期待のiPhone X不振で「有機EL」の勢力図は変わる?
中国メーカーが工場建設ラッシュ
新世代のパネルとして注目されている有機ELパネル。中国のパネルメーカーが次々と巨大な工場の建設を始める動きを見せています。有機ELをめぐっては、昨年発表されたiPhone Xが採用したことで、今後のスマートフォンは有機ELに代わると期待されていました。しかしその後、iPhone Xが想定以上の販売不振に陥ったことで、その先行きが懸念されています。次世代液晶パネルの未来はどうなるのでしょうか。
トヨタで1兆円、自動車の研究開発費が急増するワケ
国内7社で合計3兆円に
国内の自動車7社の2018年度の研究開発費が過去最高になりそうです。その規模は合計で約3兆円。トップのトヨタ自動車の研究開発費は1兆0,800億円と単独で1兆円を超えます。自動車業界に何が起きているのでしょうか。
衆院委を通過、「カジノ法案」が生む経済的意味とは?
いったい誰がどう儲かるのか
日本にカジノを中核とする統合型リゾートを建設する、通称「カジノ法案」が6月15日、衆院内閣委員会で賛成多数で採決されました。今後、衆参両院の本会議を通過できるかどうかはぎりぎりのタイミングです。一方、法案が具体化されたことで、いよいよ日本でもカジノビジネスが始まると期待する向きもあります。このカジノ、いったい誰がどのように儲けるのか、ビジネスチャンスの仕組みを解説したいと思います。
日本政府が「QRコード決済」の規格統一に乗り出すワケ
キャッシュレス時代が到来するか
経済産業省がQRコードを使った決済の規格統一に乗り出す――。そんな一部報道がありました。とはいっても、ピンとこない読者の方が多いのではないでしょうか。しかし、このニュースは数年後にはとても重要なニュースだったと誰もが思うようになるでしょう。その意味するところを解説します。
カルビーの名物経営者はなぜ「RIZAP」に移籍したのか
プロ経営者・松本晃氏はどんな人?
面白い人事発表が飛び込んできました。日本で指折りの「プロ経営者」と言われている松本晃氏が、ダイエットで有名なRIZAPグループのCOO(最高執行責任者)に就任するというのです。ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人社長からカルビーに転身して9年、今年の3月に退任した後の去就が注目されていました。松本氏はRIZAPで何をしようというのでしょうか。
インテルも開発を急ぐ「人工知能チップ」って何?
“ITの巨人”に忍び寄る脅威
半導体大手の米インテルが5月23日、新しいプロセッサーを2019年に市場投入すると発表しました。この商品、実は“業界の巨人”が起死回生を狙って発売する商品です。というのも、インテルはある成長分野で後れを取っているのです。それが人工知能(AI)チップです。盤石と思われた同社は何につまずいているのでしょうか。解説してみたいと思います。
総額6.8兆円、武田薬品はなぜ巨額買収に踏み切った?
シャイアー買収の戦略的意義
かつてないほどの巨額買収のニュースが飛び込んできました。日本最大の製薬会社の武田薬品工業がアイルランドの製薬会社シャイアーを620億ドル(約6.8兆円)で買収するというのです。製薬業界では世界の大手による寡占化が進んでいて、このままでは日本勢はその流れから取り残されてしまうのではないかと懸念されていました。今回の買収発表で、武田薬品工業の世界の中でのポジションはどう変わるのでしょうか。
アマゾン「家庭用ロボット開発」報道がアツい“3つの理由”
私たちの暮らしをどう変える?
米国の経済メディア、ブルームバーグが関係者の話として、ネット通販大手のアマゾン・ドットコムが家庭用ロボットの開発を進めていると報道しました。これに対してアマゾンは「噂や憶測にはコメントしない」と述べたそうですが、巷ではこの報道に対するさまざまな反応があふれています。仮にこの報道が真実だったとして、アマゾンはなぜ家庭用ロボットに参入するのでしょうか。その意図を考察してみましょう。
ソフトバンクの申告漏れに全投資家が関心を持つべき理由
今後起こりうる3つの影響
ソフトバンクグループ(SBG)が東京国税局から海外子会社の所得漏れを指摘されたという報道がありました。ニュースが話題になったのは、その金額の大きさが一因。約939億円の申告漏れを指摘されたのです。最終的にSBGが支払った税金は約37億円で済んだということですが、今回の一件は同社の経営にどのような影響があるのでしょうか。
広がる喫煙規制の波、「タバコ衰退論」の気になる行方
タバコビジネスのパラドックス
愛煙家にとってますます住みにくい世界になりそうです。政府は2020年の東京オリンピックに向けて、受動喫煙対策を義務付ける法案を3月に閣議決定しています。外食産業では禁煙の動きが拡大しており、2年後には居酒屋ですらタバコが吸えないことになりそうです。このような動きは、タバコメーカーの業績に逆風になるのでしょうか。「タバコビジネスのパラドックス」について解説してみたいと思います。
ソフトバンク「駐車場シェア」参入が想像以上にアツい理由
新たなシェアビジネスの潮流
ソフトバンクが4月5日、今夏にも駐車場シェアサービス事業に参入すると発表しました。このサービスはAirbnb(エアビーアンドビー)で注目される民泊の、駐車場版のサービスといえるものです。自分の駐車場を他人に時間貸しできるサービスなのですが、いったいどれくらいの需要があるのでしょうか。新しいビジネスチャンスの可能性を探ってみたいと思います。
RIZAPグループのM&A戦略は未来の何に“コミット”?
今度はサンケイリビングを買収
RIZAPグループがM&Aの面でも存在感を高めています。3月29日には、主婦向けのフリーペーパーである「リビング新聞」を発行するサンケイリビング新聞社の株式を取得し、子会社化することを発表しました。これは、昨年に買収した「ぱど」に続くフリーペーパー紙の買収です。それ以外にもRIZAPグループはジーンズメイト、マルコ、夢展望のような小売業や、イデアインターナショナル、堀田丸正などのインテリア関連の卸業など、たくさんの上場企業を買収していることも話題になっています。RIZAPグループは何を狙っているのか、その買収戦略をひも解いてみましょう。
ピーチ+バニラ、LCC統合は“甘い結果”をもたらすか
どんな事情がANAを動かした?
ANAホールディングス(HD)傘下のLCC(格安航空会社)であるピーチ・アビエーションとバニラ・エアの2社が3月22日、経営統合を発表しました。統合によって、日本航空(JAL)系のジェットスター・ジャパンを抜いて、売上高で国内トップに躍り出ます。ただ、成長著しいアジアのLCC市場の中で、日本勢の存在感は小さいまま。航空業界からは「日本ではLCC事業は成功しない」という声も聞かれます。今回の統合はどのような意味を持つのでしょうか。
トイザらス「米国全店閉鎖」が“対岸の火事”でない理由
すべての小売業への警報か
米国の玩具小売り最大手であるトイザらスが3月15日、米国内の全735店舗を閉鎖すると発表しました。同社は半年前に日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請していたのですが、結局のところ、再建の引き受け手が見つからなかったようです。日本トイザらスの約160店舗は引き続き経営を続けるそうですが、それにしてもなぜ、米国最大手の玩具小売店がなくなることになったのでしょうか。その背景と今後への影響を分析します。
配車アプリ「ウーバー」が見据える車社会のヤバい未来
矢継ぎ早に新事業を打ち出す理由
米国最大手の配車アプリ企業であるウーバーが、興味深い戦略を次々と打ち出しています。同社はタクシーに代わる配車アプリで拡大し、未上場なのに企業価値が数兆円を超える「ユニコーン」と呼ばれる“隠れた大企業”に急成長しました。ソフトバンクなど世界の有力投資家が株主として名を連ねる中で、ウーバーが打ち出している一連の施策にはどのような意味があるのでしょうか。事業戦略の裏にある同社のビジョンをひも解いてみます。
次世代通信「5G」1年前倒しは、どれだけヤバい事なのか
グローバルの変化に大慌ての日本勢
携帯端末の次世代通信規格・5Gの導入が早まりそうです。これまで日本で5Gが始まるのは東京オリンピックが開催される2020年だとされていました。が、欧州や米国では1年前倒しの2019年になりそうだというニュースが入ってきて、一気に携帯業界がざわついてきました。海外勢が5Gを始めれば、日本も遅れているわけにはいかないのです。なぜそうなのでしょうか。そして、5Gが始まることで日本経済にはどんな変化が起きるのでしょうか。
マクドナルドがスマホ事前注文を始める浅からぬ事情
モデルは本場・米国のスタバ?
日本マクドナルドがスマートフォンで事前注文できる仕組みを全店に導入するそうです。一見、そのまま読み飛ばしてしまいそうなニュースですが、実はこの仕組み、ファストフードの売り上げを劇的に増加させるとして、米国で大きな話題となったものなのです。最初に始めたのはスターバックス。スマホ事前注文がなぜ売り上げを伸ばすのか、その秘密をひも解いてみます。
カリスマ社長の交代でも「日本電産」が心配無用の理由
コアコンピタンスと経営者の関係式
日本を代表するカリスマ経営者が2月15日、社長の座を後進に譲ると発表しました。日本電産の永守重信・会長兼社長が吉本浩之副社長を後継者に指名したのです。同社は1973年創業と、日本を代表する製造業の中では比較的新しい企業です。永守会長は精密機器用モーターのメーカー経営から始まり、1984年以降、M&Aで同じ分野のメーカーを次々と買収し、再生させていくという手法で巨大企業集団を作り上げました。そのカリスマ社長が交代することで、今後の経営に不安はないのでしょうか。日本電産と他の企業の社長交代の違いを分析してみます。