広がる「逆アマゾン効果」、米国“クラウド三国志”の行方
ビッグデータ時代の領土戦争
アマゾン、グーグル、マイクロソフトの業績が絶好調です。3社とも伸びているのはクラウド事業。今、米国のIT大手にとっては、この事業が最大の成長部門であり、稼ぎ頭になっています。その中でも勢いがいいのがアマゾンなのですが、直近の各社の業績発表を見ていて、気になる言葉を発見しました。「逆アマゾン効果」という言葉です。アマゾンやグーグルには「ある事情からデータを預けたくない」という企業群があって、その需要がマイクロソフトに流れているという話です。いったいどんな事情があるのでしょうか。
マンガ販売が大幅減、出版業界が陥った“不治の病”
犯人は「ネット海賊版」だけではない
出版科学研究所が1月25日に発表した「2017年の出版市場の状況」が、業界に激震を走らせています。長期低迷が続いている紙の出版物が前年比6.9%減の1兆3,701億円だったのはまだ織り込み済みだとしても、問題はその内訳でした。なんと出版業界の稼ぎ頭だったマンガ単行本の売り上げが約13%減と、初めて2ケタの減少を見せたのです。背景について、「ネットの海賊版が横行しているから」と見る向きもありますが、はたしてそれだけが理由なのでしょうか。
リクルートvs楽天? ガチンコ「民泊バトル」の胸算用
日本の宿泊業界はどう変わる?
民泊ビジネスに日本の大手企業が相次いで乗り出しています。今月には、リクルートホールディングス(HD)が民泊事業への参入を表明。楽天も昨年6月に参入を発表、今年3月から民泊物件の登録受付を開始する予定です。リクルートは米Airbnb(エアビーアンドビー)と提携して住宅情報サイト「SUUMO」で、楽天は旅行予約サイト「楽天トラベル」で民泊の情報の提供を始めます。ネットとリアルの“橋渡し役”として存在感を放つ2社の参入によって、これから先の民泊ビジネスはどうなるのでしょうか。
広がるスマホ決済「LINEペイ」、日本企業に対抗策は?
PCやスマホの“二の舞”になるのか
LINEペイで支払いのできる店舗が増え始めています。LINEペイは、電子マネーの次に来る決済手段だといわれている「スマホ決済」という分野のサービスです。中国では、アリペイとウィーチャットペイの2大決済が普及していて、財布を持たなくても買い物ができる社会が実現されています。米国発のアップルペイやアマゾンペイが世界の決済競争において覇権を握るのではないか、と見る向きもあります。LINEは日本で上場する企業ではありますが、親会社は韓国企業。パソコン、スマートフォンに続いて決済まで外資に市場を席捲されかねない現状に対して、日本の経済界に焦りはないのでしょうか。
バイト感覚で観光案内、「無資格ガイド」解禁の衝撃
新たなシェアビジネスが隆盛?
2020年の東京オリンピックに向けて、政府がさまざまな規制緩和を進めています。すでに先行している“爆買い”向けの免税手続きの簡素化や、民泊の規制緩和に続いて、1月4日からは無資格ガイドが解禁されました。この規制緩和によって、どのようなビジネスチャンスが生まれるのでしょうか。これから先の新しい事業機会の全体像を探ってみます。
LINEが「自転車シェア」参入の先に見据える“青写真”
モバイクとの提携は布石に過ぎない
SNS大手のLINEが12月20日、シェア自転車事業に参入することを表明しました。中国最大手のシェア自転車事業者モバイクと資本提携をするのです。これから先、シェアエコノミーが伸びるとされていますが、それにしてもなぜそこにLINEが参入するのでしょうか。同社の出澤剛社長は「LINEはシェアサービスと相性が良い」と話しています。今回の提携がこの先、どのようなビジネスに発展しうるのか、考えてみましょう。
楽天、携帯事業に本格参入のなぜ 挑む“新参者”の覚悟
ソフトバンク対抗網は完成するか
楽天が4Gの周波数帯取得に向けて総務省に申請することがわかりました。簡単にいうと全国に自前の携帯電話ネットワークを構築し、本格的な携帯電話事業に参入するということです。これまで大手3社に集約されていた携帯電話事業に第4のプレイヤーが登場することで、業界では再び競争の激化が予想されます。しかし、楽天はなぜ今、携帯事業に本格参入するのでしょうか? 戦略の意図を考えてみたいと思います。
話題のJリーグ「マネー格差」とスマホの意外な関係
スポーツの未来は急騰中
今年、サッカーJ1リーグでは川崎フロンターレが念願の初優勝を飾りました。このチャンピオンチームに入る「分配金がすごい」と話題になっています。その額が多いということもさることながら、2位以下のチームとの分配比率に大きな“格差”があるのです。この分配金の違いによって来シーズン以降、チームの間には“戦力格差”が広がるのではという心配もされていますが、なぜこのような格差時代がおとずれたのでしょうか。実は、これにはスマホとの意外な関係があったのです。
大手3社が攻防、クラウドAIで激変する私たちのくらし
グーグル・アマゾンの熾烈な戦い
アプリケーションやデータベースのための環境を設置する“クラウド”サービスの世界で、アマゾン・マイクロソフト・グーグルというITビッグ企業3社の寡占が強まっています。直近では3社の合計でシェア52%と過半数を占めました。彼らのシェアが高まっている理由は人工知能。なぜこの言葉がキーワードになるのか、背景を探ってみましょう。
大型商戦「ブラックフライデー」は日本でも定着するか?
ハロウィンに続け、各社の思惑
日本でも「ブラックフライデー」を導入しようという動きが拡大しています。これはアメリカでは365日の中で一番消費が伸びると言われている小売店のイベントですが、これまで日本ではあまり注目されていませんでした。ところが、昨年に続きイオンが今年も力を入れるとともに、楽天市場もブラックフライデーを意識した特売イベントを開始。日本にも拡がっている、この動きの意味を考えてみましょう。
パイロットがいない!? 「AIRDO」の運休が深刻に
2030年問題の解決策はあるか
東京-札幌などの空路をつなぐ航空会社「AIRDO」が、2018年2月の大幅な運休を発表しました。理由はパイロットが確保できないためです。このパイロット不足は「2030年問題」と呼ばれ、今後ますます深刻になるといわれています。日本の空は大丈夫なのでしょうか?安い空の旅は続けられるのか――。状況をまとめてみました。
牛丼からおにぎりまで、「値上げ」報道の舞台裏
今、業界に何が? それぞれの事情
「すき家」を運営するゼンショーが商品の値上げを検討しているようです。この一報の翌日、ゼンショーの株価は上昇しました。消費者としては少し複雑ですが、株式市場は今回の値上げを経営にプラスだと考えている様子です。また、ほぼ同じタイミングで「コンビニ各社がおにぎりの値上げを計画している」とのニュースが流れました。身近な食べ物が次々と値上がりしそうな予感ですが、実は牛丼とおにぎりの“値上げの事情”は違っているようです。今、業界に何が起きているのか? まとめてみました。
留守でも家の中に宅配「アマゾン・キー」は革命を起こす?
スマートキーが拓く新しい需要
アメリカのアマゾン・ドットコムは配達時に不在の顧客に対し、スマートキーでドアを開錠して部屋の中へ配達するサービスを始めると発表しました。見知らぬ人が自分の部屋の鍵を開ける――。一見ありえないサービスに思えますが、そこに最新のテクノロジーが入ることで「これまでなかった新しい体験」が提供されるかもしれません。アマゾンのサービスとスマートキーについて、未来の可能性をまとめてみたいと思います。
新型「aibo」はソニー完全復活の旗手となるか?
ペットロボットに見る新たな可能性
ソニーは2018年3月期の決算見通しが過去最高益6,300億円の営業利益になると発表しました。リストラを続け再生に苦しんできた同社が、いよいよ本格的に復活したという、うれしいニュースです。その翌日11月1日、ソニーの平井一夫社長は、リストラの過程で販売中止した犬型ロボット・アイボを復活させると発表しました。正しくは従来の“AIBO”ではなく、小文字で“aibo”と書く新商品ということですが、新型aiboはソニーの牽引車となることができるのでしょうか?(画像出典:aibo専用サイト)
累計1億台突破、ホンダ「スーパーカブ」が向かう苦難
隠れた高収益商品の次なる一手は?
ホンダの原動機付自転車「スーパーカブ」の累計生産台数が1億台を超えました。国内の「カブ」主力工場である熊本製作所では、19日、八郷隆弘社長がスーパーカブにまたがりながら笑顔で報道陣に応える記念イベントを開催。カブはホンダの創業製品であると共に、ホンダのなかでも大きな利益を叩き出す収益源でもあります。今回はカブをめぐる経営事情について一緒にみていきましょう。
文藝春秋社の社長が図書館に異例のお願いをした背景
書籍マーケットの本当の敵は誰?
文藝春秋の松井清人社長が全国図書館大会の東京大会で、図書館側に異例の訴えをしたことが話題になっています。図書館に文庫の貸出をやめてくれないかというのです。文庫といえば図書館の利用者にとっても読みたいコンテンツが揃っている人気コーナーなのですが、なぜ今、大手出版社の社長がそのような訴えをするのでしょうか。背景には縮小する書籍マーケットという業界の苦境があります。今、何が起きているのか、状況を探ってみましょう。
「インスタ映え消費」の現状 定着するためのハードルは?
新しい消費論は本物か否か
消費のキーワードとして「インスタ映え」という言葉が登場するようになりました。SNSサービスのインスタグラムに写真を投稿するユーザーが、ただ写真を投稿するのではなくて、投稿者のセンスをアピールするような写真を投稿するという意味です。最近ではわざわざそのインスタ映えする写真を撮影する目的で、イベントに出かけたり、商品を購入したりと、インスタグラムが新たな消費を生み出すというトレンドが生まれ始めています。この「インスタ映え消費」は本物なのかどうか。議論をまとめてみたいと思います。
メルカリがポケットマルシェに出資した先にあるもの
生鮮品はフリマにフィットするか?
フリマアプリ運営大手のメルカリが、農産物のネット販売を行うポケットマルシェに出資するそうです。メルカリは年内に株式上場を予定していると言います。既に上場前に時価総額1,000億円を超えるユニコーン企業として有名だったメルカリですから、その資金力に関してはさまざまな方面に投資するだけの余力は十分にありそうです。さて、そのメルカリが出資したポケットマルシェですが、お互いの事業にとっての親和性は高そうです。この二社が手を組んだ場合、どのような展開が期待できるのかを考えてみましょう。(画像:ポケットマルシェ Webサイト)