はじめに

どちらがお得かは借入金利次第

これらのシミュレーション結果を見た限り、住宅ローン減税中に繰上げ返済を行ったほうがお得かどうかは借入金利次第と言えます。というのも住宅ローン減税は借入残高の1%が控除になるので、借入金利が1%より高い場合には、繰り上げ返済による効果のほうが住宅ローン減税の控除より大きくなると言えます。

逆に借入金利が1%より低い場合には、住宅ローン減税を優先したほうがお得と言えます。

ただし、気をつけたいポイントがいくつかあるので引き続き見てみましょう。

借入金額が多いと住宅ローン減税を活かしきれないことも

住宅ローン減税は、所得税から還付されるため借入金額が多いと所得税から控除しきれないことがあります。その場合には翌年の住民税から減額されますが、住民税から控除できる金額には限度額があるため控除しきれない可能性もあります。

つまり、せっかく住宅ローン減税を受けることができたとしても、そのメリットを活かしきれないことになります。

変動金利型の住宅ローンは金利変動に注意

変動金利型の住宅ローンを利用している場合、半年後あるいは固定期間後の金利は確定していないため金利が上がる可能性があります。金利が上がると利息や返済額が増えることになるので、一概に住宅ローン減税を優先したほうがいいとは断言できません。

お得か?だけでは割り切れないことも

お得と言っても「繰上げ返済のタイミングを遅らせるのは不安」、「とにかく早く返済したい」、「繰上げ返済で手元の貯蓄が減るのはイヤ」、など人それぞれ優先したいことは異なります。

また、住宅ローンには団体信用生命保険があるので、もしもの時には残債がなくなると考える人もいますが、一方で万が一働けなくなった場合のローン返済を考えるとなるべく多く返済しておきたいという人もいます。

迷った時には、実際にシミュレーションをしてみることをオススメします。たとえば、カシオ計算機が運営している生活や実務に役立つ計算サイトでは、住宅ローンの繰上げ返済の計算を簡単に行うことができ、会員登録をすれば計算結果を保存できるので複数の返済パターンを比較するのに重宝します。

繰上げ返済に迷っている時には、繰り上げ返済を行うタイミングによる利息軽減額をシミュレーションして住宅ローン減税の控除額と合わせた総額を調べ、自分がどうしたいのかを考えた上でベストプランを見つけましょう。

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