はじめに

30代は家計のやりくりと調整 先送りしないことが大切

30代は基本的に、20代と同じ手法・心持と考えて良いのですが、既婚者や子供のいる家庭の場合は、教育費や生活費の支出とのすり合わせを考慮しなければなりません。

20代であれば、あまり先のことを考えずにとにかく「始めてみる」という事が大切でしたが、30代であればある程度の計画性を持って始める必要が出てくるかもしれません。(逆に言えば、20代であれば凝った計画はそれほど必要ではない、という事です)

家計を診断し、収入と支出のバランスを確認したうえで、さらに子供のいる家庭の場合は今後の教育費の計画も視野にいれ、継続可能なプランを算出する必要があります。ここで多くの方が陥る事ですが「できない理由」を探すのではなく「どうしたらできるのか、いつならできるのか」を、明確にする事です。

やはりこの年代でも、先送りすることは賢明ではありませんので、これは筆者の口癖ですが「できることを、できる限り、できる時にやる」という心持で行動してください。

20代のころよりも収入が増えているケースが多いと思われますので、以前より節税効果を考慮した運用制度を使うのがよいでしょう。

【参考プラン】
●月々積立での運用:2万円×約30年…教育資金にも充当可
●NISAの活用:まとまった資金(50万円~100万円)で株式運用を始める
●iDeCoに加入:毎月2万円(もしくは満額)×約30年

40代はまったなし まとまった資金は有効活用を行う

40代の場合は、時間軸で見た場合、より運用を真剣に考える必要があります。20代や30代のころより、まとまった資産を持っている方が多いので、その分投資未経験者は「一歩踏み出す」のに躊躇される方がいますが、リスクテイク(リスクをとってリターンを得る)を行わない方が、むしろ「リスク」であることを、再認識すべきです。

預金で置いて置くよりはマシ、という理由で、外貨での一時払の保険商品に、銀行や保険会社が勧められるままに加入される方を多く見られますが、一括での外貨のみでの運用は、ベストな選択とは言いがたいところです。外貨は成長資産ではないからです。

この年代では、保有資産額と毎月のキャッシュフローによって、提案が大きく異なりますが、いずれの場合でも成長資産である株式を、50%程度ポートフォリオに組むのもいいでしょう。

40代とはいっても、現役世代がこれまで「60歳定年」であったところ、今後現役で仕事を続けられる年齢が70歳や、定年という概念がなくなるような将来を考えれば、十分に時間はあります。また、変化のスピードが速い時代ですから、積極的に情報を取得し、学ぶ姿勢の必要性は、20代・30代となんら変わりありません。

今後、iDeCoの運用期間が60歳以上へ引きあがることを考慮すれば、40歳からでもiDeCoの活用は十分に有効です。

【参考プラン】
●月々積立での運用:2万円×約20年
●NISAの活用:まとまった資金(100万円~500万円)で株式購入
●10年以内の運用:まとまった資金(100万円~500万円)により債券などで株式よりも安定した資産を作る
●iDeCoに加入:毎月2万円(もしくは満額)×約20年

20代・30代・40代いずれの場合も、自分の資産は自分でつくるという考えを持つことに、変わりはありません。

また、お金という概念が今後20年以降、今と同じ性質や意味を持つかどうかはわかりません。「現預金」以外の資産に変えておくことの他、これまでの固定概念が変わるとき、フットワークよく動けるように、日々経済の動きを見る習慣をつけておきましょう。

この記事の感想を教えてください。