はじめに

貯蓄は目的別に色分けし、突発的な支出に対応できるお金も確保

現在、ご相談者さんの家庭は、手取り月収46万円に対して、毎月の支出は、奨学金返済3万円も含めて32.3万円、収入の約7割に支出を抑えています。毎月の積立貯蓄・積立投資は12.3万円で、月収の27%をしっかりと貯めています。

支出のなかでは、食費8万円がふたりにしてはやや高めですが、そこについては、自分たちでも気が付いて、「二人の楽しみの外食は月に1回程度にしよう」とお二人で決めたそうですし、そのほかには大きな無駄は見当たりません。

「家計に余剰金がない」とおっしゃる通り、毎月の収入から積立でしっかりと貯めているうえ、ボーナスも7割を貯蓄しているので、暮らしにゆるみがありません。将来のために貯める貯蓄と、何かあったら取り崩してもいい貯蓄をあらかじめ色分けしておくと、今回の入院のように何かがあった時に、心苦しい思いをしないですみます。

急に家電が壊れたり、冠婚葬祭に招かれたり、暮らしていると突発的な出費はいろいろあるものです。「海外旅行にも年に1回は行きたい」ということなので、ボーナスからの貯蓄は5割程度に減らして、残りの5割を海外旅行費と予備資金に充ててはいかがでしょうか。

定額コストが差し引かれるiDeCo、増額の検討を

毎月12.3万円を積立していますが、内訳はどのように決めたのでしょうか? まだ結婚したばかりで貯蓄残高が少ないこと、将来的にマイホームを購入したいことから、預貯金の割合が多めなのはいいと思います。気になったのは、iDeCoとつみたてNISAの割合です。

<毎月の貯蓄額:12.3万円>
夫:定期3万円、つみたてNISA3.3万円 、貯蓄保険1万円、iDeCo0.5万円
妻:定期4万円、iDeCo0.5万円

iDeCoに拠出するには、拠出額にかかわらず定額でコストがかかります。国民年金基金連合会に105円、事務委託先金融機関に66円が必ずかかりますし、多くの場合、運営管理機関である金融機関にも数百円程度かかります(無料の場合もあります)。

いくら拠出しても定額が差し引かれてしまうので、iDeCoをやるなら、拠出可能な枠をめいっぱい使って、可能な限りの所得控除のメリットを使いたいところです。

公務員であるご主人の場合、拠出可能額は1万2000円が上限です。派遣社員である奥さまは、もう少し限度額が高くなる可能性がありますね。老後資金が目的で、途中で解約しないと考えているお金なら、iDeCoを増額して、その分、つみたてNISAを減額しましょう。

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