はじめに

教育費は「公立高校・私立理系・自宅通い」の予算に抑える

住宅ローンの繰上げ返済、老後資金の準備を優先したライフプランを立てる場合は、お子様の教育費は、高校は公立、大学は私立理系にかかる教育費の予算内に抑えておかれる方が安心です。

現在、年間128万円もの貯蓄ができています。そのうち、42万円は老後用の積立てもかねて米国建ての保険料にあてられるため、実質、年間収支はプラス86万円です。

お子様の教育費がかかるのはあと9年、図表②のキャッシュ・フロー表から、年間収支がマイナスになるのは、長子が大学生の間の4年間で、貯蓄の取り崩し総額は約350万円です。準備済みのお子様の学資保険500万円で十分カバーできます。

学資保険で残った資金の一部は、車の買い替えや自宅の修繕費など、突発的な支出に活用できそうです。

図2

なお、お住いの地域によっては、他県への大学進学率が高く、仕送りが必要になる場合もあります。

教育費の予算枠を超える分については、奨学金を活用することも検討してください。将来、ご自身のセカンドライフの資金準備が完了し、余裕資金があれば奨学金の返済を支援していく、または、支援できるように定年退職後の就労計画を立てていただければと思います。

介護にかかる費用はいくら?制度をフル活用して

公益財団法人 生命保険文化センターの調べ(平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用のうち、住宅改修や介護用ベッドの購入など初期費用の平均額は69万円、介護保険サービス利用時の自己負担分や流動食・配食サービスなどの介護食費、おむつ代などの月額費用の平均額は、在宅の場合で月額4.6万円となっています。また、介護を始めてからの期間は平均54.5ヵ月、だいたい4年半となっています。

介護が必要になったら、まず介護保険サービスが使えます。これまで支払ってきた介護保険料がようやく役立つときです。ご両親の年金収入であれば、図表③の月額限度額までなら、1割負担でサービスが利用できます。

限度額内では収まらない場合は、ご両親の年金や資産の許す範囲で、介護保険適用対象外の家事代行やホームヘルプサービスを利用するのも一考です。料金は、概ね1時間2000円~4000円程度。心身ともに「疲れない介護」を心掛けてください。

図3

実際、在宅介護をされている方の中には、介護が必要になることで増える支出がある一方で、お金を使わなくなり、結局、自立していた時と比べてそれほど支出が増えなかったという話しも耳にします。

この機会に、一度、ご両親の家計や資産状況、加入している保険なども把握しておきましょう。経済面で不安があるようなら、車のローンが終わったら、その分を介護や病気に備え積立ててもらうなど、ご両親と話し合いをしてみてください。

また、国は、介護離職を防止するため、仕事と介護の両立支援制度を整備しています。介護休業給付金をはじめ、介護休暇・介護休業など、事前に制度の詳細について職場で確認しておくと安心です。

健康第一、ひとりで抱え込まずに

一家の大黒柱であるご相談者にとって、健康でいることがなによりも大切です。ストレスが溜まらないように、家族に協力してもらい、ご自身のための時間を作ることも心掛けてください。

まだまだご両親もお元気かと思いますが、介護のサポートが必要になったら、ご近所の方や役所、職場に相談し、お一人で抱え込まないようにしてくださいね。

※今回、概算で計算させていただいたキャッシュフローをもとに、貯蓄目標の金額を算出しております。前提条件が変われば結果も異なりますので、あくまで、今後のライフプランを立てる上で、考え方などを参考にしていただければ幸いです。より正確なプランニングをご希望の場合は、お住いの地域のFPに相談されることをおすすめします。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

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