2019年11月17日、お金に関連したあらゆることが学べる、年に1度のイベント「お金のEXPO2019」が開催されました。今後のマーケット見通しや、資産形成のノウハウ、不動産投資をテーマにした講演など盛りだくさんの内容となりました。

その中から、コムジェスト・アセットマネジメント 渡邉 敬マネジャーによる「投資したお金の行方〜クオリティグロース企業への長期投資」の講演内容をお届けします。

運用会社に求められる役割

運用会社の目標は、お預かりした資産を増やすことが第一の目標です。前段で触れた通り、調査・分析を通じて、持続的に高い利益成長が見込まれる企業を発掘すること、そういった企業の持続的成長が可能となるように、投資先企業と対話を重ね、支えることが運用会社の役割になります。

投資先企業にこちらから情報提供を行うことで、持続的な成長を支援したり、また、議決権の行使も、お客様の大切な資金をお預かりしている、投資家としての責務となっています。

したがって、当社は、優良な企業だけを見つけて、投資をして終わりではなくて、その成長を支えるプロセスまでも、運用会社の役割だと考えています。

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具体的にどういったことに注目して企業を探しているのか、この六角形で示しています。

まず、投資企業がどのようなビジネスモデルなのかを精査します。成長する企業なのか、成長するとしたら持続的な成長が可能なのか。また、財務状況は健全か、どんな経営陣が経営しているのか、競合他社との違いはどこにあるのか、高い参入障壁を持っている企業なのか、といったことを調査します。

財務分析では、その会社が財務資本をいかに有効活用しているか、キャッシュをどのように創出しているか。また、どのようなサービスが、どの地域からどういった利益を上げているのか、為替感応度はどの程度なのか。借入があれば、どの通貨に対しどれぐらいなのか、多岐にわたる項目を細かく調べ上げていくのが財務分析になります。

市場調査、競合調査では、グローバルに活躍する企業が多くありますので、日本の企業を調査する場合でも、海外の調査を担当している担当者と一緒に競合他社の訪問や、工場見学なども実施しています。

実際、当社が運用している日本株式ファンドでは、朝日インテックという医療用のガイドワイヤーを作っている会社に投資していますが、ドイツやアメリカのドクターに対し、なぜ自国の製品を使わずに、朝日インテックの製品を使っているのか、という取材・調査も行っています。

足を使った企業との対話

市場調査・競合調査・財務分析ももちろん大切なのですが、当社は、長期投資について最も重要なことは、経営者、従業員、会社の方と実際お会いして話をすることだと考えています。

長期的な人材育成をどう考えているのか、経営者や後継者問題をどう考えているのか、会社の3年、5年、10年後は、どういったイメージをもっているかなど、実際にお会いして、話を聞くということが、非常に調査の中では大事になってきます。

また、経営者にお話を聞くだけではなくて、現場の人たちがどのように経営者の思いをとらえているのか、どういった働き方をしているのか、といったことまで調査することが非常に大切です。

金融機関のイメージというと、パソコン画面に囲まれたきれいなオフィスのデスクワークをイメージされるかもしれないですが、こういった足を使った情報収集が、長期的に成長できる会社であるかを判断するうえで、とても大事なことなのです。

当社は、投資判断を1人に任せることにはリスクがあると考えており、考え方が偏っていないか、見落としはないか、チームでの議論と意思決定の全員一致が、大事なことだと考えています。

よって、投資判断は、机の上で終わるものではなく、足を使って情報を収集し、徹底的な議論を行う、といったことが重要になります。

対話については、めまぐるしく変化する環境の中で、企業の将来の成長に影響を及ぼしうることのうち、財務分析や会社の開示レポートだけでは読み取れないことを、ここで挙げております。

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上図をご覧いただくと、投資をする際に、情報として表には表れないことを、実際に聞くことがいかに大事なのか、ご想像いただけるかと思います。

投資する時点ですべて完璧に取り組まれている企業はありません。投資を始めてからも、こういった問題に対しては、どのように取り組んでいるのか、どれぐらい進捗しているのか、確認していくことが、非常に重要だと考えています。

運用会社のミッションは、お預かりした資金を投じて資産を増やすことです。イチかバチかの投機やマネーゲームに乗じるのではなく、堅実に調査を通じて成長企業を発掘し、対話を通じてともに成長を目指すというのが、運用会社の考え、役割、責任になります。