい「綾鷹」を売り出したコカ・コーラの“甘くない”戦略
緑茶のライトユーザーを開拓
「優しく包み込んでくれるような、春の訪れを感じさせてくれる味わいです」。3月7日に開かれた日本コカ・コーラ「綾鷹 茶葉のあまみ」新発売記念イベントで、ゲストとして招かれた女優の吉岡里帆さんは、そう言って満面の笑みを浮かべました。同社が2月26日に発売した「茶葉のあまみ」は、2008年から展開している緑茶ブランド「綾鷹」の新商品。砂糖を使った人工的な“甘み”ではなく、素材の持つ自然な“あまみ”を引き出したのが特徴です。あまり緑茶を飲まないライトユーザーや苦味を理由に敬遠している人をターゲットにしたといいます。しかし、実は同社は同じ顧客層を狙った「綾鷹 にごりほのか」という商品を昨年3月に発売したばかり。なぜ、たった1年で同じターゲットの商品の刷新に踏み切ったのでしょうか。そこには、日本コカ・コーラが“あまい緑茶”に込めた“甘くない戦略”があるようです。
仮想通貨“処分7社”、何が「停止」と「改善」を分けたのか
金融庁の判断基準はどこに?
金融庁は3月8日、先月から進めてきた立ち入り検査の結果を受けて、国内の一部の仮想通貨取引業者に行政処分を下しました。今回、処分の対象となったのは7社。登録済み業者とみなし業者、合わせて32ある国内の取引所の中から「問題あり」として指摘されたわけです。その中でも、「業務改善命令」よりも重い「業務停止命令」を受けたのが、FSHOとビットステーションの2社。いったい何が、この2社とその他の5社を分けたのでしょうか。同日に行われた金融庁の説明からひも解いてみます。
SBI・松井も参戦、株取引が得になる「ダークプール」の魔力
個人投資家に福音か、それとも…
東京証券取引所で売買するよりも有利な条件で株取引ができると謳ったサービスが広がりを見せています。2月28日にフィンテックベンチャーのフィナテキストが発表したのを皮切りに、松井証券やSBI証券といったネット証券大手も参戦を表明しています。これらの企業が採用しているのが、いわゆる「ダークプール」という取引の仕組みです。どういうカラクリで東証よりも有利な条件になるのか。そして、そこにリスクはないのでしょうか。
サラダがウマいステーキ屋「ブロンコビリー」高収益の秘密
13年連続で利益率12%超
「ブロンコビリー」というステーキ店をご存じでしょうか。名古屋発祥の外食チェーンで、これまでは東海地方を中心に店舗を展開してきましたが、最近は首都圏や関西で出店ペースを加速しています。同社の特長の1つが、サラダが格段においしいこと。肉料理の待ち時間に客を飽きさせないよう、サラダバーを導入しているステーキ店チェーンは多いですが、その中でもブロンコビリーのサラダは野菜の鮮度や品ぞろえが群を抜いています。そして、これが13年連続で12%以上の経常利益率を達成できている、大きな要因の1つになっているようなのです。上場している外食大手20社の平均が4%前後で推移していることを考えると、いかに驚異的な高収益体質かということがわかります。おいしいサラダが高収益を生み出す要因の1つとなっている背景を調べてみました。
「住みたい街」最新ランキングで「自由が丘」が凋落した理由
“家選び”に2つの傾向変化
毎年恒例となっている、リクルート住まいカンパニーがまとめた「SUUMO住みたい街ランキング」。2月28日に発表された2018年関東版では、集計以来初めて横浜が首位に立つなど、いくつかの変化がありました。その中で特に気になったのが、住みたい街として高い人気を誇ってきた「自由が丘」の凋落です。2016年は4位でしたが、昨年は11位、今年は13位までランクダウンしています。背景には、どんな事情があるのでしょうか。調べてみると、“家選び”をめぐる2つの傾向の変化が浮かび上がってきました。
証券業界に激震? 株取引「手数料ゼロ」アプリの衝撃
時代は「証券3.0」に突入か
「自然に株がわかるようになる。取引のアイデアがざっくざく湧いてくる。忙しい人でも手軽に取引できる。そんなツールを開発しました」イベントの後半でタレントの石田純一さん、鈴木奈々さんとのトークセッションが控えていたからでしょうか。2月28日に開いたローンチイベントの檀上、フィンテックベンチャー「フィナテキスト」の林良太代表は、オーバーアクションで興奮ぎみに力説しました。この日に発表されたのは、同社の子会社が開発した、コミュニティ型の株取引アプリ「STREAM(ストリーム)」。最大の特長は、株の取引に伴う手数料を日本で初めて恒常的にゼロにした点です。はたして、どんな仕組みで手数料をゼロにしたのか。そして、どんな事業展開を考えているのでしょうか。テンション高めのイベントの内容から、ひも解いてみます。
ポッカと再出発、「アーモンドミルク」に“新風”吹くか
健康志向の“働く女性”がターゲット
水色のパッケージに描かれた、乳白色の液体とアーモンドの実。スーパーなどの飲料売り場で、この商品を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。1910年設立の老舗メーカーが手掛ける、「アーモンド・ブリーズ」という名のアーモンドミルクです。欧米では、健康志向の高まりを受けて、牛乳の代替飲料として豆乳をしのぐ市場規模を獲得。日本には2013年に上陸しました。そんなアーモンドミルクの先駆的ブランドが、3月から日本での製造・販売パートナーを改め、再出発を果たします。豆乳が大きなウエートを占める日本の乳代替品市場を、どんな戦略で切り崩していくのでしょうか。
早くも“イジられ対象”に?「プレ金」のお寒い現状
惨状を皮肉った販促企画も登場
「働き方改革」の一環として「プレミアムフライデー(プレ金)」が導入されてから、明日で1年。導入当初は7割弱だった知名度も、今では100%近い人が認知するまで浸透しています。しかし、認知度の高まりとは裏腹に、実際に月末金曜日に仕事を早めに切り上げられている人はごく一部にとどまるようです。ついには、あまりの不人気ぶりを逆手にとった販促キャンペーンまで登場する始末。はたして、多くの職場では、どんな状況になっているのか。各社の意識調査を基に、ひも解いてみます。
3年で226億円投資、「ロイヤルホスト」はどう変わる?
目指すは“12期連続”の経常増益
9期連続の経常増益――。消費者の節約志向や人件費・原材料費の上昇という逆風が吹く外食業界にあって異色の連続成長を遂げているのが、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などを運営するロイヤルホールディングス(HD)です。2017年12月期も経常利益は前期比16.3%増の60億円と、会社側の従来予想(56億円)を上回って着地。ロイヤルホストが3億円弱の増益となったほか、機内食事業で5億円強、ホテル事業で2億円強の前期比プラスとなりました。しかし、決算発表翌日の同社の株価は前日比で2.8%の下落。日経平均株価が同1.5%の上昇となる中で、逆行安となったのです。好業績なのに、株価はなぜ下落したのでしょうか。その背後には、ロイヤルHDが描く壮大な野望がありました。
クーポン3月復活、「すかいらーく」反転攻勢の勝算
2ケタ減益でも強気の姿勢を堅持
「11年間のファンド経営が終了し、すかいらーくは新しい時代に入りました」――。2月14日に開かれた2017年度の決算説明会で、すかいらーくの谷真社長はこう宣言しました。しかし、強気の言葉とは裏腹に、同年度の業績は、本業の儲けを示す営業利益が前年度比で1割のマイナスという状況でした。それでも、谷社長は「事業の根幹に問題はない」と言い切ります。2ケタ減益にもかかわらず、強気の姿勢を崩さないすかいらーく。その背景には、どんな事情があるのでしょうか。
どうなる「FX規制」、有識者検討会で何が話されたのか
レバレッジは何倍までが適正?
「金融庁はFX(外国為替証拠金取引)のレバレッジを10倍に規制する方針」――。そんな報道が昨年秋頃から出始めています。レバレッジとは投資家が預けたお金(証拠金)の何倍まで取引できるかを示したもので、現在の上限は25倍に設定されています。しかし、FXの市場規模が拡大するにつれ、為替相場が急激に変動した場合、投資家やFX業者が想定以上の損失を抱えるリスクも高まっています。こうした動きを踏まえて、金融庁は「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」を設置。2月13日にその第1回会合が開かれました。初回の検討会では、どんなことが議論されたのでしょうか。
金欠学生に朗報?「バイトヘルプ特化型アプリ」の実力
ワンタップでシフト登録が完了
今週のシフトが削られて、収入が減ってしまった。大学の授業が休講になって働けるようになったのに、シフトを入れていなかったので時間を持て余してしまった――。アルバイトに関して、こんな悩みを抱いている人は少なくないのではないでしょうか。こうしたバイトの“あるある問題”を解決してくれるかもしれないアプリが、1月末にリリースされました。はたして、使い勝手はどうなのでしょうか。
「コインチェックはカス」、SBI北尾氏“衝撃発言”の真意
なぜ不正流出騒動に怒り心頭なのか
「コインチェックは本当に初歩的な問題。まったくナンセンス。最も腹が立つのは、システムにお金をかけるべきところを、CMにばかりお金をかけていたこと。こういう輩はカス中のカスだ」歯に衣着せぬ豪快な発言で知られるSBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長ですが、この日はいつになく強い言葉が並びました。仮想通貨取引所「コインチェック」から約580億円相当の仮想通貨が不正に流出した問題に、よほど腹を据えかねていたのでしょう。さらに、まくし立てます。「私には彼らが4百数十億円も返せるとは思えない。そんなにボロ儲けしていたのか。そうであれば、ちゃんと税金は納めていたのか。今どき現金でそれだけの額を払える会社は少ない。金融庁は徹底的に審査しないといけない」ここまで厳しくコインチェックを糾弾する北尾社長。その発言の裏側には、SBIが描く壮大な野望がありました。
仮想通貨にジャンク債、種まく“投信の伝道師”の野望
「モーニングスター」はどこに向かう?
投資を経験したことのある方であれば、一度は「モーニングスター」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。投資信託の評価を中心に世界規模の金融情報を配信している、投資家にとっては“投信の伝道師”のような企業です。そんな同社が1月24日、2017年度第3四半期(4~12月期)の業績を発表しました。これまで8年連続で2ケタの営業増益を続けてきましたが、今年度は第3四半期累計で1.8%の増益と伸びが鈍化。翌25日の株価も前日比で5%超の下落と冴えない展開となりました。しかし、決算発表当日に開かれた説明会での朝倉智也社長の言葉は、自信に満ちたものでした。その裏側には、モーニングスターが描く“脱・投信依存”の大いなる野望がありました。
ポテチ全品増量、「湖池屋」太っ腹企画の胸アツ理由
ポテチショックからまもなく1年
皆さんは「ポテチショック」を覚えていますか。2016年夏に北海道を襲った台風の影響などで、ポテトチップスの原料となるジャガイモが不作に陥り、翌2017年の春以降、店頭からポテチの姿が次々に消えていきました。あれからまもなく1年。2017年の北海道は天候に恵まれ、ジャガイモの品質は良好。収穫量も100万トンを回復しました。菓子メーカー各社のポテチ製造ラインも通常操業に戻っています。こうした“完全復活”を受け、湖池屋が太っ腹な企画を打ち出しました。その狙いはどこにあるのでしょうか。