はじめに

令和元年の被害総額は1037億9134万円!

さて、令和元年のデータを見てみましょう。以下、「利殖勧誘事犯」に限って説明していきます。

まず検挙された件数ですが、全部で41件でした。具体的にどのような内容の詐欺事件だったのかというと、最も多かったのが「集団投資スキーム」で、その被害額は、令和元年の被害総額1,037億9,134万円のうち50%に相当します。

集団投資スキームとは別名で「ファンド」と明記されているように、不特定多数の出資者から集めた資金を、有価証券や事業に投資して利益を得て、それを出資者に配分することを商材とした犯罪のことです。私が昔取材した経験で言いますと、ニューヨークに拠点を置いているヘッジファンドの日本法人が六本木にあり、「外国籍投資信託」と称して一定の利回りと元本を保証し、不特定多数の人たちからお金を集めていました。かれこれ20年も前の事件です。

この主犯格の人物はさらに証券会社を買収し、そこを通じて元本保証、確定利回りを確約した債券を募集・販売した後、顧客から預かっていた株券を夜中に持ち逃げして行方をくらまし、その証券会社は破綻するという、とんでもない結末になったのですが、この手の集団投資スキームを用いた詐欺事件が、今も相変わらず行われていることを、この数字は物語っています。

その他どのような投資詐欺の種類があるのかというと、被害額で集団投資スキームに次いで多いのが「その他」の41.1%で、これは主にマルチ商法によって利益が得られる権利を商材にしたものが含まれています。

それ以外は、いずれも被害額としてはそう大きくありませんが、デリバティブ取引が4.2%、その他預かり金が3.2%、公社債が1.5%です。

「デリバティブ取引」とはFXや商品先物取引、CO2排出権取引などを商材とした詐欺です。「外国為替のプログラミング取引で月利2%の確定利回りをお返しします」といった類のサービスは、疑ってかかるべきでしょう。

「その他預かり金」は元本保証のうえで不特定多数の人たちから金銭を預るもので、投資対象が不明なものが含まれています。過去、事件化したものだと和牛やマンゴー、エビなどのオーナー商法がこれに該当します。

そして「公社債」は債券を商材とした詐欺のことで、そもそも償還させる意思が全くなく、集めた資金を自分たちの遊興費などに費消するために発行された債券が商材とされるケースが多いようです。