アメリカの雇用統計が日本でも注目される理由
7月5日に最新統計が発表
ニュース番組などを見ていて、「アメリカの雇用統計が発表されました」というフレーズを聞いたことがある方もいるかもしれません。筆者の所属するマネックス証券もそうですが、「雇用統計実況中継」などのタイトルで雇用統計の発表をネットで生配信する証券会社も多いことから、雇用統計についてはご存じの方も多いのではないでしょうか。アメリカの雇用統計は、非常に重要視されている経済指標です。6月分は日本時間の7月5日21時30分に公表されます。今回は、なぜ米国の雇用統計がこれほどまで重要視されるのか解説します。
景気が悪いことを一番実感できる指標とは?
大きな視野で経済と向き合おう
『経済指標って何?ニュースを見て数値を分析するクセをつけよう』、『経済アナリストがスーパーで密かに追っかけてしまうモノ』と2回にわたって、経済指標について話してきましたが、今回でこの経済指標シリーズは最後です。経済指標は非常に種類が多ので、全てをくまなく確認して分析するのは難しいもの。過去2回に学んだ国内総生産(GDP)と消費者物価指数(CPI)、そして、今回学ぶ完全失業率の3つの経済指標を今後は確認する習慣を身に付けてもらえればと思います。
副業が大して金にならずに終わる3つの理由
小遣い稼ぎで終わるか、ビジネスとして続けられるかの分岐点はどこに?
働き方改革や「老人の長寿化にともなう年金不足」に関する報道もあり、副業奨励の風潮が本格的なものになってきました。「今だけでいいから数千~1・2万円程度の小遣いを稼ぎたい」と割り切るならともかく、「生活の足しにするため、継続的に稼げる柱を確立させたい」となると本腰を入れる必要があります。そこで、コピープランナーの傍ら、作家や経営コンサルタントなどマルチに副業を展開している中山マコトさんの著書『副業で稼ぐ! と決めたら読む本』(以下、本書)の内容を交えつつ、「副業が大して金にならずに終わる3つの原因」を見てみましょう。
日本株はこの先、米国株主導の“ツレ高”が期待できるか
ダウ指数は年初来高値を更新
米国の代表的な株価指数であるダウ・ジョーンズ工業株価平均(以下、ダウ指数)は2018年の10月頃に下落し、11月頃は小康状態、そして12月頃に再度下落しました。約1ヵ月下落、約1ヵ月の小康状態、そして再度、約1ヵ月下落という流れです。これを見ると、2019年も5月の下落から1ヵ月をおいて、7月にまた下落に陥ることがあるのかが少し心配になります。折しも6月末にはG20サミットという大きな行事が控えていることも、7月相場への懸念をもたらすかもしれません。そこで今回の記事では、昨年後半の下落をもたらした要因・理由と私が考えるものを列挙し、現在の環境との比較を行いたいと考えます。
焦点はG20後、長期化する貿易戦争下で注目すべき投資先は?
内需の強い投資対象を探る
G20サミットと米中首脳会談が今週末に迫ってきました。5月5日にドナルド・トランプ米大統領が突然、対中追加関税引き上げ発言を発して以来、対中関税第4弾の可能性や中国通信大手ファーウェイとの取引禁止、それに対する中国からのレアアースの対米輸出禁止の検討と、激しい攻防が続いてきました。しかし6月18日には、トランプ大統領がG20に併せて米中首脳会談を持つとの意向を示し、再び米中協議の軟着陸への期待が高まっています。とはいえ、米中通商協議の本質が「米中の覇権争い」であり、トランプ大統領が来年の米大統領選挙にかけて、外交政策での切り札として利用し続けると予想されるため、米中貿易摩擦は強弱を変えながらも、長期化する可能性はあるでしょう。こうした局面での投資対象としては、対外輸出依存度や米中向け輸出依存度が低い国、つまり内需の成長力が大きい市場が選好されるとみられます。米中貿易摩擦の影響を受けてもなお、成長が期待できそうなアジア、オセアニア諸国を分析してみたいと思います。
1ドル106円台に接近、ドル安局面は今後も続くのか
ドル円相場の深層に迫る
注目された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けた20日の外国為替市場は、ドル売り一色に染められました。政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現行の2.25~2.50%で据え置かれたものの、米連邦準備理事会(FRB)は景気を重視する「ハト派」姿勢を強めたとの受け止めが広がり、米金利にさらなる低下圧力が掛かったことが背景です。中東情勢の緊迫化も重なり、ドル円相場は一時1ドル107円台前半と、今年1月3日にドルが瞬間的な急落を演じた(フラッシュ・クラッシュ)時以来の円高・ドル安水準を付ける場面がありました。ドル円相場は、このまま円高・ドル安の流れが強まっていくのでしょうか。
景気は悪くない?7月に基調判断が上方修正されそうなワケ
「悪化」ではなく「下げ止まり」?
5月27日に発表された景気動向指数・一致CIの3月分改定値は、生産指数などは上方修正されたのですが、「所定外労働時間の減少などを新たに反映して」前月差が0.2ポイント悪化し▲1.1となり、基調判断も「悪化」のままでした。同日時点では、一致CIは台風・地震で9月分の挽回生産をした2018年10月の103.9をピークに、2019年3月の99.4にかけて低下していました。6月7日に発表された4月分速報値での景気動向指数の基調判断が2ヵ月連続の「悪化」となる中、2018年10月を山として景気後退局面に入ったと考える人も多くなった可能性があります。ところが、5月27日の0.2ポイントの下方修正は、本来なら生じなかったものが、厚生労働省が毎月勤労統計3月確報値を発表延期としたために生じた事態だったのです。また、6月7日発表の4月分速報値での判断は「悪化」のままでした。しかし、一致CIのピークは10月で変わらないのですが、ボトムは3月から1月の100.4になり、4月の101.9にかけて改善傾向となっています。ひょっとすると7月5日発表の5月分速報値で、景気動向指数の基調判断が「悪化」から「下げ止まり
押し目買いの目安は?方向感なき株式市場を生き抜く秘策
「移動平均線乖離率」をご存じですか
現在の株式市場は、米中貿易戦争とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に大きく左右されています。米中貿易戦争は、交渉進展が期待できるG20を前にして、中国側は交渉が長期化するのを覚悟したうえで態度を硬化。今後、実体経済はさらなる悪化が警戒されています。一方で、アメリカの中央銀行にあたるFRBは、このようなファンダメンタルズの悪影響を緩和させるため、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、7月以降に利下げする可能性を示唆しました。このように、株式市場には強弱材料が交錯しているため、方向感が出づらく、薄商いが続いています。こうした状況下で、個人投資家はどのように立ち回ればよいのでしょうか。
経済アナリストがスーパーで密かに追っかけてしまうモノ
経済の体温計を意識しよう
前回に続いて、経済指標について解説します。経済ニュースを読んでいると、「インフレターゲット」や「デフレ脱却」などの言葉がでてきますよね。難しそうな言葉や、知らない単語が出てくると、距離感を置きがちですが、言葉の意味を実際のデータとあわせて見てみると、そこまで難しい話をしている訳ではないとわかってきます。今回はこの「インフレ」や「デフレ」の言葉と結びつきの強い物価に関する経済指標について学んでいきましょう。
日経平均は底打ち?“もう1つの需給動向”から考えてみた
株価決定のメカニズムを探る
株価は何で決まると思いますか――。「株式投資は人気投票」といわれることをとらえて、需給で決まると主張する人もいるかもしれません。いやいやそうではない、企業の業績の良し悪しで決まる、と考える人もいるはずです。しかし需給だけ、業績だけではなく、どちらも重要な株価の決定要因のように思われます。今回はこの需給に注目して、日経平均株価の行方を考えてみます。
ついに米国が利下げ?為替市場で何が起こるか
無視できない実需マネー
6月に入り、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が急速に台頭しています。仮に米中貿易摩擦が長期化すれば、FRBが“予防的な利下げ”を実施するというシナリオが市場でかなりの支持を得ているといえます。焦点は、もはや「利下げがあるかどうか」ではなく、「いつ実施されるか」というところに移っている印象です。市場あるいはトランプ政権から強い利下げ要求圧力を受け、FRBが従来の「忍耐強い姿勢」を維持するのが難しくなっているのは確かでしょう。
景気先行き不安の予兆?“逆イールド”の本当の意味
解消される条件は
数年に一度、短期金利が長期金利を上回り、市場が騒がしくなることがあります。最近、米国では10年国債利回りが政策金利の下限を下回る状況が続いています。 そこで今回は、「短期金利>長期金利」という現象、いわゆる「逆イールド」が何を意味するのかについて、考察してみようと思います。
株価指数は大台突破、「インド株」は与党圧勝で前途洋々?
単独政党の圧勝は35年ぶり
インドで4月から5月にかけて行われた下院総選挙で、ナレンドラ・モディ首相が率いるインド人民党(BJP)が歴史的な大勝を果たしました。マーケットが描いていたベストシナリオ以上の結果に、インドの代表的な株価指数のセンセックス指数は再び史上最高値を更新。一時、4万ポイントの大台に乗せました。
6月の金融市場で「7日」と「19日」が要注目のワケ
米利下げ期待がリスクオフに拍車
10連休後の株式市場は下落でスタートし、その後もジリ貧の展開が続いています。6月5日の相場は少し戻しましたが、4月以前の水準に戻るほどの勢いは感じられません。市場心理が後退して起きる「リスクオフ」という現象が起きているようです。一番の原因は米中貿易摩擦ですが、他にも複数の要因が重なっています。6月に入ってからの一段の下落には、米国の利下げへの思惑があるように感じます。少し掘り下げてみたいと思います。
不安定な株式市場で知っておきたい2つの銘柄特性
世界的な景気停滞への警戒強まる
貿易をめぐる米中の対立、いわゆる「米中貿易戦争」が激化しています。両国の対立は本質的には非常に根深く、短期間で解決する問題ではありません。このような波乱含みのマーケットで、投資経験の浅い方にぜひ覚えておいていただきたいキーワードが、2つ存在します。この2つのキーワードを念頭に置いて銘柄を選ぶと、どんな効果が期待できるのでしょうか。
経済指標って何?ニュースを見て数値を分析するクセをつけよう
マクロな視点を持つことも重要だ
資産運用をはじめた方がいいとは聞くけれど、難しそうだから初めの一歩を踏み出せないという人の話をよく聞きます。リスクを取る分、リターンが生じる可能性も理解しており、場合によっては投資元本が減ってしまうことも覚悟できている人が意外と多く、「そこまで理解できているのであれば一歩踏み出してみればどうですか?」と言うと、「経済の知識がないから」との反応が多いのです。たしかに、知識がある方がいいとは思いますが、知識は学ばないと身にはつきません。そこで、今回から数回にわたって経済指標について書いていきたいと思います。
米中「新冷戦」下で地球上に有望な投資先は残されているか
最新グローバル投資戦略
米中の貿易問題をめぐる対立の激化から、株式市場を取り巻く環境は、春先までの楽観ムードから、足元では予断を許さない状況へと変化しています。米国は2,000億ドル分の中国製品に対する関税を5月10日から25%に引き上げ、中国側も報復措置で対抗しました。さらに米国は、残りの中国製品3,000億ドル超分についても関税引き上げの準備を進めるとともに、中国の通信機器大手ファーウェイとの取引を禁じるなど、米中問題は緊迫の度合いを増しています。こうした貿易摩擦の深刻化は、世界経済の見通しにも暗い影を落としています。再び世界の株式相場が上昇基調に回帰していくためには、米中間での対立回避・合意形成が必要不可欠といえるでしょう。
米中貿易交渉が暗礁に乗り上げた“中国側の”事情
実務レベルの合意が白紙に戻ったワケ
5月にも合意すると見られていた米中貿易交渉。期待は見事に裏切られ、米国は中国への制裁関税第3弾の税率引き上げと、全輸入品に対象を拡げる第4弾の計画を発表し、中国も米国に報復関税をかけると打ち出しました。合意も近いと思われていた交渉は、なぜ暗礁に乗り上げてしまったのでしょうか。今回は、中国の国内事情から推察してみたいと思います。