はじめに

不動産投資を始めたのは「双子の誕生」も関係?

――自宅購入をする場合も、売却や投資を頭に入れておくのが重要かもしれません。ちなみに、ここまではあくまで自宅物件であり、投資の視点を入れつつも、不動産投資家としてはまだ活動していませんよね。どんなきっかけで本格的に投資に踏み出したのですか?

私が不動産投資を始めたのは2000年、39歳の時です。私が不動産仲介の若手営業マンとして働いていた1980-90年代に住宅を買っていただいたお客様の多くは団塊の世代の方たちで、彼らもまだ現役世代まっただ中でした。ただ、だんだんとその世代の方も歳を取り、定年も視野に入ってくると、私との会話の中で、やはり「老後どうしよう」と相談されることが増えてきました。私も自分が年齢を重ねる中で当然、老後を考えるようになり。そこで、不動産投資を始めようと考えたわけです。

――老後の不安ですか。

そうなんです。仕事上、多くのお客さまの家庭を覗かせていただく機会が多い中で、同じような年齢なのに、それぞれすごく差があることが見えてきました。現役で働いている頃から投資用の物件を買って、老後も悠々自適の人がいれば、一方で急に体を壊して収入が途絶える人もいて。揶揄ではなく本当に天と地ほどの差がつきます。

しかも、人生は何が起きるかわかりません。私だって、23歳で結婚したのに10年以上子どもができず、「このまま一生、夫婦2人で暮らすんだなぁ……贅沢しちゃえ」と大枚はたいて新車のジープを買ったら、いきなり双子ができた(笑)。逆算したら、子どもが大学出る頃に私も定年を迎えると考えると、これはなんとかしなきゃと思いまして。

――それで本格的に不動産投資を行うわけですね。

はい。みなさん不動産投資というと「大変そう」「リスクが高そう」と身構えますが、実は不動産投資自体は古くから親しまれている投資法です。昔の人は、むしろ今より不動産投資を行っていた。年金制度が今ほど整備されていなかったので、退職金で小さな借家やアパートを買って家賃収入を老後の足しにするというのは割とポピュラーなやり方だったんですね。その後、年金制度が整備され、同時に土地の価格が上がり始めるとともに、いつしか「忘れられた投資」になった。2000年頃から埃をかぶったこの投資にまた光があたるようになって今に至るわけですが、不動産投資は手法が確立しており、きちんとルールを学んで取り組めば、決して恐れるものでもないのです。

猪俣さんが本格的な投資家となってからのエピソードは、次回伺います。

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