はじめに

【ケース3:5年後、マンションを購入する場合】

<かかるお金(※)>

5年間毎月7万円の貯金を続けて頭金を400万円増やしたとします。ケース2と異なる条件を以下とした場合、
■頭金・諸費用:1000万円
■ローンの返済期間:25年(金利は同じ1.3%と仮定)
買える物件の価格は約2585万円(借入は1,792万円)と、ケース2より少し高くなります。

■5年間の住居費(賃貸):7.5万円×12ヵ月×5年間+10万円×2回
=470万円
■頭金・諸費用:1000万円
■ローン返済:7万円×12ヵ月×25年間
=2100万円
■管理費修繕積立金、リフォーム代:0.5万円×12ヵ月×(95歳-42歳)+200万円
=518万円
■固定資産税等:12万円×(95歳-42歳)
=636万円
■合計:470万円+1000万円+2100万円+518万円+636万円
=4724万円

<メリット>

・5年間はライフプランの変化(結婚や転職等)にフレキシブルに対応できる
・5年間貯金をすれば自己資金が増えるため、同じ返済金額で短く借りても、ケース2より少し高い物件を買える
・5年後の仕事によっては返済金額を増やせて、物件予算を上げられる可能性も
・家探しをじっくりできる

<デメリット>

・5年後の金利情勢が不明。上がる可能性もある
・5年間の家賃がムダに感じるかもしれない

※本シミュレーションは、あくまで概算です。固定資産税等は簡略化のため一律としています。なお住宅ローン控除は考慮しておりません。

どの要素を大切にしたいかで答えは見つかる

3つのケースをこうして比べてみると、どれもメリットとデメリットがありましたね。かかるお金は、賃貸住まいが95歳までの総額では最も高く、購入すれば資産として遺族に残すことも、いずれ売却することも可能なので、お金面では購入に軍配があがるでしょう。とはいえ、自由度は賃貸が一番高く、環境や価値観を大事にしたいのであれば、賃貸に軍配があがります。

まだ焦る必要はありません。これからどうしたいのか、ご相談者様がどの要素を大切にしたいかを考え、現時点で“ある程度”満足できる選択をされるとよいでしょう。

物件価格については、手取り収入に占める住居費の適正割合は約2.5割~3割、ご相談者様の場合、最大でも8万円までに抑えたいところ。その範囲に収まるよう都内で探したところ、多くはないものの駅近の中古物件もありました。色々な可能性を考えながら、ぜひ調べてみてくださいね!ご自身のワクワクすることが何か、動いてみると見えてくると思いますよ。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。