はじめに

ライフイベントに優先順位をつける

収入から支出をひいた年間収支、年間収支を合計した貯蓄残高は、いくらになりましたか。

ゆとりある老後には1億円必要ともいわれていますが、公益財団法人生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額平均22万円、ゆとりある老後生活費は平均35万円となっています。65歳から85歳まで、老後を20年間生きると仮定すると、最低限の生活であれば夫婦で5,280万円、ゆとりある生活であれば8,400万円が必要という計算になります。

これらの金額から、将来受け取れる年金見込額を差し引いた金額が、現役時代に貯めておきたい金額です。年金見込額は、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」で試算ができます。

もし老後の必要資金に足りない場合は、ライフイベントの見直しをしましょう。この機会に生活費を見直し、節約するのも大切です。

支出を減らすのが難しければ、収入を増やす方法を考えましょう。育児休業後にフルタイム勤務に戻すタイミングを早めることや、副業が認められる会社であれば、副業で収入を増やすのも一案です。

定期的なマネープランの見直しを

夢を詰め込んだプランから、現状で達成できそうなプランへのつくりかえはできましたか。これが、現時点での家計予算となります。

子供の習い事で予定外に費用がかさむこともあれば、私立学校に通わせる予定が公立学校に進んだために支出を抑えられることもあります。病気や転職で収入に変更が生じる場合もあるでしょう。税金の住宅ローン控除の適用期間が終われば、住宅ローンの繰上げ返済を行う可能性もあるかもしれません。

マネープランは実態にあわせて、早めに見直しすることが大切です。できれば年に一度見直しできるのが理想ですが、2~3年に一度でもよいので、実態にあわせて微調整をしていきます。軌道修正は、早ければ早いほどいいのです。

退職間際に老後資金の不足を心配しなくてすむように、適時に家計収支、貯蓄残高を見直し、もしプランが達成できないのであれば、収入を増やすなど先に対策することができるからです。

一旦マネープランを作成できれば、その後の微調整は自分で行えます。数字が苦手な人は、最初はファイナンシャルプランナーなどの専門家に作成してもらうのもひとつの手。

作成の際には、旅行や趣味などの「お楽しみ予算」を盛り込むことも忘れないでください。

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