はじめに
不動産投資も団信に加入
ただ、投資信託と預貯金、保険による資産配分となっており、年収の割にはやや保守的な運用かなとも思われます。そこで不動産投資をご検討されているのかもしれません。
年収が高いため、確かに節税対策として不動産投資を行うというのは一理あります。預貯金もある程度あるため、例えば頭金として100~300万円程度用意することも可能ですし、属性が良いと想定されるため、金利によってはフルローンも可能かもしれません。
また、住宅購入時におそらく団体信用生命保険に加入されていると思います。不動産投資でも一般的には加入することになるため、万が一の際には、お子さまたちの生活費として家賃を利用することも可能です(ローンは保険で返済しますので、そうした面からもメリットはあります)。
都心回帰の現象を考慮して、始めるならワンルーム投資
資産分散という視点からも、不動産投資を行い、家賃収入を得ることは悪くないと思います。減価償却などの費用を利用して節税を図りながら、値上がり益を狙っていくのも悪くありません。注意点は、不動産投資は結局、借り手がいなければ家賃が入ってこないことと、地域活性化が期待できる地域が値上がり益を期待できるということです。
今後、日本全体で人口がじわりじわりと減少していきます。そうした中で「都心回帰」という現象が発生していきます。中心市街地活性化による影響もあると思いますが、大都市部だけではなく、地方都市でも駅前や中心部に人が集まる傾向が強まっています。つまり、中心部では人口維持もしくは増えている地域がある一方、郊外では人が減っていくことが今後想定できます。そのため、中心部での不動産投資に特化された方がよいでしょう。
また、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」によれば、今後一人暮らしが増加し、日本全体で見て、2040年には約40%が単独世帯になると予測されています。東京23区ではおよそ半数が一人暮らしになる模様です。
こうした点を見るとおわかりのように、もし不動産投資をされるのであれば、一人暮らし向けのワンルームなどへの投資がよいかと思います。コスト面では家族向けよりは見落とりしますが、借り手が多いという観点からは一人暮らし向けの方がよいでしょう。
なお、ご相談者の方のように、不労所得・節税両面から検討ができる場合はメリットは大きいと思います。しかしながら、最終的には地価の影響を受けるため、今後も地価上昇が見込める、または維持が見込める地域に的を絞って検討してください。
最終的には3人のお子さまに残すことなどを考えられるのであれば、3戸など区分けできる投資の方がよいかもしれませんね。
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