『0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方』の著者・鶴見済さんに、前回 に引き続き、お金に依存しない新たな生き方について伺います。鶴見さんの提案する小さなアクションに秘められた、「将来の不安」を減らすヒントとは?


人に頼れない現代人の孤独

──前回「生きにくい現代人の心のゆるめ方『0円で生きる』とは」で、お金は人間関係の省略であるというお話を聞かせていただきました。頼る人がいなかったり煩わしい人間関係を省くために、お金を払う人も少なくありません。

たとえば、引っ越しやお葬式なども昔は近所の人に手伝ってもらっていましたが、今はお金を払って業者にやってもらうことが主流。キャッシングが儲かるのは、人に頼むくらいなら、高い金利でも……といった世の中の流れもあるようです。

では、どうやってそこを乗り越えていけばいいのかというお話を後半では伺いたいと思います。

鶴見(以下同):あらかじめ断っておくと、お金なしで何でもできるようになるということはありえませんし、自分が言っているのは無料でできる領域を広げようということです。そのためには、無料で貰うだけでなく、まず自分から動いて「あげる・もらう/貸す・借りる」の循環を作るのがいいと思います。

かつての贈り物も、経済というより相手と関係を持とうとしてする行為でした。思い切って贈って、相手がお返しをしてくれた時にいい関係が成立する。

物品をあげるとなると少しハードルが上がっちゃうので、部屋を貸したり、ものにこだわらなくても、たとえばちょっと協力するとかでもいいんですよ。あと、一緒に行きませんかなどと頼みごとをしてみること。

頼むって、実は頼まれるより心理的ハードルが高いんです。迷惑に思われるかもしれないと思うとなかなか踏み出せない。

でも、自分が頼まれる側だと思えばそんなに嫌な気持ちにはならないはずだし、頼んだり頼まれたりするのが当たり前になってくると、割と大丈夫だということがわかってくるものです。

助け合いのやりとりに慣れるためには、まずは小さなことからやってみるのがいいかもしれません。