はじめに
どちらがいいとは一概に断言できない理由
まず、これからの予定とどんな風に思っているかをまとめてみましょう。
・収入等よいところがあれば転職もしたい(が、もうできないとも思っている)
・実家に帰る予定はない
・家を買った方がいいのではと思い始めた(老後に住むところが心配なことと、今のお給料で家賃を払い続けるのが厳しいことから)
・東京に住み続けたい
ライフプランを左右する最も大きな変動要素として「結婚」と「仕事」があげられます。マンション購入には大きなお金がかかりますので、今後のライフプランが変わった時にもある程度対応できる選択がよいでしょう。
たとえば将来、結婚する場合に備える選択肢として、マンション購入について次のことがあげられます。
・今は買わずに結婚してから家を買うための頭金を貯める
・2人でも住める広さの家を買う
・結婚したら手放すことも考え、売れる物件を探す
また仕事についても、転職、異動など今後のキャリアはわかりません。ご相談者様がどのようなキャリアを描きたいかは文章からはわからないのですが、もし「お金」よりも「やりがい」を求めるタイプの場合は、収入が減る選択をしたくなることもあるかも。逆に、お金が第一優先の場合は、よい会社に転職でき手取り額が増えれば、「もっとローンを借りられたのに」と思うかもしれません。
このように、ライフプランは変わるため、一概に「買った方がよい」「賃貸の方がよい」とは断言できないのです。総合的な視点から、自分はどうしたいのか価値観と向き合って決めることになります。
人生を3つのケースでシミュレーションする
向き合って考えるヒントとして、「賃貸を続ける」「今マンションを購入する」「5年後にマンションを購入する」 の3つのケースで、95歳までの人生とした場合(※)のシミュレーションを見てみましょう。ここでは、「かかるお金」「メリット」「デメリット」 の3点をお伝えします。(※2018年厚生労働省「簡易生命表」によると、90歳時点での女性の平均余命が5.66年であるため、ここでは95歳と仮定)
【ケース1:このまま賃貸生活を続ける場合】
<かかるお金>
■家賃・共益費:7.5万円/1ヵ月■更新費用:10万円/2年
■合計:7.5万円×12ヵ月×(95歳-37歳)+10万円×(95歳-37歳)÷2
=5510万円
<メリット>
・結婚や転職、天災や震災など、環境や価値観が変化した際、フレキシブルに引越しできる・家計状況に合わせて、家賃の低いところへの転居も可能
<デメリット>
・生涯、同じ家に住み続けられるとは限らない・老後、希望の住まいが見つからない可能性がある
・収入が年金のみになる老後に家賃が負担になる
・リフォームやバリアフリー化が難しい