はじめに

教育費と老後資金がいくら必要になるのか算出する

相談者様ご夫婦はまだ若いので、まずはこれからの生活において、どれくらいの支出があるのかを予想し、予定しておくことが大切です。相談者様の場合、すでにマイホームはお持ちですので、主に大きな出費となるのが教育費と老後資金となります。

【教育費】小学校~高校は公立、大学は私立文系の場合
押さえておくべきなのは、教育費がどれくらいかかるのかということです。生命保険文化センターによると、小学校から高校までを公立で過ごし、大学は私立の文系に進学し、自宅から通学した場合を例に、教育費を算出しました。その16年間にかかる教育費の合計は、約1139万円となっています。

<内 訳>
小学校6年間: 約193万円
中学校3年間: 約143万円
高 校3年間: 約135万円
大 学4年間: 約668万円

この他にお稽古事にもお金がかかると思いますし、進学先が私立であれば、お金はさらに必要になります。特に大学では自宅から通学する場合と下宿する場合でも大きく差が出ており、私立の文系に進学し、下宿先から通学した場合には教育費は、約933万円です。同じ学校、学部であっても、265万円も多く支払わなくてはなりません。

基本的な支出としては、子ども2人ですので、約1139万円×2人で2278万円の支出が予想されます。とはいえ、これはあくまでもモデルケースの場合の費用です。できるだけ早く子どもの意向を聞いて、必要な支出額を修正していくことが大切です。

【老後資金】ゆとりある老後を送るには月いくら必要?
多くの企業が定年退職のタイミングを先送りする傾向にありますので、65歳で定年退職して、セカンドライフを送ると考えてみましょう。

生命保険文化センターが令和元年に行った調査によれば、老後、いわゆるセカンドライフで必要となる最低の生活費は平均で月額22.1万円。ゆとりある老後生活では月額36.1万円という結果になっています。

これを相談者様の夫婦に当てはめてみると、夫婦の90歳までの生活費は25年間で6630万円。ゆとりある老後資金では、1億830万円という金額が算出されました。

4つのステップでお金を貯める!

大まかな支出がわかったところで、どのように貯めていくのかを考えてみたいと思います。とはいえ、その前に、家計の見直しをすることが必須です。

(1)月8万円の食費を見直して

一見すると無駄がなさそうな毎月の支出ですが、おそらく外食の費用も含まれているかと思いますが、毎月の食費の8万円はちょっと高いのでは? お仕事の関係上、仕方ないのかもしれませんが、将来のことを考えたら可能であれば2万円、最低でも1万円は減らして貯蓄にまわして欲しいと思います。

(2)保険の見直しで過不足を調整する

また、保険料が0.4万円なのも気になります。最低限の医療保障のみに加入しているのかもしれませんが、夫婦それぞれ、万一、病気等で働けなくなった場合を考えて医療保障として入院日額を8000円前後は確保しておきたいところです。

その他、子どものための学資保険への加入も検討してみてください。

現在の預貯金額であれば、1人目の子どもの学費は準備できると思いますが、2人目となると、足りなくなってしまう可能性が出てきます。もちろん、貯金しながら支出することになるかと思いますが、教育費という観点から考えてみると、貯蓄して準備するよりも学資保険で教育費として準備して行く方が、効率よく貯めることができますよ。

(3)日本の年金と通算できる可能性も?老後資金の準備

厚生労働省によると、厚生年金の平均受給額は14万3761円でした(平成30年分)。ただし、これはあくまでも40年間就業した場合の金額です。

相談者様は平均値に近い金額を受給できる可能性はあるのですが、ご主人の年金はそれ以下となることは必至。しかしながら、最低限の必要な老後の生活費は月額22.1万円ですので、ご主人の年金および収入が7万円強あればOKという計算になります。海外での賃貸収入もあることから、総合的にみれば、老後の生活費はクリアできる計算になります。

その他に確認して欲しいのは、ご主人が本国で年金制度に加入していたかどうかです。加入していた場合には、日本の年金と通算できる可能性があり、年金受給額が増えることも。ぜひ、確認してみて下さい。

(4)貯蓄は必要になるものから、優先順位をつけて貯める

現在、老後資金に7万円、教育費に7万円と積み立てていらっしゃいますが、このペースは続けて欲しいと思います。

しかしながら、内訳を変えてみるのも一考です。たとえば老後資金および予備費として5万円、教育費7万円、学資保険2万円というように、貯蓄総額はそのままで、その時の生活で必要になる資金を優先して準備してみてはいかがでしょうか。

このデータは、あくまでも今の数値でしかありません。大まかなお金の流れがわかったら、適宜に修正しながらお金を貯めていくことが大切です。家計はしっかりと運営されていると思いますので、自信を持って、ご家族との生活を楽しんでくださいね。

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