データで読む「フィットネスクラブと株価」の意外な相関
利用回数が増えると株価は?
立夏(りっか、5月7日)が過ぎて、暦の上では夏の到来です。夏日も多くなり、気軽にTシャツで外出する人も増えてきました。重ね着が減ると気持ちも軽くなりますが、私のように体重が気になる人の中には、薄着でお腹まわりが目立つのではと気になる方もいらっしゃるかもしれません。寒かった時期に外出も億劫で、食べ過ぎや飲み過ぎが気になっていた方の中には、この時期、運動を始めようかと思う人が少なくないようです。5月から夏にかけて、フィットネスクラブ(ジム)では会員数が大きく伸びる時期になります。そこで今回はジムを取り上げてみます。実は、ジムと株価の間には意外な関係があるのです。
北朝鮮、イラン…… 金融市場はどうなる?
「地政学リスク」を総点検
株価や為替レートなどは、基本的にはその国の経済動向や金利水準、企業業績等に連動します。でもたまに、世界のどこかで紛争が起きたり、緊張が高まったときにも大きく動くことがあります。こうした紛争などの「心配ごと」を総称して「地政学リスク」と言います。今回は今ある地政学リスクを整理してみましょう。
日本のビジネス界に伝わる商道徳の言葉~明治以降のCSR探訪~
お金のことば21:商道徳の言葉(後編)
日本のビジネス界に伝わる「商道徳」の言葉を、前後編の2回に分けて紹介しています。前編では江戸時代の言葉を紹介しましたが、後編の今回は明治以降の言葉を紹介することにしましょう。CSR(企業の社会的責任)の概念が伝わる前の日本には、一体どのような商道徳が存在したのでしょうか?
最新の世界経済見通しは「新興国投資」にどう生かせるか
要注目の3ヵ国をピックアップ
IMF(国際通貨基金)が4月17日に「世界経済見通し」を発表しました。これはIMFが3ヵ月に1度の頻度で発表しているもので、世界全体と国、地域ごとの先行き数年のGDP(国内総生産)成長率見通しが示されています。定期的に発信されているほか、国ごとの見通しが示されているという点で参考になるデータです。今回発表されているデータについて、検証してみたいと思います。
日本のビジネス界に伝わる商道徳の言葉~江戸時代のCSR探訪~
お金のことば20:商道徳の言葉(前編)
近年、ビジネスの世界でよく聞くようになったCSR。corporate social responsibilityを略した言葉で、日本語では「企業の社会的責任」と呼ばれています。企業は従来的な経済的責任や法的責任のみならず、環境保護・人権尊重・消費者保護・労働者保護などの「社会的責任」もまっとうすべき――とする考え方です。日本でこの考え方が広く知られるようになったのは2003年のこと。この年にいくつかの大手企業が、CSRの專門部署を相次いで設立したことがきっかけでした。そこには当時、企業の不祥事が相次いでいたことが背景にあります(雪印牛肉偽装事件など)。関係者の間では2003年を「CSR元年」と呼ぶ人もいます。しかし日本企業は、なにも2003年になるまで社会的責任を無視していたわけではありません。日本の商業界には「和製CSR」ともいえる概念、言い換えると「商道徳」が古くから伝わっていました。今回は、日本のビジネス界に伝わる「商道徳の言葉」を、前後編に分けて紹介しましょう。前編の今回は、江戸時代の言葉を取り上げます。
“政治の年”で株価停滞、「インドネシア株」は仕込み時?
大型株が冴えない動き
今年2月にインドネシアのジャカルタ総合指数は史上最高値である6,693ポイントをつけました。しかし、個別銘柄の年初来騰落率を見ると、通信最大手のテレコムニカシ・インドネシアが-18%、英蘭系ユニリーバの子会社で消費財国内最大手のユニリーバ・インドネシアが-10%、自動車を中核事業とする大手企業グループのアストラ・インターナショナルが-9%など、大型株が冴えない動きとなっています。現地の株式市場では、昨年半ばより目立ち始めた海外投資家の売り越し姿勢が今年も続いており、大型株の株価の重石になっています。このような傾向はいつまで続くのでしょうか。インドネシアの現状について見てみましょう。
生きにくい現代人の心のゆるめ方「0円で生きる」こととは?
私たちがお金で買っているものの正体
『完全自殺マニュアル』『無気力製造工場』『人格改造マニュアル』など、生きづらさをテーマにした著作で知られる鶴見済氏の『0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方』が、2017年12月に刊行されました。なぜ今、鶴見氏は経済に注目したのか。新刊で伝えたいことは何なのかを伺いました。
日本にも関係大?アジアで広がるインフレ機運の実情
アジア各国で何が起きているのか
日本では4月に入ってから各所で値上げのニュースが散見されます。内閣府が発表している月例経済報告の基調判断を見ても、最新号(3月)では前月の「消費者物価は横ばいとなっている」から、「消費者物価はこのところ緩やかに上昇している」と表記が変更されました。長いこと政府が掲げている「デフレ脱却」が実現されるのかに注目が集まります。また、日本だけでなく近隣諸国であるアジア各国の状況を把握することで、マーケットや経済を高いレベルで分析できるようになるため、今回はアジアの他の国の物価事情も少し見ていきましょう。
為替市場は「貿易戦争」懸念を適切に消化できているか
報道やムードに惑わされるな
3月下旬には一時、1ドル=104円台まで円高ドル安が進行したドル円相場。足元は1ドル=107円前後で推移しており、一時のような円高局面は一巡した感があります。では、この先の為替相場どのように見通せばいいのでしょうか。各種の経済指標の動きや米政権関係者のコメントなどから、読み解いてみます。
個人投資家は「新年度相場の投資戦略」をどう考えるべきか
“4月は上がりやすい”は本当?
新年度となりました。街には一目で新入社員とわかる初々しい若者の姿が目立ちます。今年の桜は開花が早く、首都圏ではすでに葉桜になっていますが、それでも新たな年度の始まりに色を添えてくれています。新緑が目に眩しい季節になりました。春は人の気持ちをとてもフレッシュにさせてくれます。この「フレッシュな気持ち」というのが重要です。「景気は気から」という言葉がありますが、人の気持ちが景気を左右するのです。景気の鏡である相場も同じで、人の気持ちが重要です。投資家の気持ちがフレッシュになれば、当然前向きでポジティブな投資行動につながると考えられるからです。
トランプ発の貿易戦争、アジアで影響が大きい国は?
波及するのは中国だけじゃない
米国のドナルド・トランプ大統領が3月22日、通商法301条による対中制裁として、600億ドル規模の制裁課税を行う、中国をWTO(世界貿易機関)に提訴する、などといった措置を表明しました。中国による知的財産権の侵害を理由に挙げています。米国では直近、主要閣僚が相次いで解任され、後任には対中強硬派とされている人物が就任しました。政権内の混乱も含めて、トランプ政権の打ち出す政策はまだ流動的で、なかなか先が読めないという状況です。トランプ大統領が打ち出した政策によって、アジア経済にどのような影響があるか、という点について考えてみたいと思います。
経済と理財の覇権争い、「経済」に軍配が上がったワケ
お金のことば16:理財(後編)
財務省理財局を入り口に「理財」という言葉の背景を探る記事の後編です。前編では、理財の「意味」が「金銭・財産をうまく運用すること」だと紹介しました。後編の今回は理財の歴史について分析してみましょう。実はこの言葉。もともとは中国の古典に登場する古い言葉であるだけでなく、明治から大正の一時期に「経済」という言葉と覇権を争ったこともあるという、非常に面白い歴史を持っているのです。
「引っ越し」の分析から“未来の株価”が見えてくる理由
県間移動比率の変動を読み解く
3月といえば、多くの会社で昇進や異動が発表されて、サラリーマンにとってはドキドキする人も少なくない時期です。自分がやりたい仕事への異動希望がかない、ハッピーな気分のうらやましい方もいるでしょう。異動といえば、転勤となるケースもあります。皆さんの同僚や家の近所にも、転勤で離れていく方もいらっしゃるかもしれません。そして、転勤といえば引っ越しです。ところで、連想ゲームのように「3月→異動→転勤、そして引っ越し」と進みましたが、実は、この引っ越しが株価と意外に深い関係があることを見つけたので、紹介します。
通貨コードが映し出す「経済の現代史」
お金のことば14:通貨コード(後編)
JPY(日本円)やUSD(米国ドル)など、アルファベット3文字で構成される通貨コード。その仕組みと変遷を分析する記事を、前後編の2回に分けてお送りしております。後編の今回は、通貨コードの「変遷」について紹介しましょう。面白いことに、通貨コードの変遷を辿ることは国家・経済・通貨などの「現代史」を辿ることと同義なのです。ここで前編で紹介した、通貨コードのフォーマット(記述方法)を簡単に復習しましょう。第一に通貨コードは原則「英字2文字の国名」と「英字1文字の通貨名」を組み合わせた形です(以下、ルール1と呼ぶ)。例えばJPYは日本を意味するJPと、円を意味するYの組み合わせ、といった具合です。第二に、複数の国で共通の通貨を用いる場合は、例外的に「X」と「英字2文字」を組み合わせます(同ルール2)。このような通貨コードには、例えばアフリカ諸国で使用されるXAF(CFAフラン)などがあります。ひとまずこの2つのルールだけを把握しておけば、以降の話題が理解できると思います。
開花が早いと株価はどうなる?桜と日経平均の意外な相関
桜の開花条件が景気に連動
皆さんの身近には、景気や株価と意外な結びつきがあるデータがたくさんあります。筆者は『サザエさんと株価の関係』という、ちょっと不思議なタイトルの本で「サザエさんの視聴率が下がる時に株価が上がり、逆に視聴率が上がると株価が下がる」という関係を紹介しました。サザエさんのオンエアー時間は、日曜の夕食時間に重なります。サザエさんの視聴率が高ければ、それは夕食時に自宅にいる家庭が多いことを意味します。その時間、レジャーを楽しんだり、買い物をするといった、消費にお金が回っていないと、景気や株価にネガティブに働くというわけです。こうした意外な関係をたくさん知ることで、経済に親しくなるだけでなく、相場を予想して儲けることにもつながるでしょう。今回から、こうした景気や株価のジンクスといえる、意外な関係も紹介していきます。
仮想通貨は「通貨」として失敗?仮想通貨の構造的な弱点
簿記の歴史物語 第24回
連載の更新が遅れているうちに、仮想通貨を巡る状況はかなり変わってしまいました。コインチェック社の仮想通貨NEM巨額流出事件が起き、さらにイギリスの中央銀行総裁がビットコインは通貨としておおむね失敗であると発言して波紋を呼びました。[1]失敗かどうかはともかく、一連の事件による価格の乱高下を見て、仮想通貨が極めて投機性の高い金融商品だと認識されるようになったことは間違いないでしょう。この記事を書いている2018年3月初旬には、仮想通貨への熱狂はやや冷めた印象があります。前年末~年初ごろのように、仮想通貨に関するニュースが連日バズりまくるという状況ではなくなりました。
投資先として有望か、「タイ経済」の現状と今後を読み解く
2017年は5年ぶりの高成長
タイ政府は2月19日、2017年10~12月期と2017年年間の実質GDP(国内総生産)成長率を発表しました。結果は10~12月期が前年同期比4.0%増と、7~9月期(同4.3%増)からは減速したものの、2017年年間では前年比3.9%増と、2016年の3.3%増を上回り、5年ぶりの高水準を記録しました。政治の安定と経済活動の本格化が、こうした高い成長率につながっていると思われます。加えて、タイが直近で力を入れようとしているのがデジタル産業の推進です。経済の現状とデジタル産業推進に向けたタイの動きを探ってみましょう。
株価下落“第2波”は「過剰流動性相場」終わりの始まり?
パウエル発言で不安が増幅
2月から始まった世界的な株安は、簡単には終わりそうにありません。3月1日の日経平均株価は、前日比343円安の2万1,724円と大きく下げました。2月27日に、米FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が議会証言で、「個人的には景気見通しは力強さを増してきた」と発言したことが、戻り歩調にあったNYダウ平均株価、日経平均が再び売られるきっかけとなりました。米国の景気が良いという話は、普通は、株にプラス材料です。しかし、今回は通常とは逆の影響を株式市場に及ぼしました。その背景には、どんな事情があるのでしょうか。