はじめに
投資の原則 分散投資を怠るなかれ
有名な投資の格言に「卵は1つのカゴに盛るな」がありますが、これは複数のカゴに卵を分けてリスクを分散するおしえです。分散投資の原則は、複数の銘柄や資産、購入するタイミングを分けること。私のNGポイントは資金のすべてを一つの銘柄に投入したことと、時間を分散せず一括で購入したことです。
今だったら100万円が手元にあった場合、将来の教育費としてどんな運用をするか考えてみました。
個人向け国債
運用期間が10年とれる場合、※変動金利型10年満期個人向け国債を検討します。
個人向け国債は元本割れのリスクがなく最低金利0.05%を保証しており、商品タイプは3つ、固定金利型の3年満期・5年満期、変動金利型の10年満期があります。10年の運用期間があれば、変動金利型を選ぶことでインフレ対応ができて最低金利保証もあるので安心です。
※財務省 変動金利型10年
投信積立
運用期間を長くとれれば、教育費の一部を投資で運用するのもありと私は考えます。その場合には、購入タイミングを分散して行う投信積立を検討します。
私が投資で失敗したのは、時間分散が欠けていたこと。残念ながら当時は時間の分散という考えは証券会社にもあまりなかったように思います。勧められる金融商品に投資信託はありましたが、積立ではなく一括購入を勧められたのでITブームの終わりとともに投資信託で資産が半分になってしまったという話は友人・知人からも聞きました。
現在では投信積立を利用すれば、毎月自動引き落としでコツコツと同じ投資信託を購入して時間の分散が行えます。
投信積立のデメリットを考えると、運用のゴール時期に価格が下落した場合、下落幅によっては今まで積み立ててきた合計金額を下回ってしまう可能性があります。価格が上下しながらの推移は運用想定内ですが、ゴール時期の下落には注意が必要。対策として、最終ゴール時期の3年位前から状況をウォッチして、元本割れを避けたいですね。
そのためには、なんとなくではなく目標利回りを決めておくこと。例えば、年利4%で毎月1万円を15年間積み立てすると、元金180万円に利息654,763円になります(※受取時の税金は考慮せず)。
■カシオ運営の便利な計算サイトなども参考になりますよ。
ゴール時期の3年前に既に目標利息分を達成していれば売却して安全な預金にしておくのも戦略の一つです。
なお、投信積立をする場合にはつみたてNISAの利用を視野に。つみたてNISAは2018年1月にスタートした国が国民の資産形成を応援する制度です。つみたてNISAでは一定の投資信託を購入すると毎年40万円を上限に最長20年間、分配金や譲渡益が非課税になります。一定の投資信託とは、長期の積立に適し、かつコスト面でも選ばれた投資信託なので、投資をするのが不安な人にも始めやすいのではないでしょうか。
投資の原則 長期運用で時間を味方に!
投信積立でも言いましたが、長期運用は投資の原則。失敗のポイントは、エンジンを失った船のように漂い続けた結果、無計画な17年の長期投資になってしまいました。本来であれば17年きちんと計画して教育資金の一部を運用することも可能だったとはずです。
投資の原則 複利の力を活かす!
複利の力を活かすには、投資で得た運用益を再投資すること。私の場合、株の配当金を再投資せず振り込まれた普通預金の口座にそのまま放置してしまいました。当時は株の配当金は、配当金領収証を金融機関に持参して現金で受け取る方法と指定した銀行口座に振込してもらう方法で受け取ることになっていました。
現在は、配当金を証券口座で受け取る株式数比例配分方式があるので、必ずこの方式を選択して再投資用の資金としたいですね。また、投信積立の場合には分配金再投資型の投資信託を選ぶことで複利の力を活かせるでしょう。
私もその後投信積立を始めリーマンショックなどの暴落を経験したものの運用利回りでは12年で4%程度となり、これら投資の原則を行う効果を実感しています。
再び値上がり、購入時の2倍に!
最後に2000年9月に2,000円で購入した日特エンジニアリングの株は17年後の2017年2月に 2,000円を回復しました。当初の目的である子供の教育費の準備という用途には間に合いませんでしたが、その後も、株価は上がり続け2017年に売却をして利益を確定しました。17年間で約2倍になったので、元金100万円を複利4%で運用したことになります。
結果として利益確定となり安堵はしたものの、途中でマイナスが増え続けていた時の精神的ストレスはどの程度か想像いただけるのではないでしょうか。
恥ずかしながら私のしくじり体験から、教育費を投資運用で準備するリスクと、現在の投資環境は知識さえあれば賢く運用できることを伝えられれば幸いです。