はじめに

優良銘柄は順張りのほうが買いやすい

――優待銘柄以外は逆張りではなく順張りですか?

はい。成長銘柄を買う時はポートフォリオの中で上がっている銘柄をピラミッディング(購入した銘柄の値上がりに合わせて買います)をしますので、順張りが基本です。また、私は信用取引で買っていきますので、逆張りはリスクが大きいと考えています。逆張りした銘柄が下がると資産が減るだけでなく信用口座の維持率も下がります。そういう状態が続いている時に大きな下げ相場がくると、耐えられなくなって安値で投げることになります。これは典型的な負けパターンですよね。ですので、信用の場合は順張りの方がリスクは小さいと思います。

――ポートフォリオの管理はどのように行っているのですか。

まずは5つか6つくらいの銘柄をメインにしながら、その中で値動きが良く、上がっているものを残し、比率を増やします。逆に上がらない銘柄は減らして、その余力を強い銘柄の追加購入にまわします。すると、トーナメント戦のような仕組みで自然と優秀な銘柄がポートフォリオの上位にきます。強い銘柄が常にポートフォリオの上位を占めている状態にするのが理想です。

――ポートフォリオのチェックは毎日行なっているのですか。

毎日見ていますし、ほぼ毎日動かしています。毎日見る必要はないと思いますが、私は売買が楽しいですし、見ているだけではつまらないので、100株でも200株でもよいので動かしたいんです。要するに、売買中毒ですね(笑)。その気持ちを抑制するために、後場は相場から離れて街歩きするようにしています。よく旅に出ているのも売買頻度を抑えたいという狙いがあります。私が旅行をする時は、だいたい日曜に出発して金曜に帰ってきます。このスケジュールだと会社員の人が少なく、空いていますし、安く旅行できます。そして何よりも、旅行している月曜から金曜までの間は相場がありますので、その期間で旅行することが抑制になるのです。

――日本人は逆張り派が多いという説がありますが、順張りにはリスク管理以外にもメリットがありそうですね。

その時々の相場にもよりますが、例えば、今の米国市場のように押し目がほとんどない状態で上がっていく相場だと、逆張りでエントリーするタイミングがありません。私が狙いたい銘柄もジワジワと上がっていくことが多く、逆張りを狙っているとなかなか買えないのです。その点、順張りはトレンドフォローですから素直に買えます。日本株全体や狙っている銘柄が米国株のように上がっていくという前提なら、順張りの方が利益が取れる可能性は大きいと思います。

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