はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、貯金ゼロの20代共働き夫婦。週末の外食、コンビニの買い物などで散財し、貯金どころか毎月ギリギリの家計です。どうしたら抜け出すことができるのでしょうか。FPのたけやきみこ氏がお答えします。

貯金がゼロのため、毎月ギリギリの生活です。何かあったときが心配でたまりません。家計は私が管理しています。家計簿をつけたこともありますが、なかなか続きません。最近はクレジットカード使用を控えようと思っています。夫のお小遣いは、必要なときに必要な分だけ渡しています。ただ、なかなか週末の外食を減らせずにいます。そして、つい、その帰りにコンビニに立ち寄り買い物をしてしまいます。お互い転職したばかりで、私はまだ勤めて5ヵ月なので有休がなく、子供が0歳のため健診や病気で休みがちなため、低いときは手取り月9万円ほどです。


〈相談者プロフィール〉
・女性、27歳、既婚(夫:24歳、会社員)、子供1人(0歳)
・職業:契約社員
・居住形態:持ち家(マンション)
・毎月の世帯の手取り金額:31~34万円
(夫:22万円、妻:9~12万円ほど)
・年間の世帯の手取りボーナス額:3万円
・毎月の世帯の支出目安:30~33万円


【支出の内訳】
・住居費:5.2万円
・食費:5万円(外食代含む)
・水道光熱費:2.5万円
・教育費:3.8万円(保育園)
・保険料:未加入(これから加入予定)
・通信費:2.7万円
・車両費:2.8万円
(近いうちに1.3万円に減る予定)
・お小遣い:1~2万円
(夫:0.5~1.5万円、妻:0.5万円)
・その他:5万円(子供用品、ペット代)
・不明:2~4万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:なし
・現在の貯蓄総額:なし
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:なし


たけや: 毎月ギリギリな家計では、毎日の生活におかれましては不安なことでしょう。

家計の現状や優先すべきことをお伝えしつつ、「その他」や「不明」にかかわる支出が7~9万円もあるので、このあたりも手掛かりに回答させていただきます。

あらかじめお伝えしておきたいこととして、ご相談者様の場合、一般的にメリットがある手法も、面倒な手続きや手間がかかる方法では実行されないか、あるいは長続きしないように見受けられました。まず必要なのは、貯蓄残高が増えていくことでモチベーションを保つことと、そこから自信を持てるようにすることです。また、家族のためにお金やリスクの管理をしなければならないことに気づいていただきたいです。

レッドゾーン手前の家計状態

負債はないということですが、家計の収支や消費行動をうかがう限り、クレジットでリボ払いを利用していないか、キャッシングはないかなど、「借入金はないか」という点が、気になりました。負債が本当にないということでしたら、マイナスにはならないがギリギリのやりくりを繰り返している状況のようです。

貯蓄ができないということは、収支のバランスが取れていないということです。その理由には、必要な支出に収入が足りていない、または、不要な支出が重なってしまい予算がオーバーしてしまうなどがあります。

前者であれば、最低限の支出に収入が見合っていないので、収入を増やす方法を考えなければなりません。

後者であれば、不要な支出をなくすことが大切になります。そのためには、「何が必要な支出」で「何が不要な支出」なのかを判断できるようになってください。そうすることで、支出は減っていきますので、家計に余裕が生まれてきます。

不要な支出は、買いたいという気持ちに負けてしまっているのです。どのような時にお金を使ってしまうのか、自分の消費行動のパターンを見つけてください。夫にも協力してもらいましょう。夫婦お二人にそのような行動癖があるのでしたら、不要な買い物をしていないか、お互いに声をかけ合ってみてください。

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