はじめに
所得税と住民税はどのように決まる?
所得税がきまるまでの流れ
まず、所得税はどのように決定するのでしょうか?
税金は、儲けに対して税金がかかります。個人事業者などの儲けは「収入金額」から「必要経費」を差し引いて、儲けである「所得」を計算します。
給与所得者は個人事業者と大きく異なる点があります。必要経費に個人差がないところです。給与所得者は会社の備品、設備、道具を使って労働を提供して、対価として給与を受け取ります。自腹を切ることはあまりないと考えられます。
ただし、スーツが必要だったり、スキルアップのための支出なども考えられ、給与収入に連動した必要経費を概算で計算します。これを「給与所得控除額」といいます。
収入から差し引く必要経費が、自動計算されるならば、本人でなくても計算ができます。利便性と税金の確実な徴収のために、会社が従業員の所得税を計算し、徴収・納付します。
会社は従業員が扶養している家族などの個人的な情報を、「扶養控除等申告書」などで確認できます。所得税は12月の最後の給与の際に計算します。
12月末に結婚すると所得税は?
扶養する家族の状況などはその年の12月31日時点で判断します。極端な話ですが、例えば、ずっと独身だった人が、12月末のクリスマスに結婚して所得の少ない人を扶養する場合、1年間まるまる扶養していたとして、配偶者控除などを所得から差し引くのです。
年末に給与に対する所得税が正しく計算されるまでの1月から11月は、この月給でこの家族の状況であれば、年間の税金はおそらくこれぐらいであろう金額の12分の1を毎月の給与から徴収(源泉徴収)しておきます。
12月末の扶養家族の状況などを組み込んで、税額を計算しなおして調整します(年末調整)。