はじめに
「足りない」だから「運用する」
こちらは、65歳から年金を受給してゆとりある生活をしようということで、実際に自身の生活費を13万円ずつ毎月取り崩した場合の試算です。
一番左上に書いてある通り、3,000万円を用意して、預金の金利は今ほとんどついていませんので0%だと仮定して、13万円ずつ毎月取り崩していくとどうなるか。それが灰色の線グラフです。何歳までもつでしょうか。65歳から取り崩していくと85歳までもたないです。長生きリスクに対応するためには、やはり3,000万円では足りません。
だから運用しなければいけないのです。灰色の線グラフの右側に伸びた線を見ていただくと、これは3,000万円を年率4%で運用できた場合です。あくまでも仮定ですが、3,000万円を年率4%で運用すると何歳まで資金が持つのか。101歳ぐらいまでご資金が持つことになります。
いつまで長生きするか分からない。これを「長生きリスク」と言いますが、ここに対応するためには、ざっくり3,000万円ぐらい用意して4%ぐらいで運用するとぴったりだということです。欲張って5%、10%という形でやってしまうと当然リスクが大きくなります。
ですので、我々が今日紹介する投資信託に関しても、5年の景気サイクルで年率4%リターンを目指す、という目的で作っている商品になります。
実際にこれから積み立てよう。3,000万円貯めてみようという方のためにスライドをもう1枚ご用意しています。
ご覧いただくと、これは仮にですが、40歳からということで20年間のグラフにしています。毎月4万円を20年間積み立てていくという試算です。実際に40歳から4万円ずつ20年間積み立てると、ほとんど金利0%で単に預金だけしていくとなると960万円です。1,000万近く貯まるわけです。
ただ、もし4%で運用できれば、実際にはおよそ1,460万円になります。3,000万円に足りないじゃないかとなりますが、4万円ぐらいが実際積み立てられる金額だろうということで試算していますが、実際にはここに退職金を加えてもらいたいのです。人によって退職金の有り無しがありますけども、一応4%で運用できればおよそ1,500万円です。1,500万円くらい貯まって、もし退職金が入ってくれば大体3,000万円ぐらいご用意できるという一つの試算ですので人によって異なりますが、少なくとも4%で4万円ぐらい積み立てていくと、うまくいきそうだなということです。
株や債券で運用するということ
投資信託の話に入る前に、実際に投資信託を使わず、株や債券で運用した場合は過去どういう動きなのか、今後どうなるのかという話を少ししていきたいと思います。
左側は過去約15年間のいわゆる債券ですね。日本とアメリカの10年ものの国債の利回りを記載しています。長期金利の推移ということで記載をさせていただいています。右側が株式市場の動きです。
債券の場合
左側の折れ線グラフに注目してください。
過去見てみますと、実際に米国債は4~5%ぐらいまで金利があった時代があります。ただ足元は米国債も2~3%です。でも米国債は当然のことながらドルベースの運用になります。皆さんは円で生活しますから、円で利回りを見なければいけない。
しかも今後、金融政策によって金利が上がる、ということなのです。2015年以降、アメリカが実際に政策金利を上げることになりました。皆さんご存じかと思いますが金利が上がると債券の価格は下がります。つまり、元本自体が下がる可能性があるということです。ですから利回りだけではなく元本も加味して上がり下がりを管理していく必要があるのです。
実際に2008年のリーマン・ショックの後からずっと金利は下がってきました。日本もアメリカも金利はどんどん下がってきました。当然、日本国債なども利回りは全然得られません。4%なんか無理。そんな時代です。今買っても金利が上がったら債券価格は値下がりします。
米国債も今、大体2.9%ぐらいの利回りがありますけれども、今後の金融政策を鑑みると厳しい。かつ3%あるといっても米ドルベースですから、為替ヘッジという手段を使うとほとんど利回りが残らない。そんな状態になっています。
株式の場合
株式市場も少し見ていただきたいのですが、2006年末から2010年末という目盛の間にリーマン・ショックが起こっています。100年に一度と言われた経済ショックでしたけれども、実際、株価はどのぐらいになっていますか?アメリカも日本も実際に200以上あった目盛が半分ぐらいになっている。リーマン・ショック前に一気に株が上がっていたのが、どーんっと下がったのです。ただ、うれしいことにその後すべて上がっていきました。今後も何があるか分からない。そんな環境です。
株だけだとやっぱり怖い。上がればいいのですけども、今後人生100年時代などといって、10年、20年、資産運用をしようとしたときに、本当にこれだけでいいのだろうか。安定した運用をすることも必要なのではないか。
運用するたびにリーマン・ショックのようなことが起こってしまったら株価は一気に下がってしまいますから怖いですよね。そこで運用をやめてしまう方もいらっしゃいます。下がって怖いからやめるという方もいらっしゃいます。株価が戻ってきたら戻ってきた段階で、また下がるかもしれないから怖いから売る。そういう方もいらっしゃいます。もともとの運用の目的は何だったのかをみんな忘れてしまうのです。
だから、目的・目標をしっかり持って投資信託を買い付けいただき、長期で保有していただく。積み立てたい方は積み立てていただいて、取り崩す方は取り崩していただく。しっかりとしたシンプルな資産、自分でも分かるような資産に投資する。そんな投資信託で運用していただくのが一番いいと思っています。