はじめに

老後生活の2つのシミュレーション、こんなに差がでる?

では、60代で元気なときの老後の生活費と70歳以降の生活費について、どうすればいいのかを、シミュレーションをしてみましょう。

ケースA
65歳の夫婦二人暮らし、老後資金が2,000万円、年金額が240万円の家庭です。会社を退職して、65歳からの年金240万円と老後資金からの取り崩し分100万円の合計340万円で生活をしています。

旅行を年1回行くとして、1回で40万円使います。ですので、実質の生活費は300万円です。なんとか、70歳まではこのスタイルを続けます。そして95歳まで生きるとしたら、70歳以降は毎年の取り崩し額は60万円になります。

整理してみましょう。

65歳の夫婦二人世帯、老後資金2,000万円。65歳からの年金額は240万円。95歳まで生きているとする
65歳から70歳まで:年金額240万円+取り崩し100万円=生活費340万円
70歳から95歳まで:年金額240万円+取り崩し60万円=生活費300万円

ケースB
ケースAと同じ条件ですが、70歳まで年金の繰下げ受給をしました。そこで65歳から70歳までは、老後資金の2000万円を取り崩しながら生活をすることにしました。繰下げ受給をしたので、70歳からの受取金額は42%増額して340.8万円になります。95歳まで生きるとすると、

65歳から70歳まで:老後資金からの取り崩し350万円(350万円×5年=1,750万円、残高250万円)
70歳から95歳まで:年金額340.8万円=340.8万円

老後の介護費用に対応できる老後資金の計画

このシミュレーションでわかるように、Bのケースで繰下げ受給をした場合には、70歳以降は約341万円の年金がずっと入ってくるので、これで生活の質を落とすことなく暮らしていけます。さらに老後資金も250万円が残っています。もし、介護が必要になった時にはこれで対応することができます。では、介護費用でどのくらい必要になるのかという数字を見てみましょう。

損保ジャパン日本興亜の「介護費用に関するアンケート(2019年)」のデータを参考にすると、介護の初期費用としては98.1万円、月額平均費用としては、12.7万円です。

ケースAの場合は、老後資金を取り崩して生活していますから、初期費用としては対応できると思います。しかし、70歳以降は、ほぼギリギリの生活費になっているので、生活費を切り詰める、または、老後資金からの取り崩し額を増やすという方法になります。すると老後資金は95歳までは持つ予定だったのが、介護により計画が破綻してしまうことになりかねません。

一方、ケースBを見てみましょう。70歳まで生活費として取り崩した老後資金ですが、まだ残高が250万円残っています。このお金を使えば、介護の初期費用に充てることができます。このための余裕資金です。

その後の介護費用としての12.7万円は、年金の受け取り額に余裕があるので、この中から支払うことができます。それでも、ケースAよりもかなりゆとりのある生活が可能になります。