はじめに

2.退職金で住宅ローンの繰り上げ返済を

次に、退職金等で住宅ローンの繰り上げ返済を検討される点は大変良い視点だと思います。住宅ローン減税は10年間のみ利用可能ですから、それが終わる時に繰り上げ返済をする視点も大変良いと思います。

ただ、それまでに5年間あるということでしたので、退職金で入ってくる700万円のうち、100~200万円程度は投資に回してもよいかもしれません。

ただし、株式や債券への投資を既に行っているとした場合には、さらに分散を図るためにREITに投資してみてははいかがでしょうか。分配金をコツコツ享受し、その資金も繰り上げ返済の資金へと活用していくのです。もちろん、REITへの投資は、必ず増えるとはいえませんし、場合によっては損失が発生する恐れもあります。

無難にということであれば、現金で保有するのもよいですが、それではただ寝かせておくことになります。少しでも増やす方法として、個人向け国債や、金融機関で取り扱いのある金利が高めの定期預金、おまけがつく宝くじ付定期預金などを利用し、利息を少しでも多く享受したり、「もしかしたら宝くじで一攫千金?」という楽しみなどを享受されてもよいと思います。

また、株式投資で琉球銀行や沖縄銀行などへ投資することで、株主優待により定期預金の金利を店頭表示金利よりも高く享受する裏技もあります。

沖縄銀行の場合、100株投資(およそ35万円程度、2019年5月24日現在)で店頭表示金利+0.5%(預入金額10万円以上300万円以内、スーパー定期1年もの)の優遇を受けることができます。

琉球銀行の場合には、100株投資(およそ12万円程度、2019年5月24日現在)で店頭表示金利+0.3%(預入金額10万円以上600万円以内、株主優待定期)の優遇を受けることができます。

万が一の場合にいつでもお金を引き出せるようにしておきたいなら、楽天銀行やイオン銀行といったネット銀行では、定期でなく普通預金でも大手銀行より有利な金利があるので、こういういった預け先を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

定期や金利をうまく利用し、コツコツ利息を受け取っていくのもよいかもしれませんね。いずれにせよ、5年後を見据えて着実に繰り上げ返済を行うための資金を確保していく必要があります。

繰り上げ返済はもちろん、教育費の備えも忘れずに

退職金だけでは、住宅ローンの返済がすべて終わるわけではなく、まだまだ残債は残ることでしょう。

そこで、現在貯めている毎月の貯蓄に加え、ボーナスの一部もコツコツ貯めていき、その金額も繰り上げ返済に利用できるように計画していくとよいでしょう。

なお、お子様の学費がかかると思いますので、学資保険以外にもコツコツと学費も貯めていけるよう配分をどうするか検討されることをおすすめします。

最後に、支出額の「その他」が気になります。もしよくわからないまま使っているのであれば、その部分の見直しはぜひ行ってください。

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