日本企業の決算発表を踏まえ、今後取るべき投資戦略は?
約2400社を集計
3月決算の上場企業の第1四半期の決算発表が出揃いました。米中貿易戦争による両国経済や世界経済の失速、また円高進行などから厳しい内容になると見込まれていましたが、やはり苦しい決算となりました。今回は第1四半期の決算発表の概要をお伝えするとともに、そこから見えてくる今後の投資戦略のヒントを探りたいと思います。
異例の独歩高、世界同時株安の中で「豪州株」が堅調なワケ
約12年ぶりに史上最高値を更新
豪州の代表的な株価指数であるASX200指数は7月30日、約12年ぶりに史上最高値を更新しました。米中貿易摩擦への懸念が広がる中、豪州株は春先から他のアジア株との連動性が薄れ、独歩高となっています。8月23日時点での年初来上昇率は15.5%にのぼります。今回は、豪州株が好調な理由を分析してみたいと思います。
プロの投資家が提言できる「日本企業がやるべきこと」
デフレ脱却への道筋は?
先日、国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)という、企業ガバナンスを議論する国際会議が東京で行われ、パネル討論に参加しました。テーマは「グローバル化が進む日本:スチュワードシップ・エンゲージメントを効果的にする――グローバル、ローカル、文化間の観点から」。総じて日本のコーポレート・ガバナンスは改善している、というトーンを強く感じました。今回は、筆者が総会全体を通じて感じたことをお伝えしたいと思います。
いま株を買うと危険?「落ちるナイフ」相場の正しい向き合い方
日本市場は今どんな状態か
先週、8月14日のNYダウ平均株価は今年最大の下げ幅となる▲767ドル20セントを記録しました。その2日前には、アルゼンチンの代表的な株価指数であるメルバル指数が1日で38%も値を下げて取引を終えるなど、先週はいわゆる「落ちるナイフ」相場が各地で繰り広げられました。足元では急落から落ち着きを取り戻しつつあるようにも思われますが、日本市場ははたして「落ちるナイフ」相場から脱したといえるのでしょうか。
米国は今年最大の株安、でも日経平均が意外に底堅い理由
日本株の巻き返しが始まる?
8月14日に米ダウ工業株30種平均は800ドル安と今年最大の下げを記録しました。きっかけとなった「長短金利の逆転現象」(逆イールド現象)は、過去においてはその後のリセッション(景気後退)を予見していたことから、警戒ムードが高まっていました。しかし、当日の日経平均株価は一時400円超えの急落で全面安にさらされながらも、2万円台をキープし、一定の底堅さを示す格好となりました。今後の日本株の動向を分析してみたいと思います。
“経済分析のプロ”が「日本株の底入れはまだ先」と見る理由
経済指標は底堅いのに株式市場は大荒れ
ドナルド・トランプ米大統領が中国からの輸入品約3,000億ドル相当に10%の追加関税を課すと発表したのは、8月1日のこと。それまで高値圏にあった米国株は下落に転じ、ダウ工業株30種平均指数(ダウ平均株価)は5日には2万5,000ドル台まで急落しました。米国が中国を為替操作国に認定した後には、いったん反発する場面もありました。ただ、米中貿易戦争への懸念に加えて、先行きの世界経済への懸念が高まり、14日にはダウ平均株価は再び2万5,000ドル台半ばまで急落するなど、米国株市場は乱高下しています。8月になって、米中貿易戦争の余波とも位置づけられるデモ拡大によって、香港の空港一時閉鎖が起きました。欧州では連立政権内の意見対立によってイタリアでの早期解散総選挙の可能性が高まり、中南米では大統領予備選挙によって政権交代の可能性が浮上したアルゼンチンが大幅な通貨安に見舞われました。これら複数の政治的な不確実性の高まりが、世界の株式市場の重しとなっています。夏季休暇となる8月は金融市場が不安定になりやすいと言われていますが、今年も同様に荒れ模様の相場となりました。
株価8月急落をもたらした「トランプ・ツイート」の真意
ターゲットはFRB?
世界の株式相場が荒れ模様の展開となっています。8月5日の米ニューヨーク株式市場は、ダウ工業株30種平均が前週末比767ドル安と、今年最大の下げ幅を記録。これを受けた6日の東京市場でも、日経平均株価が一時、値下がり幅が600円を超えました。波乱のきっかけになったのは、ドナルド・トランプ米大統領の「つぶやき」です。1日にツイッターで、3,000億ドル相当分の中国製品に対して、新たに10%の追加関税を9月から適用する考えを表明。制裁関税「第4弾」の実施を打ち出したことで、金融市場では米中両国の通商交渉進展への期待が一気に後退した格好です。トランプ大統領のツイッターのフォロワーは7,000万人超。世界人口は現在、約77億人なので、単純にはフォロワーの人数が100人に1人近い割合に達している計算です。「(米国の)S&P500種株価指数が最高値を記録した」などと株式相場に関するつぶやくことも多く、最近は市場が振り回されるケースが少なくありません。
世界4位の経済大国に?インドネシアの長期的投資価値
NEXTユニコーンも続々
世界各国で金融緩和の動きが強まっています。7月18日には、インドネシアも約2年ぶりの利下げを実施しました。政策金利は6.0%から5.75%に引き下げられています。ここ数年のインドネシアは景気低迷が長期化する中で、通貨ルピアも弱含みで推移していましたが、直近はようやく相場も安定してきました。特に昨年インドネシアで立て続けに実施された利上げは、ルピア相場の安定を主目的としたものでしたが、ようやく景気重視に軸足を移しつつあるといえるでしょう。4月に実施された大統領選挙を経て、2期目がスタートしたジョコ政権にとって初めての政策転換です。7月23日にIMF(国際通貨基金)が発表した「エコノミックアウトルック」では、世界全体、国別ともに、成長率予想の下方修正が目立ちました。世界的に米中問題、日韓問題などさまざまな難題が山積する中で、今後のインドネシア・ジョコ政権の課題や注目ポイントなどについて考えてみたいと思います。
経済効果は80兆円?拡大が期待される「夜遊び経済」
ナイトタイムエコノミーで注目企業は?
8月に入り、花火大会などで夜に外出する機会が増えている人も多いのではないでしょうか。日没から翌朝までの夜の時間帯で行われる経済活動は「ナイトタイムエコノミー」と呼ばれています。大規模な財政政策を行わなくても、規制緩和によって経済効果を生むことができるため、欧米を中心に世界的にナイトタイムエコノミーに注目する国が増えています。日本でも、日本のナイトライフ(夜のレジャー・観光)を楽しもうとする訪日外国人旅行者が増加しているのに加え、日本人も働き方改革によって仕事が終わった後の余暇時間が増えています。今回は、「夜遊び経済」とも呼ばれるナイトタイムエコノミーについて、考えてみたいと思います。
ついにアメリカが利下げ、世界的な金融緩和競争の帰結は?
金利引き下げは約10年半ぶり
7月30~31日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、FRB(米連邦準備制度理事会)は、約10年半ぶりに政策金利の引き下げを決めました。9月以降のFOMCでも、さらなる引き下げが金融市場で予想されています。FRBだけでなく、ECB(欧州中央銀行)も6月から利下げ方向に転じる姿勢を示し、次回9月理事会ではマイナス金利の深掘りがほぼ確実視され、また2018年まで行っていた国債などの資産買い入れも再開されるでしょう。資産購入に関しては、開始時期と買い入れ規模が金融市場の焦点になっています。また米欧に加えて、多くの新興国においても中央銀行(中銀)は利下げを始めています。各国の中銀が金融緩和を行っていることを指して、「金融緩和競争」が起きていると言われています。これはどのような意味を持つのか、考えたいと思います。
FRBの“予防的利下げ”、予防的ってどういう意味?
投資にどのような影響を及ぼすのか
最近の報道で、「予防的利下げ」という言葉を聞く機会が増えました。実際には、長期投資する前提ではあまり気にする必要はないのですが、知っておいたほうが安心できます。今回は、何が予防的で、投資にどのような影響を及ぼすのかについて、解説します。
夏のカフェ利用が増えると株で儲かりやすいって本当?
喫茶代と株価の関係
1年で一番気温の高い8月がやってきます。外出時、暑さのためにちょっと一服と思うと、カフェや喫茶店でアイスコーヒーを飲みたくなる人も増える時期です。実は、この喫茶代。将来の株価と関係が強いのです。「それはそうだろう。カフェに入るにもお金がかかることだし、景気が悪くて懐具合が悪ければ、喫茶店に行くのをためらう人も多くなる」と考える方も多いでしょう。まさにその通りなのです。この話のさらに面白いところは、実はこれが将来の株価とも関係があることです。今回は「7月の喫茶代が増えると、8月の株価が高い」について解説したいと思います。
エルニーニョ終息、“ガチ夏”到来で日本の景気はどうなる?
冷夏回避で夏物の需要は増えるか
6月10日発表の気象庁「エルニーニョ監視速報」によると、「今後夏はエルニーニョ現象が続く可能性が高い(70%)」ということでした。「エルニーニョ現象」が発生している夏は、冷夏になりやすい傾向があります。猛暑が続いた昨年とは打って変って、7月上中旬の東京の猛暑日はたった1日でした。しかし、7月10日発表分では「エルニーニョ現象は終息したとみられる」に判断がにわかに変わりました。7月24日以降、予報によると8月1日まで東京の最高気温は30度を超え、真夏日が続くもようです。遅ればせながら、今夏は冷夏になる可能性はなくなったのではないでしょうか。夏らしい夏が到来するとなると、日本の景気にどのような影響を及ぼしそうなのか、考えてみたいと思います。
米国利下げ後、円は上がる?下がる?
国際商品価格に注目
米国経済は依然として良好のように見えます。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)は早期利下げを視野に入れているようです。そこで、今回は米国の金融政策と為替相場の行方を展望してみたいと思います。
好調のREIT市場、注意すべきポイントは?
米国金利との関係
株式市場は、ニューヨークダウが最高値を更新するなど米国が好調な値動きを続けています。一方で、日本や欧州では上値が重たい展開が継続しています。日本の株式市場に有望な投資先はないのでしょうか。実は今、資金が流入しているのがREIT(不動産投資信託)市場です。今回はREITに投資する際に注意すべきポイントについて解説します。
いよいよ利下げ?重要経済指数から読み解く米国株の今後
米国は企業減益でも株高
ISM、NFP、CPI ‐ これらアルファベット3文字がそれぞれ何の略だかおわかりですか?ISMはInstitute for Supply Management(全米サプライマネジメント協会)、 NFPはNonfarm Payroll(非農業部門雇用者数)、CPIはConsumer Price Index(消費者物価指数)の略です。実はこれらは(ISMはISM製造業景気指数)、予想を公表しているエコノミストの数が多いトップ3の経済指標です。すなわち米国経済の実態を測るとき、誰もが参照する重要経済指標だということです。今回は、これらの指標から米国景気の先行きを考えます。
2〜4週間もあるイタリアの夏休み、それでも社会が回るわけ
担当者がバカンスで不在でも…
すっかり気温も上がって、夏の足音が聞こえてくる季節になりました。夏休みの予定はもうお決まりでしょうか。夏休みの計画を立てる上で気になるのは、やはり期間です。本音を言えば有給も活用してできる限り長く休みたい。でも同僚との兼ね合いもあるし、プロジェクトによってはカレンダー通りの休みしか取れないこともあるかもしれません。仕事を止めてまで休むのはさすがに気が引けます。一方、ヨーロッパでは労働者の「休む」権利が重視されており、夏になると会社員でも2〜4週間の休みを取ってバカンスに出かけます。日本の基準からするとかなり長い休暇ですが、その間仕事はどうしているのでしょうか。
「アイスが売れる夏は株価が高い」には2つの理由があった
今年の夏はどうなる?
関東地方の例年の梅雨明けは7月21日頃。もう少し雨のシーズンは続きそうです。とはいえ、7月は夏本番に向け、気温も少しずつ高くなっていきます。暑くなってくると食べたくなるのが、アイスクリームやシャーベット。午後のおやつにアイスが食べたくなったり、夕食後にシャーベットを食べる人も増えてきます。ところで、このアイス。景気や株価と意外な関係があるようです。今回は「アイスを食べる人が多い夏は株価が上がるメカニズム」を解説したいと思います。