はじめに

つみたてNISAを活用すれば、長期・積立・分散投資に適した商品から選べる

そこで、「つみたてNISA」を活用した投資信託の運用を確実に始めるでしょう。

「つみたてNISA」は2018年1月からスタートした「つみたて」専用のNISA口座です。毎年、非課税枠として40万円まで購入可能で、投資した年から最長20年間の運用で得られた利益に税金がかからないメリットがある上、厳選された商品約150本の中から選べば良いというメリットがあります。つみたてNISAでは、長期・積立・分散投資に適しているか、金融庁の厳しい基準をクリアした商品のみの取り扱いです。

金融庁の厳しい基準をクリアしているとはいえ、リスクはあり利益を保証しているわけではありませんが、「つみたてNISA」を使って、前述の資産配分で20年間の投資期間があれば3%や4%といった運用目標の達成は決して難しいものではありません。

「つみたてNISA」は金融機関によっては100円から可能となっていますし、最低積立額が大きいところでも1万円の少額から始めることができます。

では、資産配分はどのようにするかですが、新入社員であり、投資初心者は、投資信託を使って比較的値動きの安定が期待できる、先進国債券、先進国株式、に資産を割り振るシンプルな組み合わせで始めることをオススメします。

例えば、

・ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)[ニッセイアセットマネジメント㈱]
・JP4資産均等バランスファンド[JP投信]
・eMAXISバランス(4資産均等型) [三菱UFJ国際投信㈱]

を選ぶと4資産に均等に運用できます。

なお、国内外の債券・株式に均等配分で運用を行った場合、あくまでも過去の実績ではありますが、直近20年間の運用実績は約4.6%でした。

毎月2万円の積立投資をした場合、20年継続した場合には元本は480万円です。3%の運用目標が達成できれば480万円が約660万円に育って20年後に受け取ることができます。

早期に毎月2万円の積立投資を始めることの威力を実感いただけるかと思います。

iDeCoの活用も視野に

つみたてNISAと似た制度で、iDeCo(個人型確定拠出年金)があり、投資にはどちらの制度を使かうべきかと迷われる方は多いです。

iDeCoも運用益に対する税金は非課税です。さらに掛金の上限はありますが掛金全額が所得控除の対象となり、税金や社会保険料負担を圧縮できる効果を享受しながら積立をすることができます。ただ、大きな税制メリットがある分、原則60歳まで引出せないという制約があります。

iDeCoも十分利用価値はありますが、筆者が20歳ならば、商品の選びやすさ、資金の引き出しやすさから「つみたてNISA」を優先して検討するでしょう。iDeCoのスタートは「つみたてNISA」の上限を使い切った場合、または60歳まで引出せないけど将来のために確実に資産を殖やしたいという気持ちが生じた時でも良いかと思います。

寺野裕子 てらのファイナンシャルプランニングオフィス代表 CFP ・1級FP技能士、投資助言業
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。FP Cafe登録パートナー

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