マイホームを購入する人の平均年齢は40歳前後であることから、住宅ローンの返済を予定通りに行うと、定年後も支払いが続く人も多いことでしょう。

定年後を考えた時に、住宅ローンは60歳までに完済した方がよいと考える人も多いかと思います。

しかし、定年の時点でもまだまだ教育費などの出費がかさむ人も多いかと思います。そもそも、住宅ローンを定年までに払い終えることにこだわるべきなのでしょうか。

今回は、住宅ローンの完済時期について考えてみたいと思います。


ベストシナリオは60歳までの完済ですが…

一般的には住宅ローンの完済は60歳までにした方がいいと言われています。なぜなら会社員の場合、65歳まで働ける環境は整いつつありますが、60歳以降は継続雇用となり給料が半減するなど収入が落ちる可能性が高いからです。

また、男性で生年月日が昭和36年4月2日以降の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給開始は65歳となります。60歳から65歳までの収入をどう確保するのか?頭を悩ますところでもあるため、完済できるのであれば60歳までがベストシナリオと言えます。

たとえば、40歳で住宅を購入した場合、35年ローンを組むと完済年齢は75歳になります。60歳までに完済するためには、15年の期間を短縮する繰上げ返済を行う必要があります。

しかし、子供がいる場合には教育費がかかる時期と重なることもあり、繰り上げ返済を行うのは難しいご家庭も多いことでしょう。無理に繰り上げ返済を行い60歳時点で現金が手元に残らないというのでは本末転倒です。

というのも筆者が行っている家計相談の現場では、「60歳までに完済」というキーワードに縛られて繰り上げ返済を行おうと意気込んでいる人は多くいらっしゃいます。

間違えて欲しくないのは、住宅ローンを60歳までに完済する本来の目的を見失わないことです。多くの人は老後の主な収入は年金になると思われます。そのため住宅ローンの支出が続くのは家計リスクが高いと言えます。

一方、60歳で住宅ローンの繰り上げ一括返済を行い手元に現金が残らないとしたら、それも家計リスクが高いと言えます。

家庭の状況により完済を目指すべき時期は異なる

60歳までに完済をした方がよいのか?はそれぞれの家庭の状況によると筆者は考えます。家庭の状況については、資産状況や老後のお金の使い方やライフプランなど総合的に考える必要があります。

まずは60歳時点のローン残高を確認しましょう。残高と資産状況により、一部繰り上げ返済か一括返済を行うかを検討します。現在の借入金利が高い場合には借り換えメリットがあれば借り換えも含めて検討することをおすすめします。

一部繰り上げ返済は2種類ある、どちらを選択すべき?

一部繰り上げ返済には2種類の方法があります。毎月の返済額を変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」と返済期間は据え置いて毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」です。

一般的には利息の削減効果が高い「期間短縮型」を行う人が多いのですが、60歳で繰り上げ返済を行う判断基準は老後の家計が上手く回るかに尽きます。

たとえば65歳まで大きな収入減少がなく働き続けることができそうなら、60歳で「期間短縮型」の繰り上げ返済を行い65歳で完済するプランを検討します。

逆に60歳以降は給料が減ることが明らかで現在の返済額で払い続けるのは厳しい場合には、「期間軽減型」の繰り上げ返済を行うプランを検討します。

その場合、いくらを繰り上げ返済に回したら良いのか?については家計のキャッシュフロー表を作成することをおすすめします。詳しくは後ほどお話ししましょう。