米国の利上げ開始で考えたい、夏場に向けた投資戦略とは?
マクロ経済環境の変化と相場の関係
近年まれに見る注目を集めた、米国のFOMC(金融政策決定会合)が3月15日、16日で開催され、0.25%の政策金利の引き上げが行われました。米国はコロナ禍で続いたゼロ金利政策から利上げへと舵を切った形になります。マクロ経済環境の変化のタイミングですが、それに加え2月中旬以降からは、ロシアによるウクライナ侵攻により、地政学リスクが高まっています。マーケットでは資源・穀物価格が高騰し、今後のインフレ加速、並びに経済停滞への懸念から株価も調整気味となっています。今回は、現在の各国の金融政策の動向をおさらいしつつ、今後の投資のポイントについて整理してみます。
新興国投資のリスクを考える、高成長を期待された国々の現状
期待の裏側とハイリスク
かつて「BRICs」という言葉が投資の世界で話題になりました。Brazil、Russia、India、Chinaという、2000年代に入って著しく経済成長を遂げようとした4カ国の国名の頭文字を取った名称です。しかし、これらの国々の現状はどうでしょうか。
寒風吹く株式市場、価格下落の要因と希望が見える2銘柄を解説
コロナ禍を経た筋肉質経営に期待
年明け以降、世界的に株価が冴えない展開となっています。昨年末の株価と比較したパフォーマンスは、2月17日時点で米国のNYダウ平均はマイナス5.6%、ナスダック総合指数はマイナス12.3%と冴えません。また、日経平均はマイナス5.4%、マザーズ指数にいたってはマイナス28.1%と非常に厳しい値動きです。今回は、この株価調整の原因と今後の見通しについて解説します。
日本株の崩れは“理不尽”!反転はもうすぐと読む理由
むしろ押し目買いのチャンス
株安が止まりません。市場はいったい何に怯えているのでしょうか。ぱっと思いつく答えは、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが警戒されているというものでしょう。しかし、そんな単純なことが株安の本当の理由であるとは思えません。<写真:AFP/アフロ>
2022年は円安ドル高にブレーキ?米利上げ、新型コロナ、中間選挙、為替相場を左右するイベントを考察
新年相場見通し~為替~
主要な金融商品の2022年相場について専門家に聞く年始特別連載、第3回目は「為替」です。 昨年年始の相場展望ではドル円相場は円安トレンドと予想し、概ねその通りの展開でした。今年はどうなるのか、昨年に引き続き大和証券の石月幸雄・シニア為替ストラテジストに解説いただきます。
2022年日本株は米国株を上回る上昇へ、経済正常化が株式市場の後押しにならない構造を解説
新年相場見通し~日本株~
主要な金融商品の2022年相場について専門家に聞く年始特別連載、第1回目は「日本株」です。 昨年の春夏は新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大により、国内外の経済活動は大きく制限されていたにもかかわらず、日経平均株価は終値で27,000円台を維持する底堅さを見せました。今年はどうなるのか、昨年に引き続き三井住友DSアセットマネジメントの山崎慧・ファンドマネージャーに解説いただきます。<写真:ロイター/アフロ>
景気動向を早期にキャッチするには?頼りがいのある2つの調査、読み方を解説
景気ウォッチャー調査とESPフォーキャスト調査
今、経済で何が起きているかを把握し、先行きを見通さなければならない場面は、資産運用をしている人はもちろん、そうでない人にとっても、結構多いと思います。そうした時は、自分が拠り所とする材料を持っていて、自信をもって判断できるかどうかが重要でしょう。そうした時に役に立つ「調査」を2つ、これまでも何度も私の判断材料として記事の中で使用してきましたが、改めてご紹介したいと思います。
来年の中国経済政策は期待薄?2022年中国当局が重要視していることとは
中央経済工作会議後の声明を読み解く
景気の鈍化を受けて、中国当局は各種政策の緩和姿勢を見せ始めています。過去の景気の悪化局面では、中国の経済政策に対して国内外のマーケットは大きな注目を寄せていました。公表された来年の経済政策方針を概観したうえで、来年の中国の経済政策に期待すべきか否かを考察します。
12月にケーキがお餅より売れると年明け株価は好調?年末年始の風物詩からわかる株価の行方
足元はケーキの売れ行きが好調とも聞かれるが…?
12月に売れるモノ、と言えばどんな商品をイメージしますか?例えばビール、忘年会やお歳暮の品として例年12月に需要が高まります。昨年に関して言えばコロナ禍からは年末からお正月に向けた“宅呑み”の需要もありました。以前、この連載で「株の定説「ビールが売れると株価が上がる」を検証してみた」でも取り上げましたが“季節もの”がどれだけ注目を集めるかはその時の景気に大きく左右されますし、株価の行方にも大きな影響を与えます。ビールの季節にビールが売れるのは、消費者の懐(ふところ)が潤っているからで、景気も良く株価も高くなる傾向があるのです。12月によく売れるものは他にもあります。12月といえばクリスマス“ケーキ”です。総務省統計局の家計調査から1世帯当たりのケーキ代の月別支出金額(の平均)をみると、昨年までの過去10年間で最もケーキへの支出が多い月は12月の1,365円で、第2位である3月629円の倍以上となっています。クリスマスケーキの予約は10月頃から本格的にスタートしますが、受け取り時に代金支払いとなるお店も多いことから、12月のケーキ支出金額が突出しています。そして、クリスマスが過ぎて年末年
オミクロン株出現に動揺する株式市場だが“ケガの功名”も?市場が学ぶコロナとの闘い方
今のところパニックには陥っていない
11月の株式市場は、月半ば頃まで株価は堅調に推移し、欧米では最高値更新の展開となりました。日経平均株価も一時、3万円目前まで上昇する場面がありました。しかし、ブラックフライデーの週末(11月26日)に、新型コロナの変異株・オミクロンの脅威が伝わると、市場では一気にリスクオフが進み、相場は急落しました。<写真:ロイター/アフロ>
インフレに苦慮するFRBとデフレ脱却を目指す日銀、来年以降は円一人負けに?
為替市場のテーマは引き続き各国の金融政策
ドル円相場は再び115円に接近するなど、円安が進行しています。ここでは、各国の金融政策の方向性という視点から今後のドル円相場の行方を予想してみたいと思います。
2021年新語・流行語大賞ノミネートに見る「新型コロナ」からの回復度合い
10/28~11/11の全国新規感染者は最大時1%未満
新型コロナウイルスの感染は、かなり落ち着いた状況が続いています。NHKのHPによると、全国の新型コロナウイルス新規感染者の過去最高は8月20日の25,992人でしたが、10月27日の310人を最後に、最高水準の1%以上の水準になったことはありません。10月28日から直近11月11日まで15日連続して、新規感染者数は過去最高の1%未満という落ち着いた状況が続いています。また、首相官邸のHPによると、ワクチン接種が完了した割合は、11月11日時点では74.5%になりました。ワクチン接種は順調に進んできました。こうした状況下で、コロナ禍からの回復が様々なところに表れています。11月4日に発表された「2021ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語30では、今年も「新型コロナウイルス」関連語が多く選ばれましたが、その割合は全体の20%にとどまり、2020年の50%に比べると大きく低下しました。写真:2020年の新語・流行語 年間大賞「3密」<長田洋平/アフロ>
ナスダックが11連騰!高値更新の米国株に大きな崩れは想定しづらいワケ
米金利の低位安定が背景、日本株も米国株を追随へ
11月のFOMCと米雇用統計の発表を理想的なかたちで乗り切った足元の米国株式市場では、主要株価指数が軒並み最高値を更新しています。ナスダック総合指数は11月8日にかけて11連騰を記録し、この間、S&P500とともに8日連続で史上最高値を塗り替えました。衆院選直後に大きく上昇した後は、じりじりと値を切り下げる日本株とは対照的な動きといえます。
新型コロナの沈静化で注目される東南アジア、今後景気の行方は?各国の状況を確認
ASEAN主要国のGDPは年末に向けて改善する見通し
今年10月以降、日本で新型コロナの新規感染者数が減少し続け、経済の回復期待が高まる中、東南アジアでも同様な展開が見られています。今回は新型コロナ禍が沈静化しつつある東南アジアの景気見通しについて見ていきたいと思います。
来年の中国経済は低成長を覚悟か、当局の不動産投資抑制政策が当面続くと読む理由
目的は成長モデルの転換と富の再分配
足元で中国経済の大きな下押し圧力となっている不動産投資の鈍化ですが、来年も続く可能性が高いと考えます。不動産投資の抑制方針の背景を解説したうえで、来年の中国経済を展望します。(写真:ロイター/アフロ)
日本で所得を倍増させる唯一の方法とは
「金融所得課税」「早期の給付金配布」が筋違いの理由
投資に馴染みのある人であれば、「72の法則」というのを1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。初めて聞いたという人は、この機会に覚えることをお勧めします。知っていると、とっても便利な法則です。「72の法則」とは、投資元本が2倍になるために必要な期間や利回りを求めるもので、具体的には以下の式になります。「72÷利回り(パーセント)=元本が2倍になる期間(年)」例えば3%の複利で運用すれば、72÷3=24年で当初の元本は2倍になると計算できます。同様に4%の複利で運用すれ18年、6%なら12年で倍になります。7.2%ならちょうど10年です。どうして「72の法則」の話をしたかというと、岸田首相が掲げた「令和版所得倍増計画」というものが、いかに現実離れしているかを分かってもらうためです。
10月以降の居酒屋業態の現状は?クレジットカード消費データから経済を読み解く
消費動向指数「JCB消費NOW」から分析
度重なる緊急事態宣言の発出により、経済の先行き不透明感がぬぐえない日本経済でしたが、10月以降は行動制限も大幅に緩和され、明るい兆しが見えて来ました。10月以降の全面的な緊急事態宣言の解除は、4月以来約半年ぶりであることに加え、現在は新型コロナワクチンが国民に幅広く普及している状態であり、安心感から消費の強い回復も期待されています。今回は、クレジットカードの決済情報を基にJCBとナウキャストが算出している、消費動向指数「JCB消費NOW」を用いて、9月後半までの国内消費状況を振り返りつつ、特に打撃の大きかった居酒屋業態に着目して今後の先行きを展望していきたいと思います。
「悪い円安」が進行している…?円安ドル高トレンドが長期化する可能性を検証
市場では「スタグフレーション」警戒の声も
ドル円相場はなかなか方向感が掴めないでいましたが、9月下旬以降、円安ドル高方向への動きが顕著となっています。10月中旬には、2018年11月以来、2年11ヵ月ぶりの水準となる1ドル=114円台を示現しました。今後、一段と円安が進行する可能性があるのか検証してみたいと思います。