はじめに

22万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターが、住まいの悩みに答えるシリーズ。今回は、住宅・不動産総合サービス「SUUMO」の田辺貴久・副編集長がお答えします。

【相談者のお悩み】
大阪府に住む32歳の会社員です。離婚したため、ひとりで4歳の息子を育てています。息子が小学校に入学するタイミングで、住宅を購入したいと思っています。ですが、購入にあたって2つの不安があります。


1つは、今後再婚を視野に入れずに「息子と2人で暮らす家」と決めて家探しをしたほうがいいのか、という点です。今は再婚の予定はありませんが、息子と2人で暮らす家を買ってしまうと、もし再婚するとなった場合に持ち家が足かせにならないか心配です。


2つめは、今のところは家賃を払いながら息子を育てていける仕事と収入がありますが、収入源が自分ひとりなので、病気など、もしもの時に収入を維持できなくなり、住宅ローンを払えなくなったら……などのお金の不安もあります。


このような不安がある状態では、購入するよりも賃貸のままのほうがいざという時に対応がしやすいのでしょうか。


【相談者プロフィール】
・本人:32歳(会社員)
・家族:長男(4歳)
・現在の住居:賃貸マンション(大阪府・40平米・2DK・賃料6万円)

田辺: ご相談ありがとうございます。今回は「将来の見通しが立てにくい場合に賃貸と購入のどちらが有利か」をポイントに考えてみましょう。


状況が変わっても無理なく払える住居費

住宅を購入するにあたって、仕事や収入、お子さんの学校のことなど、将来についてしっかり考えるのは、とても大事なことです。

現状、再婚は視野に入れていないとのことですが、だからといって住宅の購入時期を引き延ばしたり、「再婚した場合を想定して」、たとえば余計に広めの住宅を選択・購入すべきかというと、そうではありません。

住宅を購入後に再婚の話が出て、購入した家に住まなくなったとしても、売却や賃貸に出すなどの選択が可能です。したがって、今のニーズに合わせて住宅購入することをデメリットととらえなくていいのです。

また、将来の収入面の不安もあるかと思いますが、このまま賃貸で住み続けても、買ったとしても、いずれにせよ「住居費」はかかります。重要なのは、無理なく支払える住居費を設定することです。

もしも、病気で長期入院するなど、ローンの支払いが滞る事態になった時、同額の賃料であれば払えるかといえば、そうではありません。普段の住居費設定はどちらがしやすいのか、もしもの時にそれぞれどう対応できるのか、具体的にシミュレーションすると、どちらが自分にとって有利となるか判断しやすくなります。

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