はじめに

Q:よりコストが低い投信を発見。いっそのこと、乗り換えるべき?

A:0.01%程度であれば目をつむっていいが、0.1%違うなら検討。

近年、有力な一部の投信では、顧客獲得のために信託報酬の引き下げ合戦が繰り広げられています。信託報酬は投信の保有中、毎日かかる手数料です。ほんの少しの違いでも、それが数年、数十年にもわたると、大きな差となって出てくることになります。ですから、私たちにとってはありがたいことだといえるでしょう。

そのなかで、これから先、さらに手数料の低い投信が出てくる可能性も十分にあります。そうした投信に、リバランスの際に、いっそのこと乗り換えたいと思うかもしれません。

手数料削減のために乗り換えるという考えは悪くありません。しかし、たかだか0.01%程度の、ごくわずかな違いで乗り換えてしまうのは考えもの。保有中の投信を売るときには信託財産留保額と利益に対する税金、新しい投信を買うときには購入手数料が新たにかかる可能性があるからです。これらの額が信託報酬の削減額よりも多くなってしまうようでは本末転倒です。

信託報酬がおおよそ0.1%以上削減できるようならば、10年、20年と長期運用の面では有利になります。コストをよく比較して、信託報酬の効果が大きいときだけ乗り換えるといいでしょう。

Q:つみたてNISAで買った投信はどうやってリバランスする?

A:毎月の積立金額の配分を変更して時間をかけながら調整しましょう。

つみたてNISAは、金融庁の基準を満たした投信を積立投資で買うことで、得られた利益に対する税金を非課税にできる制度です。

非課税にできる投資の金額(非課税枠)は最大で年40万円、20年間で800万円分。利益に対する20.315%の税金が非課税になるのですから、できるだけ活用したほうがいいでしょう。

しかし、つみたてNISAの非課税枠は、一度使うと再利用ができません。つみたてNISAで買った投信を売ると、非課税枠が減ってしまうため、値上がりした投信を売って値下がりした投信を買うリバランスをするのは損になってしまいます。

さらに、年40万円までという非課税枠の上限があるため、値下がりした投信を買い増すリバランスもしにくいのです。それでもリバランスをしたほうがいいという場合には、投信ごとの積立金額を見直してみましょう。運用の結果、当初の配分比率から増えた投信の積立金額を減らし、逆に減った投信の積立金額を増やします。

こうすると、当初の配分比率に少しずつ近づくことになり、リバランスをしたのと同じような状態にすることができます。

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