はじめに
「リスクを抑えること」のリスク
2016年12月末からご覧ください。赤い折れ線グラフが日本国債、日本の債券の指数です。
これが上がっていると儲かっている、下がっていると損している、ということです。日本の株式はぐんぐん上がっていますけれども値動きが大きい。リスクとは上がったり下がったりする資産の振れ幅のことですが、どちらのリスク大きいですか。パッと見たときに株ですよね。ただ、値下がりが怖いからといって、リスクばかり見ていてもしょうがないのです。
実際、ご自身の資産運用に必要な利回りは4%と先ほど申し上げましたが、4%得られているかどうかがポイントです。2016年12月末から見ていますが、債券が全然上がっていない。増えていない。中には、投資信託だとリスクを何%に抑える運用などもありますが、確かにリスクを抑えていていいのかもしれませんが、実際にリスクの低い資産でコントロールしようとすると、債券がどうしても多くなってくる。現金とか債券だけ入れたらリスクは低くなるのです。
でも、皆さんの必要なことはリスクを抑えることだけじゃないのですね。目標に対してどう増やしていくかが目的ですから、実際にリスクが低いまま下がってしまうとどうしますか。金利がどんどん上がって、リスクが低いものの債券価格が下がってしまうとどうしますか。リスクを見るだけではリターンは得られないということです。かといって株ばかり入れるのも怖いですよね。
だからプロにお任せをして資産価格の方向性を予測するような機能がついている投資信託を我々は開発しました。そういう投資信託でリスクをうまくコントロールしながら上昇、下落を確率的に予測するような資産運用が必要なのではないかと思っているのです。
最大下落率を抑える
最後のポイントは、資産運用するにあたっては最大下落率を抑えることです。
実は最大下落率を抑えることが非常に大切なのです。なぜなら大きく下がると戻りにくい。下落する前の価格に戻すのに、より大きなパーセンテージが必要になるのです。1万円だった基準価格が仮に50%値下がりしたらどうでしょう。5,000円になった後、戻るのに必要なのが何%かというと、実は100%なのです。もし10%で値下がりを抑えていれば、また1万円に戻るためには11%でいいのです。ですからリスクをとにかく抑える。最大下落率を抑えることが非常に大切なのです。
人生100年時代だという話をしましたけれども、3,000万円用意してかつ年率4%のリターンを得る場合、資産運用の大切なポイントは何なのか。リスクを抑えること、リターンを得ること、そして最大下落率を抑えること。そのようなところをポイントにして資産運用をしていただきたいと思っています。
ターゲット・リターン戦略ファンドとは
我々は、皆さまの生活、ご家族とご自身の生活を守るために、自分でも買いたい投資信託「ターゲット・リターン戦略ファンド」を開発しました。2017年の12月21日に設定、運用しています。
特徴1: 配分比率は「4:4:1:1」
先ほどもお伝えした通り、資産は「見える(理解している)」ことが非常に大切だと思います。皆さんが理解できないものを買って、本当に大丈夫でしょうか。
心配になりませんか? 今上がっていればいいですが、下がるときは必ず訪れます。いろいろなことがある中で心配になったときに、ちゃんと自分で確認できるかどうか、理解できるかどうかは非常に大切です。
「ターゲット・リターン戦略ファンド」の投資対象は、先進国の債券、日本の債券。そして先進国の株式、日本の株式。この4つの資産と現金です。全部下がってしまうときもありますから、現金も入れられる機能を付加しています。そして皆さん円で生活していますから、為替の影響は抑えるような工夫をしています。
基本の組み入れ、基準の配分比率というものがありますが、基本は4:4:1:1です。先進国の債券が4割、日本の債券が4割、先進国の株を1割、日本の株式を1割ということで、株は基本2割、債券は8割にしています。ここで基本的にはリスクが抑えられます。債券を資産の8割にして資産価格の振れ幅を抑えている。でも、株でリスクを取っていかなければいけないので2割入れているということです。
ただ、これだけだったら能がないので「ターゲット・リターン」なんて言えません。ターゲット・リターンと言えるのは理由があります。それは何か。上がるか下がるかを確率的に予測する、そんなモデルを開発したからなのです。
実際に、当社開発のモデルを使って毎月資産の方向性を判断していきます。毎回投資判断をしていくのですが、株は先進国の株の配分比率をプラスマイナス10%にできる仕組みです。日本の株もプラスマイナス10%。このモデルは毎月マクロ経済環境とマーケット環境のデータを徹底的に分析し、資産の方向性を予測して、4つの資産の配分比率を決定しています。