Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
“ファミマ完全子会社化”が伊藤忠を真の総合商社トップにする?
コロナ禍で「非資源ビジネス」が光った
コンビニ業界と総合商社がここ数年で連携を強化しています。日本を代表する「五大商社」の一角である伊藤忠商事は8日、子会社であったファミリーマートに対し株式の公開買い付け(TOB)を実施しました。伊藤忠は総額5808.81億円でファミリーマートを完全子会社化し、同社は上場廃止となる予定です。近年では、総合商社とコンビニをはじめとした小売企業の連携強化の例が目立ちますが、これによってどのような効果が得られるのでしょうか。
改正道路交通法で注目のドライブレコーダー、有望な投資先は?
出荷台数は3年で330%の伸び
あおり運転は、重大な事故を発生させる可能性のある危険な行為です。これを取り締まるため、6月30日にあおり運転罪を新設した改正道路交通法(道交法)が施行されました。他の車の通行を妨害する幅寄せや急ブレーキなどの行為が対象で、実際に事故に至らなくても適用されます。あおり運転の厳罰化を受けて、自分を守るためにドライブレコーダー(DR)を車に搭載する人が増えるとみられます。
キーワードは「コロナ慣れ」。2020年下半期のドル円相場を展望する
リーマンショックとは異なる市場心理
2020年もあっという間に折り返し点を過ぎました。ここまでの為替相場を振り返るとともに下半期を展望してみたいと思います。
コロナで強気、それとも弱気?個人投資家の相場観を探る
マーケットに与える影響は
日経平均株価は2万2,500円前後でもみ合いが続いています。世界的な金融緩和や財政出動に対する期待感から先々株価がさらに上昇するとみる投資家が多い一方、米国やブラジルなど新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない国もあり、再びロックダウンなど経済の停止を迫られるとみる慎重な投資家も多くいます。そのため、上下どちらにも動きづらい相場が続いているのです。では、個人投資家は先行きをどのように見ているのでしょうか?
テレワークは非効率?継続でも伸びる企業・伸びない企業
IT資本装備率を上げよ
今回の新型コロナウイルスで私たちの生活の多くが変わりましたが、中でも大きく変わった(変わろうとしている)のは働き方でしょう。「在宅勤務」や「テレワーク」「リモートワーク」といった言葉を目にしない日がありません。「在宅」を標準とする動きが企業で急速に広がりつつあります。
米アップル参戦「コロナ後」中国ネット通販業界に異変あり
キーワードは「ライブコマース」と「下沈(シャア・チェン)」
中国では年二回、大きなネット商戦があります。一つは毎年秋に開催される「独身の日商戦(11月11日)」。もう一つは毎年6月に開催される「618ネット商戦」です。「618ネット商戦」はJDドットコムが設立日の6月18日を記念して開催した事に由来します。現在では、アリババなど業界他社も実施しており、「独身の日」商戦に並ぶ一大ネット商戦として定着しています。今回は新型コロナが流行して以降、初めてのネット商戦でしたので、中国の消費意欲がどれほど回復しているかという、一つのバロメーターとしても注目されました。
回復続く米国雇用環境、ドル円市場が“無風”だったワケは?
6月統計公表、米国ならではの理由とは
米国内での経済活動再開が始まったのが5月後半。そのような中で6月5日に発表された米5月雇用統計の非農業部門就業者数は、マイナス想定だった市場予想よりも非常に強い、びっくりする強さだったことはまだ記憶に新しいと思います。
「富岳」スパコン世界一で「日の丸半導体」復活の狼煙
半導体の関連銘柄全体の底上げに
富士通と理化学研究所が共同で開発したスーパーコンピュータ「富岳」が演算スピードを競う世界ランキング「TOP500」において首位を獲得しました。日本製のスパコンが首位となるのは、前世代スパコン「京」が2011年11月に首位となって以来で8年半ぶりの快挙です。
リーマン超え「戦後最大ショック」受けた日本経済への処方箋
コロナ後の経済を左右する条件
今週発表された、日本の5月分の個人消費、製造業生産などの経済指標は、4月からの日本経済の落ち込みが極めて深刻だったことを改めて示しました。5月個人消費は2月対比で約5%減少したと推計され、製造業の生産数量に至っては5月に約20%(2月対比)も急減する大ショックに見舞われました。
旅行代の半額補助だけじゃない「Go to Travelキャンペーン」活用法
投資の面でもチャンス?
新型コロナウイルスの世界的流行はとどまることを知らず、世界の感染者は1,000万人を突破しました。日本でも感染第2波が警戒されているものの、世界的にみると感染の程度は緩やかであり、少しずつ日常を取り戻しています。そんな中、さらなる消費の回復を後押しするべく、8月から政府主導の観光支援策「Go to Travelキャンペーン」が実施されます。このキャンペーンを投資で活用するにはどうすればよいでしょうか?
好調マクドナルドなどITで進化する「デリバリー」「テイクアウト」
外食利用時に増える選択肢
日本フードサービス協会が発表している協会会員社を対象とした外食店舗の売上高(約3.8万店)は、2月が前年同月比4.8%増と堅調でしたが、3月は同17.3%減、4月は同39.6%減と歴史的な減少率を記録しました。5月は同32.2%減(6月24日発表時点)と4月に比べるとマイナス幅は縮小しましたが、3月の時点よりもマイナス幅は大きくなっています。6月12日から、東京都内で営業時間が午前0時までに拡大されることで、外食企業の売上高は一時に比べて回復が期待されます。しかし、ソーシャルディスタンスに配慮して、座席稼働を6~8割に抑える外食店が多く、また、新型コロナウイルス感染拡大がゼロになったわけではありません。いちよし経済研究所では、外食店舗のイートイン(店内飲食)の売上高が本格回復するには時間がかかるとみています。
株価下落は相場の「ガス抜き」、2020年後半どう向かうのか
世界経済は正常化に向け着実に前進
6月の世界の株式市場は、新型コロナの感染拡大一服とそれを受けた経済活動の再開を好感するかたちで、月前半は堅調に推移しました。ナスダック総合指数が最高値を更新するとともに、その他の主要な株価指数も年初の水準に迫る場面が見られました。しかし、そうした好調な株価推移に水を差すかたちとなったのが6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)です。米金融当局が慎重な景気見通しを示したことが嫌気され、株価は急落しました。市場参加者の間で、「二番底形成」への不安が高まったことは否定できません。
コロナ死者数と行動制限「ほぼ無相関」、第2波にどう警戒すべきか
コロナの危機はまだ去らず
先進国で新型コロナウイルスの感染拡大がピークアウトしたことを受けて、各国で経済再開の動きが続いています。Google社がスマートフォンアプリなどの位置情報から滞在人数・時間を算出する「モビリティ指数」は日、米、欧で順調な回復を続けています。日本では6月19日にすべての業種で休業要請が解除されましたが、欧州のいくつかの国や米国の一部の州でも段階的に実施されてきた経済再開が最終フェーズに入っています。
「人類はコロナに勝てる」未収束でも株価が上がる2つの理由
今の株高はバブル?
世界各国で起きた新型コロナウイルスによる株価暴落は大きく値を戻しました。日経平均は6月23日時点で2万2,549円と暴落前の90%ほどまで回復しています。一時は1万6,000円台まで下落しましたから、そこからすると40%ほど値上がりしたことになります。日本以外の各国、特に先進国の株価指数は大きく値を戻しています。中でも際立つのが米国のナスダック総合指数で、23日時点で1万0,131ポイントと暴落前の株価を上回って1万ポイント台をつけ、史上最高値を更新しています。感染拡大の第二波への警戒も残り、まだまだ経済への悪影響も大きいとみられるなか、なぜこんなにも株価は戻しているのでしょうか?果たして今はいわゆる「バブル」なのでしょうか?
米アップルも注目の新技術「ミニLED」、未来のディスプレイはどう変わる?
恩恵を受けるアジアのサプライヤーは
今年5月21日、台湾の大手PC周辺機器メーカーであるマイクロスター(略称MSI、台湾:2377)は、世界初のミニLED搭載のノートPC「MSI Creator 17」を発売しました。同製品の特筆すべきところは、「ミニLED」と呼ばれる新技術を液晶ディスプレイの光源として採用しており、従来の液晶ディスプレイに比べて、「明るさ」や「色の鮮やかさ」、「コントラスト」などの点で大きく進化しています。今のところ、ミニLEDの技術は主に画像処理、デザイン用の高機能ディスプレイに使われていますが、その優れた特性から来年以降テレビやスマートフォン、タブレット型PCなどさまざまなデジタル製品向けに採用が広がる見通しです。今回は期待の新技術であるミニLEDの概要と関連するアジアのサプライヤーについてご紹介したいと思います。
ソニーが1億ドルを人種差別の改善に拠出する深いワケ
「人権」への注目はESG投資の新たな潮流
米国のミネソタ州ミネアポリスで5月25日、警官の暴力によって黒人男性が死亡する事件が発生。これをきっかけに、黒人への人種差別に抗議する動きが強まりました。コロナ禍でさまざまな不満が鬱積した中で高まってきたデモ活動とも言えるでしょう。世界で最も新型コロナ感染者数が多い米国で、医療制度が貧弱なために一握りの豊かな人しか良いサービスを受けられないという問題も、このコロナ禍で顕在化しています。人種差別の改善活動に資金援助を表明する企業の動きは早かったです。バンク・オブ・アメリカは6月2日、総額10億ドルの拠出を表明。相次ぐ米国企業の拠出表明の中で目立ったのは、日本企業なのに各々1億ドルを拠出するソニーとソフトバンクグループです。
米国の株高が続く必要条件となる「2つのリスク要因」解消
「財政の壁」に警戒
6月初旬まで最高値更新が続いた米国株式市場は、11日の1日で主要株価指数が約5%急落しました。3月下旬から2ヵ月以上続いた米国株の上昇局面が、変わった可能性が高いと筆者は見ています。米国株が急落した前日(10日)には、FOMC(連邦公開市場委員会)後のパウエル議長の会見中に米国株が乱高下して変調の予兆がありました。パウエル議長が今後の景気に関して慎重な姿勢を示し、これが市場心理に悪影響をもたらしたなどとメディアでは解説されました。ただ、パウエル議長は、経済の早期回復のために金融緩和を続ける姿勢を改めて示したほか、これまでの株高がバブルではないかとの質問にも無難な回答を行っており、金融市場に配慮したコミュニケーションを徹底しました。
上場企業の業績予想「コロナのせいで未定」は言い訳になるのか
市場は「減益」以上に厳しく評価
東京証券取引所が6月上旬にまとめた「2020年3月期決算発表状況」によれば、株式上場している3月期決算会社の約6割に相当する1,216社が、コロナ禍を理由として業績予想を「未定」または「非開示」としました。特に、外出自粛の影響が大きかった「陸運業」や、海外需要の低減による業績への悪影響が懸念される「輸送用機器」が業績予想を明らかにしない傾向があるようです。一方で、医薬品や食料品といった需要の高まりが一部で見られた業界については業績予想を積極的に開示する傾向があることもわかりました。たしかに、今後のコロナ禍による影響がどれほど長期化するか明らかでない以上、予想の精度が低下することはやむを得ないといえるでしょう。