はじめに

「夏枯れ相場」を検証してみる

続いて、売買代金の観点から相場を見ていきたいと思います。

相場の用語には「夏枯れ相場」というものがあります。これは、日本では夏休みやお盆休み、海外でも夏の長期休暇があり、夏場は市場参加者が減少することから売買代金も減少することを指すアノマリーです。

実際、売買代金が減少するとちょっとした動きで変動が激しくなってしまうため、思った価格で約定しにくくなります。そのため、投資をする上で夏場は注意が必要な時期なのです。

過去3年間の東証1部の月間売買代金の推移を見てみましょう。7月から8月にかけては年間の最小を記録しており、このアノマリーは実際に観測されていることがわかります。

東証一部月間売買代金推移

2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、3月以降は前年を上回る売買代金で推移していました。しかし7月を見てみると、7月22日までの平均ではあるものの6月と比べて大きく減少し、2兆円近辺で推移しています。過去3年と比較しても、夏枯れは始まっているように見えます。

月別の株価の値動きを見てみると、直近10年のTOPIX月間騰落率の平均では8月が最も悪く▲2.89%です。また、月間でプラスであったのは10年間で2016年のみと、特にパフォーマンスの悪い月となっています。対照的に8月以降は4ヶ月連続でプラスを記録しており、高いパフォーマンスの月となっています。

過去10年間のTOPIX月間騰落率平均

この状況を見て「閑散に売りなし」という相場用語が頭に浮かぶ方もいるのではないでしょうか。「閑散に売りなし」とは、閑散相場の中で十分に売りが出た後はもう売り手がいなくなり、この期間我慢していた投資家が一斉に買いに向かうことで売ってしまった投資家も買い戻すことで大きく相場が上昇することを表しています。

今年の8月は、これまでの大きな値動きとは打って変わって小幅な値動きとなるかもしれません。ですがこの閑散期を乗り越えたら、例年と同じように力強い上昇が待っているかもしれません。