コロナのダメージを引きずるフィットネスジム、そのなかでも「女性だけ」のカーブスが好調なのはなぜ?
女性だけに振り切る戦略勝ちか
年末年始の帰省中、80歳手前の母が、連日「カーブス」に通っていました。カーブスは「女性だけの30分フィットネス」と明確なコンセプトを持つスポーツジムで、わたしの母はもうかれこれ10年近く通っています。さすがにコロナ中はお休みしていましたが、今は再開してふたたび日々の習慣となっているようです。2024年の注目投資テーマとして、フィットネスジムを挙げている市場関係者がいました。リオープン銘柄としては、まず飲食、小売、エンタメなどが先陣を切りましたが、それらのセクターはやや一服し、ここからはフィットネスジムが追い上げてくるとの予想です。たしかに、コロナ中に蓄えた脂肪をそろそろなんとかしたいとジム通いを再開する人は周りでもちらほら。かくいうわたしも、コロナ前に通っていたゴルフスクールを再開したばかり。身体を鍛えたい、運動したいモードの大人は確実に増えていますね。
過去最高売上、最高利益を更新予想のアダストリア、それでも「いま株を買うのは難しい」のはなぜ?
12月の月次売上に注目
株式市場では、2月決算銘柄の第3四半期決算発表が続々と行われております。2月は飲食、ドラッグストア、アパレルなど消費者として売れ行きなどを実感しやすい銘柄が多いため、日々の肌感と業績が一致しているかどうかの確認作業にもなります。年度の終盤である第3四半期決算は、良くても悪くても株価はすでに織り込み済みのことが多く、そこから株価が急騰することはあまりありません。投資家の意識は、その先の新年度の業績がどうなるかに向かっていますので、足元の業績への評価がダイレクトに株価に反映しなくなります。そんな事情もあって、第3四半期決算後に株を買うのは難しいのですが、期初から継続的に業績がよく、今後も持続しそうな期待が持てるのに、決算後に株価が下落した場合は、そこが買いチャンスとなることもあります。
今は日米で転換期!金利が下がると株価は上がる?押さえておきたい両者の関係
金利の転換点は株価の転換点
2023年末現在、アメリカでは来年の利下げが見込まれる一方で、日本ではマイナス金利制作解除が検討されています。金利が転換点を迎えることが見込まれるなかでアメリカでは株価が上昇し、ダウ平均が過去最高値圏となっています。株式市場では金利の動きが重要です。今回は金利の動きと株価の関係についてご説明いたします。
業績絶好調のしまむら、株価上昇率がイマイチなのは「優等生」だから?
コロナ禍でも他社を圧倒する強さ
2月8月期決算銘柄の先発隊が、そろそろ決算発表を行なっています。この部隊には小売銘柄が多いため、個人投資家さんにとっても馴染みが深い銘柄揃いです。2023年は、リオープン、インバウンドの恩恵で、小売銘柄にとっては追い風が強く、業績の大幅改善、それに伴う株価上昇が多く見られました。この連載では、小売の代表としてアパレル銘柄を何度か紹介しましたが、アパレル業界全体が2023年は明るい1年だったのではないでしょうか?取り上げたアダストリア(2685)の株価はこの1年で80%上昇、三陽商会(8011)はほぼ2倍になっています。【参考記事】良品計画とアダストリア…明暗分けたアパレル決算、勝ち・負けの境目はどこにあるのか?バーバリー・ロスで倒産危機…なぜ三陽商会は業績予想を上方修正するまでに復活できたのかそんな中、株価上昇率で、少し見劣りしているのはしまむら(8227)です。2023年の株価上昇率は21%。日経平均株価は27%ですから、市場の平均を下回っています。しかし、業績が悪いわけではありません。今期2024年2月期においては、前期に続いて過去最高売上、最高利益を更新予定ですから、むしろ絶好調
トヨタもデンソー株の一部を売却…企業同士で株を持ち合う「政策保有」の解消が加速。来年以降も続く?
企業と投資家それぞれの目線から解説
政策保有(株式)とは企業同士が互いに株式を保有し合う(持ち合い)仕組みのことです。近年「株式持ち合い比率」は低下する傾向ですが、1990年頃は上場株式の時価総額のうち、約3割を政策保有株式が占めていました。東京証券取引所の市場再編により上場基準の流通株式の定義が見直されることになったことも、持ち合い株解消の流れを加速させています。
2024年“辰年”は株価が天井をつける傾向あり!?理論で説明できない市場動向「アノマリー」とは?
日本と米国のアノマリーを紹介
皆様は株式などに投資するとき、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析、どちらを用いていますか?ニュースや決算などのデータから株価などの値動きを予測するファンダメンタルズ分析、チャートの値動きを手掛かりとするテクニカル分析、どちらも大切ですし、私はファンダメンタルズで選んでテクニカルでタイミングをはかるというやり方を主にしています。ところでファンダメンタルズとテクニカル以外に、「アノマリー」を手掛かりとすることも投資のヒントになることをご存知でしょうか?今回はアノマリーの重要性を解説します。
秋まで株価が大躍進のラーメン株、御三家の順位に変動。業績は好調なのに株価が下げ止まらない原因とは?
為替の影響か
ここのところ街に出るとあちらこちらで行列ができています。コロナ前によく見た風景が、ふたたび戻ってきた感じです。とくに目立つのはラーメン屋さん。原宿にある某有名ラーメン屋さんの前には、お昼をだいぶ過ぎたアイドルタイムに軽く30人以上が並んでいました。並んでいるのは、アジア圏からの旅行者が多く、インバウンドの恩恵をしっかり受けているようです。ラーメン系企業については、8月にアップした記事「株価が大躍進したラーメン株、御三家に伸び代はまだあるのか?」で取り上げています。2022年からラーメン銘柄は好調で、2023年の8月時点ではかなり株価も上昇していたのですが、ここからまだ株価が伸びるのか? 8月に公開した記事では「ラーメンが伸びるのは困りますが、株価はまだまだ伸びてほしいですね」とドヤ顔で締め括っています。実際その後はどうなったのでしょう?
大谷翔平選手の“10年7億ドル”契約から考える為替レートの行方…自動車各社は円安でどれくらい恩恵を受けた?
トヨタ自動車は1円の円安で約450億円営業利益アップ
米大リーグのエンゼルスからフリーエージェントになっていた大谷翔平選手は12月9日、新たな活躍の場となるドジャースと10年契約を結んだことを発表しました。契約金は10年で総額7億ドル(約1015億円)という高額での大型契約となりました。これはプロスポーツ史上最大の契約になるということです。背番号は「17」で早くもニューヨークのMLB公式ショップでは、ドジャースのユニホームに大谷選手の名前と「17」をつけて販売を始めています。移籍先のドジャースはロサンゼルスが本拠地でワールドシリーズを7度制覇している球団です。過去には野茂英雄や黒田博樹、ダルビッシュ有などの選手が在籍していたので日本人にも馴染みがある球団だと思います。
コロナから復活のモスバーガー、スポットライトを浴びる「出遅れ銘柄」になれるか
2018年に起こった事故とは
ときどき無性に食べたくなるものがあります。そのひとつがモスバーガーのテリヤキチキンバーガーです。大学進学をきっかけに、東京に出てきてはじめて食べたテリヤキチキンバーガーの美味しさは、今でも覚えています。モスバーガーは、ファーストフードの中でも手作り感が強く、お値段は少しお高め、学生時代はちょっとしたご褒美ごはんの位置付けでした。ほかのハンバーガーチェーンと比べると、挟まれているレタスにボリュームがあり、栄養バランスがよいのも魅力。ただ、株式市場で、モスバーガーを運営するモスフードサービスが話題になることは、ほとんどありません。業界1位の日本マクドナルドHDは決算発表のたび報道されますが、業界2位のモスフードサービスに対する注目度は残念ながら低いと言えます。
コンビニジム「chocoZAP」が話題のRIZAP、株式市場のスター銘柄に戻れるか
株価は2017年の高値から一時は10分の1に
最近、身近な友人の中で、「chocoZAP」に通う人が増えています。「chocoZAP」は、RIZAPグループ(2928)が運営する会員制のトレーニングジムで、”初心者でも通いやすいコンビニジム”がコンセプトです。通常のジムとの違いは、トレーナーや受付がいないこと。無人のジムに、初心者でも使いやすいトレーニングマシーンが設置されており、月額2,980円(税抜)で利用できます。服装は自由なので、仕事の合間にサクっと立ち寄り、そのままの服装で10分程度運動していく人も多いそう。また、セルフエステやセルフ脱毛の美容機器が設置されており、わたしの友人は、むしろジムよりそちらが目当てのようです。
決算発表後の急騰を狙う「決算プレイ」を避けて、低リスク高リターンを狙う”後出し作戦”
決算発表チェックの順番をおさえる
決算がよいだろうと先回りして、発表後の急騰を狙う決算プレイや、決算発表翌日に飛びつく好決算キャッチプレイは、そこそこ経験がある投資家にとっても、なかなか思い通りにならないものです。目論見が外れたときのダメージは、金額的にも精神的にも大きいため、わたし自身はほとんどチャレンジすることはありません。しかし、決算という材料が、その後の株価を押し上げることは多く、上手に捉えれば、資産運用の効率をぐいっと底上げしてくれるので、利用しない手はありません。そこでわたし自身が行っている比較的リスクが少なく、好リターンを取りやすい”決算後出し作戦”を紹介しましょう。
市場縮小が止まらないカメラ業界…なのに高値更新を続けるレンズメーカーがある?
偏見を捨てることで出会える銘柄
東京オリンピックからずっとウォッチし続けているマイフェイバリッツ銘柄があります。スマホカメラの発達で、市場のシュリンクに泣くカメラ業界で、むしろ逆に業績の成長が止まらない交換レンズメーカー・タムロン(7740)です。カメラといえば、キヤノン、ソニー、ニコンが王道なので、タムロンを知っている方は、プロもしくはハイレベルのアマチュアさんに限定されるかもしれません。わたしもカメラ自体にはそこまで興味がなく、スマホカメラで十分ですが、知り合いのカメラマンさんは、タムロンのレンズを絶賛しておりました。そもそもわたしが当社に目をつけたのは、東京オリンピックのカメラマン席でソニーのカメラがやたらと目立ったからです。オリンピック競技の写真は、瞬間を捕らえる必要があるため、フォーカスの精度が高いこと、連写の性能がよいこと、またシャッター音がしないことなども重要だと思われます。かつてオリンピックのカメラ席では、キヤノンとニコンの2大メーカーが鎮座しておりましたが、ソニーのカメラが急増したことを不思議に思い調べたところ、タムロン製のレンズが使われていることを知ったのです。
株主優待を廃止・縮小する企業が続々!逆に拡充する企業も…狙いと株価への影響は?
東証による低PBR企業への対策要請を受けた企業の動き
10月下旬から続いている決算発表がピークを迎え、今週末に終了します。3月期決算の企業、約2500社の第2四半期の発表です。今回は今年3月に東京証券取引所(以下、東証)が低PBR (株価純資産倍率)企業に対策を要請したことをきっかけに、配当や株主優待を見直す企業が多く見られます。
時価総額1兆円オーバー、資生堂がまさかのストップ安! 株価を下げた理由を探る
中国事業だけが不振の原因ではない…?
時価総額が小さく、流動性が低い銘柄だと、決算などなにか悪材料が出たときはストップ安になることもよくあります。ところが時価総額が1兆円オーバーの大型銘柄でストップ安になるなんて…。11月11日に2024年12月期の第3四半期決算を発表した翌日、資生堂(4911)株はストップ安をつけました。決算発表前も株価は軟調で、年初来安値を更新していたので、ある程度の悪材料は織り込んでいるかと思われていた中でのストップ安はなかなかショッキングであります。そこまで株価を下げた理由を探ってみましょう。
過熱する即食市場「ニチレイ」は絶好調、「カニカマ」で紀文食品は黒字に
健康需要で「練り物」人気も
先日、何気なくコンビニの冷凍食品売り場を見て、その充実ぶりに驚きました。かつて冷凍食品といえば、ミックス野菜、フライドポテト、ハンバーク、コロッケ程度だったと思いますが、今時の冷凍食品は、ペスカトーレ、ボロネーゼ、ビビンバ、まぜそば、若鶏のグリル…と、お弁当の一品というよりも、しっかりメインのおかずとなりそうなものが増えています。昨今、忙しい共働き世帯や、家での調理が億劫になりがちな高齢世帯、単身世帯の増加により、簡単で即食べられる冷凍食品がかつてないほどに脚光を浴びているようです。たしかに、コンビニやスーパーの冷凍食品売り場は以前より拡大していますし、冷蔵庫のほかに、冷食専用の冷凍庫を購入する人も増えています。冷凍食品の味や品質が劇的に向上したのも冷食人気を過熱させています。2022年の8月に松屋が銀座店の地下2階に冷凍食品売り場「ギンザフローズングルメ」を開設したのは、冷食がグルメ食品であると認識させられる出来事でした。さらに販売経路の変化も冷食の拡大を後押ししています。街角で冷凍食品の自動販売機を見かけませんか? わたしがよく行く餃子屋さんの店頭にも餃子の自動販売機が置いてあり、
11月権利確定の【配当利回り】ランキング、4.5%超えの1位はあの企業
日本の高配当銘柄の配当金を積み立てるスタイルが人気
日本の高配当銘柄を選んで、配当金で安定収入をコツコツ積み立てることを目指して投資するスタイルが投資家から人気です。高配当銘柄への投資は、収益の安定性とリスクの分散を求める投資家にとって魅力的といえます。今回は、2023年11月2日(木)現在のデータをもとに、11月権利確定銘柄の配当利回りトップ5を紹介します(中間配当が11月でも、中間配当が出ていない企業は除いています)。
コロナで株価が3分の1になったJINS、復活の兆しも気になるのは上場を控える強力なライバル
斜陽産業のメガネ業界、その行方は?
わたしが、株式投資でいちばん最初に手応えを感じたのは、ジンズHD(3046)の売買でした。株式投資をはじめてまもない2012年頃、原宿でJINSの路面店を見かけました。それまでメガネといえば、数万円レベルの高級品で、作るのにも時間がかかるちょっとお堅いイメージの商品でしたが、その原宿の店舗は、Tシャツで若者が接客する非常にカジュアルなものでした。また、フレーム+レンズで2,980円といったとてもリーズナブルな価格で、数時間でメガネができるという手軽さは、メガネ業界の常識を覆すものでした。さらに、それまでは、視力の弱い人だけをターゲットにしていたメガネ業界ですが、JiNSは、パソコンのブルーライトから眼を守る”PCメガネ”という新しいカテゴリーメガネを提案し、視力が弱くない人までもメガネユーザーにしてしまう大革命を起こしたのです。そんな変化を好機ととらえ、ジンズ株を購入し、1年で3倍近くの利益を取ることができました。あのときの興奮は今でもはっきりと覚えています。その後、同様のビジネスモデルが蔓延し、メガネ業界は競争激化で、当社の業績も低迷します。またコロナ禍では、外出控えによる需要の落ち
「値上げしない」宣言のサイゼリヤがストップ高! 驚きの好決算の秘密とは
国内事業はお荷物
おもな小売企業の決算がひと通り出揃いました。全体的には、悪くないといった印象ですが、ひときわ好調が目立ったのは、比較的お値段控えめの”庶民の味方”企業でした。ドラッグストアはおおむね全体的に好調でしたし、ユニクロを展開するファーストリテイリングも過去最高益の着地でした。値上げ疲れで節約志向が顕著に見える結果です。そんな中、頑なに値上げを拒んだサイゼリヤ(7581)が、驚きの好決算で注目を集めました。前回の第3四半期決算後に、この連載で取り上げたときは、他社が値上げして、消費者はそれを受け入れつつあるのに、値上げをしないサイゼリヤは大丈夫? 通期予想に対する進捗率もあまりよくなく、予想値未達の心配も、とやや懐疑的な記事でした。まずは2023年8月期の決算を見てみましょう。