2019年の中国経済を左右する「5G」投資の現状とは
「中央経済工作会議」を読み解く
「中央経済工作会議」をご存知でしょうか。中国共産党と中国政府が年に1度、翌年の経済政策運営の基本方針を決める会議で、毎年12月に2~3日間の日程で開かれます。党指導部や閣僚、地方政府や大手国有企業だけでなく、軍の幹部も参加して経済成長率や物価など経済運営の目標を議論する重要会議の一つで、中国の株式市場に与える影響も大きいです。今回は、2018年12月に行われた「中央経済工作会議」の内容から、中国株式市場の見通しについて考察してみます。
なぜ日本は経済大国になれたのか(前編)――アヘン戦争の衝撃
簿記の歴史物語 第37回
1840年8月、イギリスの艦隊が中国を攻撃し、アヘン戦争が始まりました。当時のイギリスは中国から茶や陶器を輸入している一方、中国側に輸出できる商品はインド産のアヘンくらいしかありませんでした。(※当時はイギリスがインドの植民地支配を拡大していた時期にあたります。1877年にはヴィクトリア女王がインド皇帝に即位し、イギリスによるインド支配が完成します)しかし国内の風紀悪化を懸念した清王朝は、アヘンの取り締まりを強化します。これが戦争の原因でした。当時は「貿易によって金銀を貯め込むことが国を豊かにする」という発想が根強く残っていた時代です。アヘンが輸出できなければ、イギリスの銀が流出して国が貧しくなると考えられたのです。最新の装備を揃えたイギリス軍は、中国のジャンク船を次々に沈め、1842年には勝利を収めます。いち早く産業革命を果たした西洋に比べて、東洋の科学技術・経済・軍事力がいかに遅れているのかが、この戦争によって証明されました。アヘン戦争における中国の敗北に、日本の知識人は恐怖します。日本は歴史的に、中国大陸から多くの文化や技術を学んできました。歴史の大部分で、中国は先進的な地域だと
株式市場が動揺した時に確認すべきこと
「本物の美人」を長期保有で
2018年のグローバル株式市場を振り返ると、米中貿易摩擦などに振り回され、変動の激しい1年でした。2019年はいよいよ米中貿易摩擦が実体経済に影響を与え、世界経済が失速するのではないかと投資家は身構えているようです。そんな時は、まず株式などのリスク資産の配分が適切かどうかを振り返ってみるのがいいかもしれません。これまでもリーマン・ショックや欧州債務危機、チャイナ・ショック、英国のEU離脱決定といった経済や株式市場を大きく動揺させる出来事はあり、今後もこうした事態が起こる可能性は十分あります。今回は、経済や株式市場に大きな動揺が生じたときでも、これまでの生活や人生設計が変わらないよう、確認しておくべきことをご紹介します。
極端な円高警戒は時期尚早と言える3つの理由
根強い円高シナリオへの反論
FRBの利上げ停止観測の強まりや米景気の先行きに対する過度の懸念後退、さらには米中通商交渉の進展期待を背景に、投資家の過度の警戒姿勢が和らいできました。足元のドル円相場は1ドル=109円台後半と、年初の急激な円高が進行する以前の水準を回復してきました。ただ、米国の政府機関閉鎖が長期化して実体経済に影響を及ぼしつつあるとの見方が強まっているほか、英国の欧州連合(EU)離脱交渉も混迷の度を増していることなどから、円高リスクを指摘する声は絶えません。市場では、2015年8月の中国人民元切り下げをきっかけにFRBが利上げを休止し、翌年秋にかけて1ドル=100円割れまで急速な円高が進んだことの再来を懸念する向きが多いようですが、今回は相応の円高抵抗をみせる公算が高いと判断しています。その理由をご説明します。
イギリスが高賃金経済になった理由
簿記の歴史物語 第36回
18世紀のイギリスは世界でいちばん賃金が高く、燃料費の安い地域でした。だからこそジェニー紡績機や蒸気機関などの技術革新に投資することで利益を得られ、産業革命が始まりました。では、どうしてイギリスは高賃金かつ低燃料費の国になったのでしょうか?この疑問に答えるには、「なぜ産業革命はイギリスから始まったのか?」の過程を追いかける必要があります。物語の始まりは14世紀にさかのぼります――。
「冬の寒さが厳しいと株価が上がる」って本当?
過去48年のデータを調べてみると…
暦(こよみ)の上で一番寒いといわれる日、大寒(1月20日)は過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きます。実際、過去の気温を見てみると、本当に寒い時期は2月の上旬あたりまで続きます。この“寒さ”ですが、景気や株価と強い関係があります。これは経済や株式市場の専門家の間での常識にもなっています。いったい、どのようなメカニズムが働いているのでしょうか。
底入れした株式市場は高値を取り戻せるのか?
「半値戻しは全値戻し」
昨年10月に始まった米国発の世界的な株式市場の下落は約3カ月に及びましたが、年初の「アップル・ショック」で一旦、底入れしたようです。この間、様々な要因が複合的に絡みあってきたことが、相場の調整を長く深いものにしたのだと思われます。それらの要因を、順を追って改めて見てみましょう。
米FRB利下げにも現実味?2016年に見る今年のドル円相場の行方
やはりカギは米中貿易協議
今年は2016年と状況が似ているとされます。一体どういうことでしょうか。同年と比較しながら、為替市場の今後の動向を占ってみたいと思います。
20日が経過した2019年、目先の景気は良いのか悪いのか
身近なデータが示唆する足元の景気
2019年は年初から、株価などのマーケットが波乱の展開となりました。1月3日の朝の一時1ドル=104円台の円高というフラッシュクラッシュ(瞬間暴落)に代表されるように、年末年始は円高ドル安方向にドル円レートは動きました。直近12月時点では、エコノミストが懸念する景気腰折れの2大懸念材料は「保護主義の高まり」と「中国景気の悪化」でした。しかしここに来て、昨年前半で最大の懸念材料だった「円高」を挙げる人が再び増加してきました。実は、最近のこうした動きは“誰でも作成できる意外な先行指標”が12月前半に示唆していました。この先行指標を含めた身近なデータを分析することで、まだマクロ統計に現れていない、足元の景気基調を探ってみたいと思います。
2019年の株式市場、その行方を3つのポイントで徹底解説
経済減速局面でも株価上昇は見込める
2018年の株式市場は、9月に米国でダウ平均株価が史上最高値更新、国内も日経平均株価が27年ぶりの高値圏まで上昇しました。しかし、米国の保護主義的な貿易政策や政策運営に対する不透明感、欧州の政治的混乱、株式市場をけん引してきたハイテク企業の業績悪化などから世界的な景気減速懸念が広がり、年間騰落率はマイナスとなりました。そこで今回は、2019年の株式市場をどのような観点でみておけば良いのか、注目点を3つに絞ってお伝えします。
景気循環から考える米国景気の現在地
景気拡大期の割合は何%?
2019年初の米株式市場は、大荒れの展開となりました。NYダウ平均については、アップルの売上減少懸念で大幅下落となった後、雇用統計の好調な結果を受け、大幅上昇となりました。株式市場が、色々な材料に敏感に一喜一憂していることが分かります。そこで、冷静な判断をするため、今回は一歩身を引いて、長期的な視点で景気循環から米国景気を考えたいと思います。
近づく「リスクオフ円高」の足音、2019年の為替見通し
“改善の極み”に差し掛かる世界経済
主要な金融商品の2019年相場について、業界を代表する専門家に聞く短期集中連載。2回目は為替、中でもドル円相場の見通しを、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんに聞きました。2018年の金融市場では米中貿易戦争やブレグジット(英国のEU離脱)問題の再燃が注目されましたが、ドル円相場は値動きに乏しい展開が続きました。新しい年のドル円相場はどうなるのでしょうか。
個人投資家に“買い場”到来? 2019年の日本株見通し
短期勝負なら年前半が狙い目
2019年がスタートしました。主要な金融商品の2019年相場について、業界を代表する専門家に聞く短期集中連載、第1回目は日本株です。2018年の日本株市場は秋から年末にかけて波乱に見舞われ、7年ぶりに年間を通して下落した年となりました。新しい年の相場に、巻き返しのチャンスはあるのでしょうか。JPモルガン証券・株式調査部の阪上亮太チーフ株式ストラテジストに相場見通しを聞きました。
日本株の「クリスマスショック」は“米国だけ”が元凶なのか
1000円超の急落に潜む不都合な真実
2018年末の日本株相場が大荒れの展開です。12月25日の東京株式市場では売り物が膨らみ、日経平均株価は前日比1,010円安と大幅な値下がりを記録。1年3ヵ月ぶりに2万円台を割り込みました。27日には急騰して再び2万円台を回復しましたが依然、波乱含みです。日本のメディアはクリスマス当日の株価急落について、「米国からの(ありがたくない)プレゼント」などと伝えました。確かに、米国株の急落劇が連鎖安につながった面は大きそうです。ただ、「米国が株安の元凶」などと決めつける見方には少々、違和感も覚えています。
日経平均の大幅下落、2019年は世界的な株安に進むのか
世界同時株安?
日経平均株価は2万円を割り込み、株価は調整色を強めています。それでは、代表的な先進国、新興国の株式市場はどうなっているのでしょうか?
今年大幅に下落した中国株、来年の見通しは?
懸念点が多いなか期待は持てるか
今年世界の主要株式市場の株価パフォーマンスを振り返ると、2018年は日本円で投資した場合すべての市場がマイナスのリターンになりました。中でも深セン総合指数と上海総合指数、香港ハンセン指数に代表される中国株の軟調さが目立ちました。中国株が大幅に下落した原因としては、実体経済の減速や米中貿易摩擦の激化、投資家心理の悪化などが考えられます。中でも米中貿易摩擦は、中国株にとって大きな懸念材料となっており、来年以降も株式市場の重石になると予想されます。今回は、中国株の来年の見通しについて考えてみたいと思います。
「紅白」サブちゃん歌唱曲が示唆する日本経済の先行きは?
今年の漢字「災」を吹き飛ばせるか
今や年末の風物詩となった「今年の漢字」は、その年の世相を表すものとして注目されています。例年、京都・清水寺で同寺貫主が揮毫し、メディアにより大々的に報道されます。2018年で24年目を迎えましたが、振り返ると選ばれた漢字がその年々の景気の良し悪しを映しているように感じられます。2018年7~9月期の実質GDP(国内総生産)成長率・第2次速報値は自然災害の影響が大きく、前期比年率▲2.5%とマイナス成長になりました。また、夏場の自然災害の影響で景気動向指数を使った機械的な景気の基調判断が、それまでの「改善」から、9月分と直近10月分は「足踏み」に下方修正されています。2018年の「今年の漢字」である「災」は、このような景気の落ち込みの要因を示唆するものになりました。
悲観一色の株式市場、それでも2019年に期待できるワケ
明るい面にも目をむけよう!
今年もいよいよ残すところ、あと10日あまりとなりました。株式相場はさえない展開が続いており、このままでは日経平均株価が「アベノミクス相場」開始以来初めて、7年ぶりの年間下落となる可能性が高まっています。無理もないことかもしれません。株式市場を取り巻く環境は、米中貿易戦争を筆頭に、英国のEU離脱の行方、米国の金融政策、中国景気の減速懸念など不透明感が満ちあふれています。そうしたなか来年は、世界全体の景気も悪化するのではないか、そうした不安が世界的な株安の根底にあるのだろうと思われます。マーケットに「不安」は確かにあります。しかし、本当にそこまで景況感は悪いのでしょうか。