はじめに

どうやって貯める?

繰り上げ返済用のお金は、元本が確保される預貯金で貯める方法と、投資信託などの運用で貯める方法があります。確実に貯めたいのなら、「繰り上げ返済用の積立口座」として新たに自動積立定期預金の口座を作って、積み立てましょう。

ただ、ご相談者さんは、現在も投資をされていらっしゃいます。その強みを活かし、国の定めた条件をクリアした投資信託を、年間40万円まで非課税でコツコツ投資ができる、つみたてNISA制度を使ってはいかがでしょうか。

つみたてNISAを2人で使えば年間80万円積み立てられますから、10年なら累計800万円です。将来のリターンはわかりませんが、仮に、平均1%で運用できたとすると10年後には約841万円、2%なら約885万円の資金になります。10年後完済のために必要な残りの資金は、ボーナスの半分を貯めると、目標達成できますよ。

これからの収支を見据えてメリハリ家計の実践を

ここまで目標金額と貯め方をお伝えしてきましたが、育休を終えた奥様が職場復帰するときの収入アップも心強い味方です。しかしながら、世帯収入が高い世帯では、保育料も高くなるのが一般的。保育料は、お住まいの市区町村によって異なりますが、子ども2人分の保育料や幼保無償化後の給食費等を考えると、復帰で増える7万円は、子どもの教育関連費に消えると思って家計管理を行いましょう。

お子さんの成長と共に洋服やおもちゃなど、様々なものが必要になる中、年間170万円の貯蓄は立派です。今後は、繰り上げ返済に加えて、教育費の準備や電化製品などの買い替え費用、老後資金なども必要になりますから、メリハリ家計を作りたいところです。

現在、交際費2万円、レジャー費5万円、お小遣い10万円と使っています。これらを大きな視点で区切ると、「楽しみ費」というグループに分けることができます。すると、1ヵ月の「楽しみ費」は17万円、1年間では204万円です。実際は、年末年始や夏休み、記念日などの支出を入れると、もっと多いことでしょう。

お子さんが小さいときしかできない家族の楽しみもありますが、10年後にローン完済という目標があるなら、ちょっとだけ引き締めてみませんか? 例えば、「交際費はお小遣いの中に含める」「外食はレジャー費に含める」などの支出の項目と金額の上限を見直すことで、節約感を減らしながら貯蓄を増やすことができます。

掛けたいところにお金を掛けつつ、引き締めるところを引き締めて、メリハリ家計を実践しましょう。10年後の完済が近づきますよ。

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