はじめに

マンション独自に備蓄する例も

災害時にはエレベーターが止まり、特に高層階では食料や物資の調達が難しくなると予想されます。そこで、港区芝浦の「芝浦アイランドケープタワー」(48階建て、約1100戸)では、3日分の食料品や水、簡易トイレ、情報連絡手段としてのトランシーバーなどと、災害時の行動を記したマニュアルを各フロアの倉庫に備蓄しています。

芝浦アイランドケープタワーで、各階に設置された備蓄倉庫

地震発生後、マンションに在宅する住民が協力し、マニュアルに基づいて安否確認や食料の配布などを行います。また、1階には、事前に訓練を受けた住民による災害対策本部が設置され、救助活動を行ったり、外の避難所へ情報を取りに行ったりする計画です。

このマンションでは、定期的な防災訓練に加え、非常食の試食や防災関連のクイズなどのイベントも開催。多くの住民を巻き込み、十分な備えをしてもらえるよう様々な工夫をしているそうです。以前の住民アンケートでは、ほとんどが「災害時は避難所へ行く」と答えたそうですが、今では多くの住民が、在宅避難や備蓄の必要性を理解するようになったといいます。

管理組合の防災ワーキンググループのメンバーは「このマンションで東日本大震災を経験し、とても怖い思いをしたというのが出発点。このような高層マンションでは、エレベーターが止まるとなかなか外へも出られない。まずは各フロアの住民が顔見知りになり、食料品、防災トイレなどの備蓄し、1週間程度は在宅避難ができるよう備えたい」と話していました。

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