はじめに

国の制度(税制優遇)をフル活用して効率よく貯める

具体的には、2つの「税制優遇」の活用です。

1つ目は掛金全額が所得控除となる個人型確定拠出年金iDeCoです。相談者様ご夫婦は会社員とのことですので、月額最大2万3000円の掛金でiDeCoをスタートできる可能性があります(掛金=拠出金額については会社で要確認)。

例えば、毎月の貯蓄額40万円から、ご夫婦ともにiDeCoに2万3000円(年間27万6000円)を振分け10年間積立てした場合、仮にご夫婦の所得税率が20%で10年間変わらなかったとすると、住民税(10%)と合わせ年間8万2800円×2人分=16万5600円×10年間の節税効果が期待できます(10年間の手数料等は考慮していません)。もちろん掛金552万円が大きく育つことも期待できます。

2つ目は、運用益が非課税となるNISA口座やつみたてNISA口座を作って運用することです。一般的に投資信託の売却益や定期預金の利息などは、その利益に対して20.315%の税金を支払わなくてはなりません。

NISAは2023年までは現行制度(2024年より新制度)で年間120万円に対する運用益が5年間非課税となります。また、つみたてNISA(2042年まで5年延長)は年間40万円まで積立てが可能で、20年間にわたって運用益が非課税になることから、複利効果を最大限に生かすことができます。まとまった金額はNISA口座で運用、毎月分はつみたてNISA口座でコツコツ運用するなど、夫婦それぞれがどちらの制度を利用するかなどについて話し合って決められたらいいと思います(一人で2つの口座は併用できません)。

まずはしっかりと家計改善を行い、相談者様のご家庭と相性の良い税制優遇をフル活用してみてください。

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