はじめに
自分へのリーダーシップを持つ
リーダーシップとは、目標を達成するために、チームメンバーに影響を与える力のこと。対人影響力などとも言われます。ここで「チームメンバー」を「自分自身」に置き換えると、自分へのリーダーシップになります。
やると決めたことを実行するためには、自分自身へのリーダーシップが必要です。自分の中でのことなので、ゴールを達成したことは誰にもわからないかもしれません。でも、自分にだけはわかります。
人と比べるのではなく、昨日の自分と今日の自分を比べてどうかを、自分で判断すればいいのです。昨日よりも上手にできるようになったか、新しいことができるようになったか、より成長しているか。私はこれを自分に問いかけるようになってから、精神的にとても楽になり、仕事をうまく進めていけるようになりました。
たとえ重要なプロジェクトを成功させて評価されたとしても、自分としては得られるものがなかったという場合もあります。反対に、うまく行かなかったプロジェクトでも、新しいスキルと経験を身につけることができたら、それはあなた自身にとっては成功です。
一つ一つの仕事に対して、自分自身で目標を決め、達成できたかどうかを自分で判断する。こんなふうに取り組んでいくと、他人と比べる必要がなくなります。他人と比較してしまうと、どうしてもねたみや嫉妬という感情が生まれて苦しみますし、前に進めなくなってしまいます。
もし、ねたみや嫉妬といった感情が生まれたら、あこがれや感嘆に変換しましょう。あんなふうになれるようにがんばろうという推進力に変えてしまえばいいのです。
こうして自分へのリーダーシップを発揮していけば、結果的に自分の人生を自分で切り開いていくことになります。自分の人生なのですから、自分で決めて、自分の力で進んでいきましょう。そのほうが、ずっとずっと、楽しく充実した人生になるはずです。
「あなたにお願いしたい」と言われる仕事のコツ88
佐々木順子 著(ぱる出版)