米失業保険申請、300万件超と過去最高でも「株高」の不思議
わずかな期間で一変した雇用環境
新型コロナウイルスの感染拡大で、世界の金融市場の動揺がなかなか収まりません。米国の複数の州や欧州各国は外出制限などを実施。工場の生産停止なども相次いでおり、ヒトとモノの動きのストップに伴う景気下振れへの警戒感が市場を覆っています。
コロナショック下で株価逆行高、「セブン」を覆う皮肉な事情
株価6%アップが示す市場の胸中
世界規模で猛威を振るう新型コロナウイルスのショックに見舞われた、日本の株式市場。3月6日の日経平均株価は前日比579円安と下落しました。同日の値下がり銘柄数は2,114を数えたのに対し、値上がり数はわずか40。ほぼ全面安ともいえる展開の中で“逆行高”となったのが、コンビニエンスストアを軸にスーパー、デパート、外食など幅広く展開する大手流通グループのセブン&アイ・ホールディングスでした。
隣国イタリアで感染急拡大、「新型コロナ」に揺れるパリの憂鬱
欧州でも広がり始めた新型肺炎の脅威
フランスは世界随一の観光大国です。2018年には9,000万人近くの外国人旅行者を迎え入れました。しかし、筆者が先週から出張で足を運んだ花の都・パリには、いつもに比べると閑散ムードが漂っていました。「中国人客の出足がパタッと途絶えた」――。あちこちでこんな声を聞きました。これまでは日本、中国、韓国など東アジア中心だった新型コロナウイルスの感染拡大の恐怖が、欧州にも広がっています。
映画業界が「興行収入2600億円突破」を素直に喜べない事情
過去20年では最高額を更新だが…
2019年の映画の売り上げを示す興行収入(興収)は、現在の発表形式に変わった2000年以降で最高となりました。これは日本映画製作者連盟(映連)が1月28日に公表したもので、同年の興収の額は2,611億円余りに達し、前年の水準を約17%上回りました。大ヒットの目安ともいえる興収100億円超えの作品が「天気の子」など4作品を数え、活況の1年だったといえそうです。年間の入場者数も前年比約15%増の1億4,941万人と、2000年以降では最高でした。非常におめでたい話に聞こえる、昨年の状況。もっとも、映画業界にとって手放しでは喜べない面もありそうです。
ついにイギリスがEUから離脱、これから何がどう変わるのか
今のところ大きな混乱はないが…
いわゆる「ブレグジット」の是非を問う2016年6月の国民投票が事前予想を覆す「離脱」という結果となり、世界中の人々をアッと言わせてから約3年半。イギリスが現地時間の1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)に、欧州連合(EU)から離脱しました。1973年にEUの前身のヨーロッパ共同体(EC)に加わってから47年間、他の加盟国とともに歩んできた英国が袂(たもと)を分かったことで、欧州は転機を迎えようとしています。
トップリーグは大盛況、日本大会の再現狙う「ラグビーW杯」次回開催国の胸算用
開催都市の副市長に聞く
1月12日に開幕し、先週末に第2節が開催された、2020年シーズンのジャパンラグビートップリーグ。一般向け前売り券の完売が続出しているとの報道もある中、各地の試合会場は例年にない盛り上がりを見せています。その大きな要因となったのは、言うまでもなく、昨年開催されたラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会です。日本人はもちろん、観戦のために日本を訪れた外国人の心もとらえたのでしょう。2019年のインバウンド消費を大いに底上げすることにつながりました。そんな日本大会と同様の経済効果を上げようと目論むのが、次回大会の開催国であるフランスです。実際にどのような動きが始まっているのか、開催都市の副市長に現地の準備状況を聞きました。 【写真19枚】写真で振り返るラグビーW杯日本大会
年末年始のフランス旅行は要注意、「史上最長スト」が今起きている根本事情
鉄道網に大打撃
日本の株式市場は閑散相場の様相を呈しています。12月25日の東京証券取引所1部市場の売買代金は1兆0,992億円と、7年ぶりの低水準にとどまりました。主因は、日本市場のメインプレーヤーである海外投資家の多くがクリスマス休暇入りしていることです。欧米では新年を迎えるよりもむしろ、クリスマスのほうが重要なイベント。友人や家族らと冬のバカンスを楽しみます。カトリック信者の多いフランスでも、クリスマスは大切な日。フランス語で「レベイヨン」と呼ばれる夜食をテーブルに並べて、イブのお祝いをする家庭もあります。ところが、今年はクリスマスシーズンの盛り上がりに水を差すような出来事がありました。交通機関による大規模なストライキです。
絶好調の「米国株」、“恐怖指数”の手仕舞い増加が示唆するものは?
先高感の後退か、カネ余りのあだ花か
米国の株式相場がしっかりした値動きとなっています。ニューヨークダウ平均は12月23日に2万8,551ドルまで買われて、史上最高値を更新。2018年末からは22%値上がりした計算です。堅調な展開の背景にあるのは、世界景気の回復への期待。米国と中国の通商摩擦激化に対する懸念の後退が、株価上昇を後押ししています。
東西統一から30年、ドイツはなぜ再び“袋小路”に入ろうとしているのか
欧州屈指の経済大国で何が?
ベルリンの壁が崩壊してから、今年で30年。統一を果たしたドイツは、旧東ドイツ地域が抱えていた低成長や高い失業率といった“負の遺産”を見事に克服し、欧州屈指の経済大国へ飛躍を遂げました。1990年代から2000年代初頭にかけては「欧州の病人」などと揶揄される存在でしたが、ゲアハルト・シュレーダー前首相時代に大胆な労働市場改革に取り組んだことなどが奏功。後継のアンゲラ・メルケル首相の時代になって、「奇跡の回復」を実現しました。そのドイツが今、試練に直面しています。同国の変調は欧州連合(EU)圏、ひいては世界全体の経済にも影響を及ぼしかねません。ドイツで何が起きているのでしょうか。
ラグビーW杯の44日間は日本にどんな経済的価値をもたらしたか
単純な経済効果だけでは収まらない?
アジアで初めて開催されたラグビーのワールドカップ(W杯)は、11月2日に行われた決勝で南アフリカがイングランドを下し、3度目の優勝。44日間にわたる熱戦の幕を閉じました。翌3日の会見で国際統括団体、ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は「最も偉大なW杯として記憶に残るだろう」と評価。「日本の人々の温かさ、ラグビーに対する情熱、苦しいときの友情を象徴していた大会だった」などと総括しました。今大会の経済効果は4,370億円の見込みで、前回のイングランド大会の3,220億円を上回ったもようです。しかし筆者には、それ以上の“経済的価値”がこの国に生み出されたのではないか、と思われてなりません。
ラグビー日本代表・前HCはなぜイングランドをW杯決勝まで導けたのか
ビジネスパーソンが学ぶべき点は多い?
9月20日の開幕戦から日本中を大いに沸かせているラグビーのワールドカップ(W杯)は11月2日、横浜国際総合競技場で決勝戦が行われて44日間にわたる戦いの幕を閉じます。決勝戦はイングランド対南アフリカというW杯優勝経験のある強豪国どうしの激突。イングランドは2003年大会以来、2度目の優勝を狙います。一方、南アフリカが勝利すれば、1995年、2007年大会に次ぐ3度目の制覇。優勝杯である「ウェブ・エリス・カップ」を獲得するのはどちらのチームでしょうか。
破壊者か、救世主か、「ポスト・トランプ」に浮上した女性政治家の正体
目玉政策は富裕層向け課税
世界経済・金融の中心、米ウォール街の関係者が1人の政治家の動向に神経を尖らせています。その政治家とは、2020年に迫った米大統領選に向けて民主党の有力候補として急浮上した、エリザベス・ウォーレン上院議員です。ウォーレン氏は70歳の女性。1949年に米国の南中部にあるオクラホマ州で生まれました。大学などで法律を教えた後、2012年の上院選へ立候補して当選。破産法のエキスパートとして知られ、議員になる前はオバマ政権下で消費者金融保護局の設立にかかわったこともあります。ウォール街が「ウォーレン・リスク」に敏感になっているのは、同氏の掲げる政策が「大企業やお金持ちに冷たい」と受け止められているからです。どんな政策を掲げていて、金融市場にどのような影響を及ぼしそうなのでしょうか。
日本代表の活躍だけじゃない、「ラグビーW杯」が盛り上がる納得の理由
1週間の観客動員は42万人
9月20日から始まった、ラグビーのワールドカップ(W杯)。アジアでは初の開催となった今大会の試合会場には連日、多くの観客が訪れ、大声援を送っています。日本代表は大会の開幕を飾った20日のロシア戦で30対10と勝利を収めると、苦戦が予想された27日の第2戦、アイルランドとの試合では、優勝候補を相手に一歩も引かない戦いを見せて19対12と見事に撃破。前回2015年のイングランド大会で南アフリカを破ったのに続き、またも強豪を倒しました。大会1週間を終えての観客動員は42万人余り。1試合当たりの動員数は約3万5,000人を数えます。大会が大いに盛り上がっているのは、もちろん日本代表の大活躍が大きな要因ですが、理由はそれだけではありません。
置き土産は「ドラギ・バズーカ」、日本人も無視できない欧州経済の深刻度
1年足らずで政策方針が巻き戻しに
通貨「ユーロ」の番人、欧州中央銀行(ECB)が昨年12月に打ち切ったばかりの量的緩和政策の再開へ踏み切りました。ECBは9月12日に開いた定例の理事会で金融緩和を決定。銀行が中央銀行に余剰資金を預ける際の金利を、現在のマイナス0.4%からマイナス0.5%へ引き下げました。同時に、11月から月200億ユーロのペースで国債などを買い入れる量的緩和政策に再び乗り出すことも決めました。マイナス金利の深掘りをめぐっては金融市場の関係者の間でも「織り込み済み」との受け止め方が大半を占めていましたが、量的緩和の再開に関しては「サプライズ感」もあったようです。なぜ、ECBはこのタイミングで量的緩和の再開に踏み込んだのでしょうか。
日本一“アツい”ラグビーの街・熊谷は今どうなっているのか
W杯本番まであと1ヵ月
「4年に一度じゃない。一生に一度だ」。ラグビー・ワールドカップ(以下、W杯)の日本開催を9月20日に控え、街中には同大会のキャッチコピーを掲げたポスターやのぼりなどが目立つようになってきました。大会は開幕戦となる同日の日本対ロシア戦を皮切りに、11月2日の決勝戦までの44日間、全国12会場で計48試合が行われます。カウントダウンが始まり、試合会場のある各都市も受け入れ態勢の整備を急いでいます。その1つ、埼玉・熊谷ラグビー場のある熊谷市へ足を運びました。
またも米国株が急落、8月最終週の日本株市場はどう動く?
強まる「リスクオフ」の動き
世界の株式相場が不透明感に覆われています。8月23日の米国株式市場は大幅に下落。ニューヨークダウ平均は前日比623ドル安(▲2.37%)で取引を終えました。一方、米国の10年物国債が買い進まれて、利回りは一時1.5%割れを記録。ニューヨーク市場では金の先物価格が1トロイオンス=1,500ドル台を突破し、6年4ヵ月ぶりの高水準に達しています。いずれも先行き不安が高まった局面で買われる「安全資産」。投資家の間で、株式などのいわゆるリスク資産へ資金を振り向けることを回避する「リスクオフ」の動きが強まっているのを示唆しています。
株価8月急落をもたらした「トランプ・ツイート」の真意
ターゲットはFRB?
世界の株式相場が荒れ模様の展開となっています。8月5日の米ニューヨーク株式市場は、ダウ工業株30種平均が前週末比767ドル安と、今年最大の下げ幅を記録。これを受けた6日の東京市場でも、日経平均株価が一時、値下がり幅が600円を超えました。波乱のきっかけになったのは、ドナルド・トランプ米大統領の「つぶやき」です。1日にツイッターで、3,000億ドル相当分の中国製品に対して、新たに10%の追加関税を9月から適用する考えを表明。制裁関税「第4弾」の実施を打ち出したことで、金融市場では米中両国の通商交渉進展への期待が一気に後退した格好です。トランプ大統領のツイッターのフォロワーは7,000万人超。世界人口は現在、約77億人なので、単純にはフォロワーの人数が100人に1人近い割合に達している計算です。「(米国の)S&P500種株価指数が最高値を記録した」などと株式相場に関するつぶやくことも多く、最近は市場が振り回されるケースが少なくありません。
「英国版トランプ」の首相就任は日本株相場をどう動かす?
10月末のEU離脱を明言
「この国と自らの決断を過小評価すべきではない」。英国のボリス・ジョンソン新首相は「ダウニング街(首相官邸)」での演説でこう吠えました。欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」に揺れる英国に、新しいリーダーが誕生しました。55歳のジョンソン首相です。7月23日に行われた与党・保守党の約15万9,000人の党員による選挙で66%の支持を集めてジェレミー・ハント外相を破り、翌24日にテリーザ・メイ前首相の後継者となりました。この新首相誕生は、日本の金融市場にどのような影響を及ぼしそうなのでしょうか。