配当に着目した2つの株価指数「日経累進高配当指数」「日経連続増配株指数」、組み入れ銘柄は?
TOPIXと比較して高パフォーマンスを示す両指数
6月19日から月末にかけて月決算企業の配当ラッシュ状態を迎えます。日本企業は東証の改革もあり、配当金を増やす企業が多くなってきています。2025年3月期の、配当総額は約18兆円と4年連続で過去最高となる見通しです。今期も増配を公表する企業が増加しています。個人投資家で配当を重視する方も多くいらっしゃると思います。今回は、配当に関わる指数を紹介したいと思います。
株を売却後にストップ高…、決算前に売るか、持ち越すかはどう判断する?
TENTIALの事例でみる売却判断のプロセス
決算発表前に保有株を売るか、それとも持ち越すかは、投資家として非常に悩ましい問題です。決算発表日を把握しておらず、うっかり持ち越したというのは論外ですが、ギリギリまで悩んだ挙句、持ち越したら決算発表翌日にストップ安、もしくは売却したら翌日にストップ高──なんてことは“あるある”です。つい先日、わたしも保有していたTENTIAL(325A)を決算発表前にすべて売却したところ、決算発表後、2日連続ストップ高となりました。持ち越していたら、どれほどの利益だったかと“たられば”の計算をするも、じつはそれほど後悔していません。
「サンリオ」「メタプラネット」が全市場で売買代金トップに それぞれの要因とは
グロース市場の売買代金が過去最大
2025年に入り、驚くことがたくさんあります。サンリオ(8136)が6月2日に全市場で売買代金トップとなりました。同社は、キャラクターグッズやグリーティングカードなどのソーシャルコミュニケーションギフト商品を企画・販売する日本の企業です。代表的なキャラクターは、1974年に誕生したハローキティです。2025年5月、株価指数算出大手の米MSCIが全世界株指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」にサンリオの採用を決めたことが、売買代金が増加する要因となりました。
「一風堂」「町田商店」「山岡家」ラーメン御三家、株価と業績で圧倒した1社は?
上昇トレンドが続くいま買いなのか
先日、札幌に行った際、ラーメン山岡家に行列ができているのを見ました。この連載でも、過去2回、ラーメン企業については紹介していますが、さすがに最近はあまり話題にならず、投資テーマとしても色褪せてきたかと思っていた矢先に見た光景に「もしかしてまだイケる?」と感じました。
世界全体で株式相場が堅調な理由:トランプ政策の矛盾とその限界
市場に影響を与える米中対立の行方
株式相場が堅調です。日本株は上値の重い展開が続いていますが、それでも下値は限定的で底堅い推移が続いています。米国ではナスダック総合株価指数は年初来リターンがプラスに転換、2月以来の高値水準に達しました。最高値圏にあるドイツ株を筆頭に欧州株も好調です。世界全体の動きを示す株価指数では再び最高値を目指すところまで戻ってきました。その背景は、市場がトランプ政策の矛盾とその限界を見破ったことが挙げられます。この点について筆者は4月下旬のストラテジーレポート『想定通りに「円安是正」はなくなった』ですでに指摘し、以降も繰り返し述べてきました。ただ、さすがに「TACOトレード」なる言葉は思いつきませんでした。
株価、業績ともに過去最高を更新の【しまむら】株式分割も期待?
ユニクロとの違いは?
気がつけば、しまむら(8227)の株価がじわじわと上昇し、2025年5月16日には、上場来高値となる10,740円を記録。2009年にテレビの情報番組で紹介されたことをきっかけに「しまらー」という言葉が全国的に広がるほどブレイクしましたが、その後はパッとせず、株式市場でも話題になることはほとんどありませんでした。しかし、裏では着実に業績を積み上げ、株主からの信頼も高まっているようです。今、改めて「しまむら流」の強さを見直す時が来ているのかもしれません。
トヨタ、NTT、イオン…親子上場の解消はなぜ進む?
親子上場数は30年ぶりに200社を下回る
日本企業が親子上場関係を解消する動きが活発化している事をご存知でしょうか?5月にトヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機の株式非公開化構想を巡り、トヨタグループが11月にも豊田織機に対し株式公開買い付け(TOB)を実施する計画が明らかになりました。買収総額は6兆円超にのぼるとの報道もあります。また、NTTは5月8日、上場子会社のNTTデータグループを完全子会社化すると発表しました。買い付け価格は1株4000円と、7日終値に34%のプレミアム(上乗せ幅)を乗せました。三菱商事は、三菱食品をTOBで完全子会社化し、食品流通事業を強化する方針です。エア・ウォーターは、医療材料を手がける川本産業を完全子会社化するためTOBを実施しました。その他、イオンがイオンディライトのTOBを実施、イオンモールを株式交換による完全子会社化に向けた協議を開始する旨の基本合意書を締結しました。イオンはこの2社を含めて15社の上場子会社を持っています。2025年に入り、上記以外でも親子上場のTOBや解消が進んでいます。親子上場関係を解消する動きが活発化する背景を今回はお伝えします。
バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが保有銘柄リストを公開、買い増しした6社とは?
反対に売却した銘柄とは?
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが5月15日、2025年3月末時点の保有銘柄リストを公開しました。米国の大手機関投資家は、四半期ごとに米証券取引委員会(SEC)に「フォーム13F」という報告書を提出し、保有銘柄を開示する義務があります。今回は前回買い増しした企業を紹介します。
決算資料で見かける「EBITDA」とは? KDDI・楽天・マネーフォワードに見る使い方と注意点
なぜ企業はEBITDAを強調するのか
最近の企業決算を見ていると、「EBITDA黒字」という言葉をよく目にするようになりました。EBITDAは、「イービットディーエー」「イービットダー」など複数の読み方がありますが、いずれも利払い・税引き前・償却前利益を意味します。営業赤字でも「EBITDAでは黒字」と強調する企業が増えている背景には、どんな事情があるのでしょうか?
減益予想の中でも目立つ株主還元、累進配当の実施を発表した6社とは?
利益還元を進める企業
米中両政府が100%を超える高関税を一時停止することで合意しました。8月前半までの90日間の「停戦」期間を設けるとしています。両国が歩み寄りの態度を示したことから、株式市場は堅調に推移し、4月前半の下落前の水準を上回る場面も見られました。このような状況の中、多くの企業で決算発表が行われていました。今回の特徴として、関税の行方が不透明なことから、減益予想を発表する企業が多く見られました。しかし、減益予想にも関わらず増配や自社株買いの株主還元を行う企業も目立ちました。4月も累進配当企業を紹介しましたが、その後に累進配当を公表した企業を紹介します。
JINS vs Zoff:成熟市場でも業績好調の2社、どちらに投資妙味があるのか?
安定成長のJINSか、高成長・高収益のZoffか
国内メガネ市場は、すでに一定の需要が飽和しているとされる成熟産業です。しかしそんな中、JINS(ジンズホールディングス)とZoff(インターメスティック)がそれぞれ好調な決算を発表し、株価も堅調に推移しています。JINSは既存店売上やインバウンド需要の回復を背景に、インターメスティックはファッション性の高い商品や高粗利体制で利益を拡大。今回はこの2社を比較しながら、それぞれの強みや戦略の違い、成長性、そして投資先としてどちらに魅力があるのかを掘り下げたいと思います。
「そろそろ買い場か」と考える投資家へ 株価急落のオリエンタルランド株は“夢の国”への逆張り投資となるか?
なぜ「買いたくなる」か
「ディズニーランドの株は下がらない」。そんな“神話”がささやかれてきたオリエンタルランド株(4661)が、2024年を境に大きく揺れ動いています。株価は一時、5,700円を超える高値をつけていましたが、2025年春にはその半値近くまで下落しています。「そろそろ買い時?」「それともまだまだ下落は続く?」――かつての超優良株の行方は、多くの個人投資家の関心を集めています。
なぜ株主優待を実施する企業は増えている? 研究からわかった優待の効果とは
全上場企業の約3分の1が株主優待を実施
新NISA普及に伴い個人投資家の裾野が広がり、株主優待への関心も高まっています。こうした中、日本証券業協会は2024年10月から株主優待に関する学術的な研究結果をもとに、優待の意義や効果を検討する「株主優待の意義に関する研究会」を設置し、意見交換が進められてきました。本研究会は、2024年11月から2025年2月にかけて4回の会合が開催されました。研究者、実務や法律に精通した有識者、個人投資家の立場からのプレゼンテーションを基に、株主優待の現状および意義や効果について議論され、結果が4月16日に公表されました。 その内容は、かなり興味深いものとなっています。
無印良品の業績が絶好調な理由――世界経済の逆風下でも伸びる秘密と「ニトリ」との違い
投資家は何を評価しているか
米国・トランプ政権による追加関税措置、米中対立の激化など、世界経済には不透明感が広がっています。一強といわれていたアメリカハイテク株は軒並み下落しており、株式市場全体が重たい雰囲気です。そんな中、良品計画(無印良品)は堅調な業績を背景に、株価が上場来高値を更新しました。なぜこの逆風の中、無印良品はこれほど強いのでしょうか?
ニトリ、セリア、しまむら…円高の恩恵を受ける企業とは?
円高で見直される企業
4月22日、東京外国為替市場で一時139円台をつける場面がありました。140円を超えて円高・ドル安が進むのは2024年9月以来およそ7カ月ぶりのことです。要因は、トランプ米大統領がFRBに即時の利下げを要求したことやパウエル議長の解任について検討中であるとの報道から、FRBの独立性への懸念が広がったことです。その後、トランプ大統領がパウエル議長の処遇について「解任するつもりはない」と軌道修正したことを受け、若干円安となりました。しかし、トランプ政権は、貿易不均衡の是正や国内製造業の輸出競争力を強化するため、日本の通貨政策を批判しています。また、貿易の妨げになる「非関税障壁」について8つの項目をSNS投稿し、そのうちの1つに「為替操作」を挙げました。今後、アメリカから日本に対し円安の是正を求められるとの予測もあります。
伊勢丹、大丸、阪急、高島屋…百貨店株は復活なるか? インバウンド頼みの限界と次の注目銘柄
インバウンド売上は減速傾向か
2023年以降、訪日外国人客の本格回復や富裕層需要の拡大を追い風に、百貨店各社は業績を着実に回復させています。上場している百貨店大手4社(三越伊勢丹HD(3099)、J.フロントリテイリング(3086)、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)、高島屋(8233))の直近までの業績は、過去最高益を更新しており、コロナ前を軽々超えています。ここのところトランプ関税による影響が危ぶまれる中、比較的影響が少ないであろう百貨店株なら、買ってもよいのでは? 投資家の中にはそう考える人も少なくないでしょう。ところが、実際の株式市場では百貨店株が総じて冴えない展開が続いています。
波乱の相場に強いといわれる「累進配当」 2025年に実施を公表した企業とは?
安定的な株主還元が期待できる?
2025年4月7日から4月11日の週、日経平均は前日比で1000円以上動く日が続きました。この大きな変動の要因は、トランプ大統領による「相互関税」に関する発言が大きかったように思います。特に中国に対して厳しく、貿易赤字が大きい国への「相互関税」の措置を90日間停止する一方で、中国に対しては145%の関税措置を課すなど、強硬な姿勢を示しました。これに対して、中国政府は、12日よりアメリカからの輸入品にあわせて125%の追加関税を課すと発表しました。一方で、今後アメリカがさらに対中関税を引き上げても「中国は相手にしない」とし、報復関税の打ち止めも宣言しました。こうした状況もあり、株式市場は若干落ち着きをみせていますが、トランプ大統領の出方次第では、波乱な相場も予想されます。
トランプ関税で揺れる世界市場:「90日間停止」の後はどうなるか
株式市場の不安定な動きとその背景
米国のトランプ関税に世界の金融市場が振り回されています。日経平均も3月末から下げ足を速め、大幅安となる日が多発しています。特に、4月7日は前営業日比で2644円安を記録。下げ幅は歴代1位の「令和のブラックマンデー」(2024年8月5日)、そして歴代2位の「ブラックマンデー」(1987年10月20日)に次ぐ大きさで、指数算出以来の歴代3位の下げ幅となりました。