はじめに

運用するなら分散投資でコツコツと

運用をしたいと強くお考えであれば、投資信託や個別株でも構いません。ただ、ご相談者様の意向から考えると無理されなくてもよいと思います。

仮に運用をされるならば、積み立て投資でコツコツがよいと思います。例えば、つみたてNISAを利用していただき、年間でトータル40万円前後の運用を行ってみてはいかがでしょうか。毎月の貯蓄から3万円を積立投資にまわすのです。

その際に、時間分散、地域分散を心がけます。基本的には、世界全体にまとめて投資する投資信託か、米国に投資する投資信託のいずれかの選択を行うとよいでしょう。世界全体の経済は年率3.5%前後で成長しています。その果実を取りにいくのです。

また、米国のみを選択する方法でもよいと思います。結局のところ、10年程度で考えると米国の力は世界で見てもそこまで衰えるとは思えません。成長する先進国の筆頭として米国株式投信に投資するという選択肢もあってよいと思います。

この他、中長期的に見て伸びしろがある国には、インド、中国、インドネシアをあげることができます。これらの国は、人口大国であるという共通点があります。人口大国の場合、消費面で成長余力があるため、今後も期待できるといってよいでしょう。

なお、注意点は、先進国に比べると政治面、制度面などで劣る部分がある点です。とはいえ、これらの国はほかの新興国に比べればこうした面でのリスクは低くなってきていると思います。もちろん、米中の関税問題など国際的な問題により景気が低迷する可能性がある点は注意しておきましょう。そのため、複数の国にわけて投資を行うか、まとめて投資ができる投資信託を買っておくとよいと思います。

“有事の金”も選択肢のひとつに

もう一点付け加えるのであれば、何かあった場合の備えとして、金などの貴金属に投資する投資信託もご検討されるとよいかもしれません。

昔から“有事の金”といわれるように、何かあった場合の備えとして世界では金を保有される傾向にあります。すぐに何かあるわけではありませんが、仮に世界経済が不安定になったり、戦争などのリスクが高まるといったことが生じる場合には金投資は有効といえます。

パラジウムも、車の触媒に利用されるなどの需要により価格がかなり上がっています。これに引きずられて、足元ではパラジウムの他、プラチナなども上がる傾向にあります。まとめて購入されるというよりは、これも毎月コツコツ買っていかれるスタイルでよいと思います。基本は金投資でよいでしょう。

貴金属に関しては、積立投資で投資信託を買う方法もありますし、通常の積立投資で現物を買っていくスタイルでもよいと思います。

こうしてリスク分散をはかりながら、将来に備えてみてはいかがでしょうか。ぜひ普段の生活も楽しみながら、運用も楽しむ設計を行ってください。

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