はじめに
それでも投資をするなら、分散投資の拡充を
さて、このような状況のため、仮に他に運用をしなかったとしても生活に支障が出にくいため、これ以上何もしなくてもよいという結論を出すことも可能です。
ただ、相談内容から見て、相談者はどちらかといえば投資を増やしたい気持ちが強いように思います。もし運用を追加して100歳安心プランを構築したいということであれば、コツコツ収入を得るインカムゲインを得ることを中心に投資されても良いと思います。
例えば現状、株式に偏っている投資比率だとしたら、外債など債券型の投資信託を組み入れ低下させます。株式や投資信託の中身がわからないため、なんとも言えない部分もありますが、地域・時間両面からの分散を図れるような投信の選定を行ってみてはいかがでしょうか。
海外の比率を高める、不動産投資信託(REIT)による分配金収入を狙うといった形で、分散投資を拡充します。仮に毎月貯蓄できている30万円のうち10万円を海外投信と不動産投信に5万円ずつ5年間行ったとすると、運用状況によって比率は異なりますが、株式に偏った投資ではなくなるでしょう。そうしたリスクを軽減しつつリターンを得ていくスタイルがよいのではないかと思います。
消費増税を逆手にとって恩恵を得るのもアリ?
この他、安定を好まれるのであれば、金に投資するのも今であればよいのではないでしょうか。
世界を見てみると、政策金利の引き下げ等金融緩和を行う国が増えてきています。金利の低下は金にとってプラスとなります。もちろん、不動産にもプラスとなります。
また2019年10月以降、消費税の引き上げに伴い日本国内で金を売却する場合には、消費税を10%上乗せして売却することになります。9月に少し金を買っておき、消費税のプラスの恩恵を受けられるようにしてもよいかもしれません(といっても時間はあまりないですが)。
金と不動産投信を組み合わせて、今後の上昇を期待してみてはいかがでしょう。相談者の場合、こうしたその時々の情勢に応じて多少運用方法を変更していくことも考えていかれるとよいのではないかと思います。
老後は「楽しみ」にお金を使っても◎
そして、家族旅行ですが、70歳までと言わず、好きなときまで行かれてはいかがでしょうか。行けるときにいっておくのが老後の楽しみです。
切り詰める必要があるご家庭ではありませんので、リタイアメントプランにご自身、ご家族の楽しみも追加してみてください。取り崩すのが不安と思われるかもしれませんが、9000万円以上ありますから年間100万円の楽しみは継続された方がよいと思います。
「貯蓄が善、使うのが悪」と考える必要はありません。ある程度運用を継続して増えていくのであれば、その分使うことも考えてみてください。60歳で引退も可能ですから、これまでがんばってきた分、時間をうまく利用していくことも考えられるとよいでしょう。
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