はじめに

自営業の老後は各種公的制度の積極活用を

まず現状の状態を確認していきたいと思います。

現在の積み立てが、「つみたてNISA(5万円/月)※全世界経済インデックスファンド」とのことでが、このつみたてNISAの制度は年に40万円まで非課税で運用にまわすことができる制度です。40万円を12カ月で割ると、1カ月あたり3万3333円となりますので、5万円を積み立て続けることはできません。今年の5月からつみたてNISAを始め、毎月の積み立てを12月までの8カ月間で、毎月5万円で40万円になる計算というふうに理解することにしますね。

老後の不安を解消するために、各種公的制度を活用することは非常に良いことだと思います。また、自営業でいらっしゃるので、老後の年金は基礎年金が中心になりますね。現在の加入条件が続いた場合の公的年金が7.5万円/月とのことですので、通常基礎年金は満額で約6.5万円/月ですから、差分は付加保険料200円×契約年数分と、一時期会社員をされていて厚生年金が少しあるのかもしれませんね。

長生き傾向のある女性は資産寿命の継続が重要に

通常は個人事業主の方や自営業の方は厚生年金がないので、自分で老後の計画を立てなければなりません。特に女性は老後が長くなる可能性があるので資産寿命をどのように継続させるかが大きなテーマになってきますね。

2020年7月末に厚生労働省が発表した「簡易生命表」によると、日本の2019年の平均寿命は、女性が87.45歳、男性が81.41歳でいずれも過去最高を更新しています。平均寿命が伸びている理由は3大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)による死亡率が下がっているからと言われており、今後の医療技術の発展によってさらに伸びることが予測されています。

平均寿命は、その年に生まれた新生児の寿命を表しているものですので、すでに37歳になられているご相談者さまは、0歳〜37歳の間に死亡するリスクを乗り越えているぶん平均寿命より長生きになる可能性があります。また、一説に女性の死亡の最頻年齢は91歳〜93歳ともいわれ、女性の26%は95歳以上まで長生きなされています。

また、自営業でいらっしゃるので定年は仕事の事業性と、ご自身の健康がきめることになると思います。日本の健康寿命は74歳と言われていますが、「そこまでは働きたくないけど65歳から70歳くらいまでは頑張る」と仮にしても老後は20年以上ありそうです。

こうなると、長く生きることを前提に老後破綻のリスクを考えるとよさそうですね。

自営業者が利用できる制度にはどんなものがある?

自営業の方や個人事業主の方は、厚生年金に加入できない分、さまざまな税制優遇制度があります。

終身保険である「国民年金基金」は、厚生年金保険の代わりになるものです。退職金の積み立てに相当するのが「小規模企業共済」になります。また、すでにご加入済みの付加保険料は、国民年金の定額保険料に400円上乗せして払うことで、200円×契約年数分が年金に上乗せされるので、実質年金を受け取ってから2年で元が取れるお得な制度ですね。そして、掛け金が所得控除され、運用益にも税金がかからない個人型確定拠出年金(iDeCo)があります。

どちらの制度も掛け金に対して所得控除が受けられます。所得控除の最大化ということでいえば、すべての制度を利用していくことができます。国民年金基金とiDeCoの掛け金は合計が月に6万8000円となりますが、小規模企業共済はまた別に7万円を掛けることができ、所得控除が受けられます。現在のご年収が600万円ほどあるので、所得税・住民税の控除額もそれなりに受けられると考えられますね。