はじめに
3人目を産んだあと、お金がかかる注意期間は2回
ご相談者さんは、2年前に正社員からパートに働き方を変えました。それをきっかけに貯蓄のペースが下がったことが、不安の原因となっています。
それでも、現在、月5万円の貯蓄ができているので、ここを起点に今後を考えていきましょう。月5万円の貯蓄を継続できるかどうかは、教育費が大きなカギを握ります。現在は、月に8万円の教育費(学童1.2、保育料2.8、習い事2、学校2)を負担していますが、保育料無償化の対象になれば教育費は現状以下に抑えられます。
注意すべき期間は2回あります。1回目は、3人目のお子さんが生まれた後、保育園入園から3歳までの期間です。この間は、保育料の負担が増えるため、貯蓄がペースダウンする可能性が有ります。2回目は、3人目のお子さんが小学校に入った後です。下の子は学童費用が発生しますし、この頃には上のお子さんが高校生、2番目のお子さんが中学生になっているので、塾代等がかさみ始めます。ただし、この頃にはお子さんに手がかからなくなるので、再び収入を増やすことも可能になるでしょう。
このように、教育費負担の増減によって貯蓄額が左右される可能性はありますが、今回、年間170万円のボーナスの使途が不明のため、ボーナスからの貯蓄を考慮しておりません。ボーナスで多少の教育費変動は吸収できると考えて、このまま先へ進めていきましょう。
相談者の家計の特徴は?
ご相談者さんの家計の特徴としては、住宅ローンを返済中で2100万円の残債がありますが、現在すでに住宅ローン残高を上回る2800万円の貯蓄ができている点でしょう。完済することも可能ですが、住宅ローン減税を利用したい、手元に現金を置いておきたいという理由で、返済をしていないのだろうと推察できます。
「残債が2100万円」「元金均等返済であと7年間は固定金利期間が続く」「ひと月の返済額が9.4万円」という情報をもとに、金利を1%と仮定し、今後繰上げ返済をしない前提で試算すると、返済期間は23年程度、今後支払う利息は約242万円と計算できました。ご夫婦は現在お二人とも38歳なので、このまま坦々と住宅ローンを返済した場合、61歳頃にローンを完済できそうです。